名もなきアフリカの地でのレビュー・感想・評価
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包み込んでしまうおおらかさ
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迫害を予想し遠く逃れてきた家族を優しく迎えるアフリカの大地と人々。ナチスとか戦争とか人間の諍いとは無縁。ユダヤ人でも、すれ違う夫婦も、小さな人間世界のこととあざ笑っているかのようだ。その自然が与えた試練の結果、家族がひとつに戻るのが象徴的か?
アフリカが教えてくれたこと・・
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ナチスによるユダヤ人迫害の映画は多いが本作は開戦前にいち早くアフリカに移住したユダヤ人家族の物語、ステファニー・ツヴァイク(映画では娘のレジーナ)の自伝小説を基にしている。
慣れない未開の地で苦労が絶えないが5歳のレジーナは現地にいち早く溶け込んでゆく、個性なのか子供の順応性の高さなのかはよく分からない、すこぶる良い子であることは間違いない。
ただ両親の夫婦仲は複雑、状況を考えれば双方に一理あるのだが意思疎通が下手なカップルで気を揉ませる。
文明国に生まれても未開の地に育っても人の幸・不幸は様々、同じでないことを嘆くより違いを尊重する大切さが語られる。子供たちにもこういう歴史を知って欲しいと思うが陳腐なベッドシーン演出が仇になって勧められないのが残念だ、また全編を通すとユダヤ人であることの悲劇よりも夫婦関係の難しさの方に主題がシフトしている感がある、そういう映画だったのかと観る前に心した自分が浅はかに思えた。
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