「一番愛する人と愛し合うことが罪だったなら」ブロークバック・マウンテン SpicaMさんの映画レビュー(感想・評価)
一番愛する人と愛し合うことが罪だったなら
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よくある恋愛映画のように出会ってすぐにベッドに直行というわけでは全然ない。二人ともカウボーイの仕事を愛している。毎日を二人で過ごし語り合う中で、お互いを理解し好意を抱くようになる。美しい牧歌的な風景の中で二人が仕事をする様子は完璧な一幅の絵だ。ある晩、飲み過ぎがきっかけで一線を超えて愛し合うようになる。
主人公の父親が同性愛者をリンチするエピソードが語られ、私達は米国中西部という最も保守的でカソリックの信仰の厚い地域では、同性間の愛が最大のタブーとされていることを知る。最も厳しいワイオミング出身の主人公はひどく罪悪感にさいなまれていて、人目を気にしている。自分の心に蓋をして生きていく。テキサス出身の相手は比較的自由な心を持っており、見つかるのが怖いのなら、違う場所で新しく生活を始めようと誘う。なのに主人公は今の生活を続けるより他に道がないと断ってしまう。
厳しい修行のような人生だ。
美しい映像にのせた悲しい同性間の愛の物語。
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