「ブロークバック・マウンテンが俺たちを呼ぶ」ブロークバック・マウンテン 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
ブロークバック・マウンテンが俺たちを呼ぶ
20年間に渡る男同士の愛と友情
1963年の放牧夫として出会ったイニス(ヒース・レジャー)と、
ジャック(ジェイク・ギレンホール)
1983年にジャックが事故死するまでその愛と友情は続く。
2005年作のこの映画は観たとき強烈な印象を受けました。
お互いに妻子がありながら、ブロークバックの山と山で過ごした日々を
強烈に反芻するイニスとジャック。
ゲイの男同士の愛を描いた映画は、11997年のウォン・カーヴァイ監督作の
「ブエノスアイレス」を観ていました。
そして1987年作のジェームズ・アイボリー監督の「モーリス」
そのどれもが男女の愛より一層、禁断の愛であることで、
より不幸でありドラマティックです。
「ブロークバック・マウンテン」の険しい山と自然そして数万頭の羊たち。
自然を背景にしたことでより映像は美しい。
ゲイの映画はフランソワ・オゾンやグザヴィエ・ドランにより受け継がれるが、
ドランの映画はどれも重苦しい。
ゲイが重荷であり負の側面を未だに持つように思える。
現実に入籍して結婚生活を送る一般の人々の方が幸せそうに見える。
イニスはジャックの「2人で小さな牧場をやって暮らそう」という
提案を拒絶する。
ゲイ・カップルは世界から許される訳がない。
イニスは硬く信じている
死んだジャックの洋服入れから、イニスのシャツにジャックのシャツを重ねたモノを
みつけて涙するイニス。
何が2人をそんなにも結び付けたのか?
頑なに愛を貫いたイニス。
愛と孤独が痛かった。
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