劇場公開日 2004年5月15日

「ありきたりなテーマだからこそ輝く…」ビッグ・フィッシュ Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ありきたりなテーマだからこそ輝く…

2024年5月1日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

笑える

『ビッグフィッシュ - 父と息子のものがたり』を原作にジョン・オーガストが脚本を書き、ティム・バートンが監督。
2003年(日本は2004年)公開。

子供にしてみれば、父親の前半生は謎だらけで、たまにする昔話は自慢要素で味変したホラ話ばかり。
誰もが持つ経験(笑)を、見事にファンタジー映画にしてみせている。

父のホラ話はもうウンザリ、
そういう不満を持ったまま大人になった息子と、病床についた父との触れ合いを描く。
本作の主題は実に普遍的な親子関係で、『チャーリーとチョコレート工場』よりも直截的なストーリーだ。

とはいえ、
そこにはティム・バートンならではの味付け(映像、ストーリー展開)で、笑いあり涙ありの映画に仕上がっている。

主要キャストとしては、
若かりし日の父エドワード・ブルーム役に、ユアン・マクレガー、
病床にある現在の父役に、アルバート・フィニー、
一人息子ウィル・ブルーム役に、ビリー・クラダップ、
ほかに、
ジェシカ・ラング(母)
アリソン・ローマン(若い頃の母)
ヘレナ・ボナム・カーター(ジェニファー)
スティーヴ・ブシェミ(銀行強盗から投資家に転身)
ダニー・デヴィート(サーカス団長)
など。

ファンタジーな世界にユアン・マクレガーがいると、一瞬、オビ=ワン・ケノービに見えそうになる(笑)。

息子は、父が家族をなにより大切に思っていたことに気づくが、無情にも父に最期の時が迫る。
息子は、父の最期の物語をみずから作り上げて本人に聞かせる。

父の葬儀には、父のホラ話に出てくる面々が弔問に訪れる。
親の愛に気付いたときには、親は居ない。
ラストシーンで泣ける人は、親が亡くなった人が多いのではなかろうか?
親が存命の場合、どんな反応になるのか、いまの私には既に分からない…

ありきたりなテーマを(原作者の方、ごめんなさい)、
ティム・バートン風ファンタジーに仕上げた力量を素直に認めたいので、☆4.0

Haihai