「法螺吹き親父」ビッグ・フィッシュ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
法螺吹き親父
クリックして本文を読む
ある家族のドキュメンタリーのようでいて中身はファンタジー顔負けのコミカルさ、実に奇抜なシチュエーションドラマでした。
疎遠になった父親だが、死期が近いと知り帰省した息子夫婦。
幼少の頃はおとぎ話をいつも語ってくれる父親は素晴らしいのでしょうが長じて迄、誰彼かまわず作り話を自身の体験のように語る父親に愛想をつかす息子。
ホラ話ばかりの父親に真実を語らせようと詰め寄りますが、話は回想を含めて奇妙さを増すばかり。認知症の老人の話なら納得の社会派ドラマにもなるでしょうが、精神障害者という訳でもなく根っからの妄想癖では困ったものです、正常な息子の立場で見聞きするから、いい加減にしてよ親父というスタンスなので観るのが途中で馬鹿馬鹿しくなってきました。
終盤になって葬儀に集まった人々が父親の出会ったという人々に酷似、あながち全部がフィクションだったのではないと気づきます。どんなに脚色された人生であっても家族を愛した父親だったことに変わりはないでしょうという決着でした。
原作からして作家性の強い物語、ファミリームービーの名匠ティム・バートン監督に不満はありませんが当初、スピルバーグが監督候補だったようですが、どんな味付けになったのか観てみたかった気もします。
コメントする