「抑制の効いたモノローグ。時代設定となっている50年代のアメリカの馬...」バーバー supersilentさんの映画レビュー(感想・評価)
抑制の効いたモノローグ。時代設定となっている50年代のアメリカの馬...
抑制の効いたモノローグ。時代設定となっている50年代のアメリカの馬鹿げたSF観を再現するかのようなモノクローム。悪人ではないけど、決して善人とは言えない、どこにでもいるような人間の不条理な悲劇。そういう奇妙さがコーエン兄弟作品特有のなんとも言えない感触を醸している。
金をだまし取ろうとしたり、意図せずに人を殺してしまったり。それらはもちろん弁解の余地なんてないほど悪いことなんだけど、そのことに至る原因や動機があまりに淡々としたもので、なんか悪い夢でも見た気分になる。
まるでそこにたまたま不運が転がっていて、そのほんの小さな段差に躓いて崖から落ちてしまったみたいな後味の悪さを感じる。
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