「異常者というよりは未熟者」穴(2001) さちさんの映画レビュー(感想・評価)
異常者というよりは未熟者
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私は結構気に入りました
映像もストーリーも胸糞悪いので好き、とは間違っても言えませんが…
主人公のリズが、ただの考えなしのアバズレから、悪女という表現すら軽いような存在に成り果てる過程が、恐ろしくも面白かったです。
結局リズは、徹頭徹尾子供だったのだと思いました。
つまり、我慢ができなくて、他人への共感能力が恐ろしく希薄で自分勝手。
顔で差別されて、悔しいから見返したい。
その為なら1日くらい親友が苦しんだっていいかと思ったから開けなかった。
それで彼女が死ねば、今度は彼女の両親にバレるのが怖いから開けたくない。
片想い相手が親友を殺してしまおうが、そしてそのことを心底悔いていようがお構い無しで、いっそここで心中すれば全部チャラとか考えちゃう。
でも結局罪悪感には耐えられなくて、鍵のことを白状しちゃう。そら怒られるだろうに…
実際に幼稚なまんま育った子には、こういう無軌道な思考パターンってなくはないんじゃないか、と思ってしまいました。
その行き当たりばったりまみれのリズの行動全てが、よりによって悪い方へ上手く行くのはある意味すごいですが(御都合主義と言われてしまうの仕方ないかも…)それを除いても、幼稚さとその場の狡猾さ(アドリブ力?)だけでここまで堕ちてくことも考えうる、というのが見ていて興味深かったので、私はこの映画を評価したいです。
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