「まさにさすらい」さすらい FormosaMyuさんの映画レビュー(感想・評価)
まさにさすらい
冒頭からほとんど会話のない白黒の映像で睡魔が襲います。しかし途中からいろいろな人間との出会いや会話があり、何とか3時間寝ないで見通しました。
さて、内容は性器を出したり等のスキャンダラスな映像とは裏腹にピュアな主人公二人とその他途上で出会う人々の静かな群像劇です。
ドイツの映画って思弁的で哲学的でなんか単純に楽しめないな~というのが多いと感じるのですが、こちらはその気はあるものの人々のメッセージは結構ストレートですっと頭に入ってきます。
今回記憶に残ったメッセージは2つ。1つは妻が自殺した男の言葉で、人生は一回しかないのにみんなそれぞれだ、ということ。本当そうですね。2つ目は主人公の最後のほうのセリフ、女性みんなに対する欲望を持っているから、一人の女性とは暮らせない、というもの。なんてピュアなお方なのかしら、と。
まさにさすらいの映画なのですが、原題はIm Lauf der Zeitで時間=過去、現在、未来を意識させる内容を暗示しています。しかしドイツが統一された今となってはこの点は現代の、さらに外国の一視聴者としてはそこまでピンと来ないところでした。
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