劇場公開日 2002年5月18日

「恋する溺れた人間ほど恐ろしいものはない」穴(2001) いちごだいふくもちさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5恋する溺れた人間ほど恐ろしいものはない

2025年4月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

行き過ぎた愛は、時に自分を見失い、悪魔ににも変える。恋によるエゴ、妄想そして執念を描いた作品。

冒頭は、ボロボロになりながら歩くリズの姿。行方不明4人の生徒で一人生き残ったのである。冒頭がラストのような雰囲気から始まり、被害者のごとく話し出すリズによる、恐ろしい12日間の回想が始まる。

リズによる回想シーンは2つ存在する。
現実の彼女と、回想シーンの彼女がうまく絡み合い、最後に一致していきます。それは、彼女の性格までも。か弱い優等生な被害者のリズから、映画が進むにつれ、自分のためなら人の死をもなんとも思わない、悪魔のリズの姿へ変貌が怖いです。

すぐに真相はわかるのですが、人間心理をうまく描き、飽きさせない作りでありますが、ラストがスッキリいかないですね。あまりにも理不尽で、警察が無能だこと・・・。

人間の怖さとストーカーばりの人間の狂気だけ印象に残る作品でした。

いちごだいふくもち