「過度な期待は禁物」イーオン・フラックス Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
過度な期待は禁物
シャーリーズ・セロン主演のSFアクションだが、今となっては彼女はもうこの様な作品には出演しないだろう。リメイクした場合にケイト・ベッキンセールやエミリー・ブラントらの姿が目に浮かんでしまう・・・。内容は王道系の物であり、特にひねりは無い。アニメ等の世界観を想像してしまう構成だが、本当にアニメが原作だそうだ。(映画.comの紹介ページを見て知った)流石ハリウッドであり、日本のヘタなアニメの実写化よりはクオリティは高いだろう。それもそのはずで、CG等を手がけたのが「アバター」、「2012」でお馴染みのハイドラックスだ。これは意外だったが、当時の技術で描いた映像の数々も、個性的な世界を見事に表現しており、作品の質の向上に一役買っている。シャーリーズ・セロンの当時のイメージは、「モンスター」で不細工メイクで体当たりで挑んだ芸達者な女優さんという物だったが、そのイメージをいい方向で壊してくれている。スラッとしたスタイルでのアクションは見応え十分だ。ひたすらスタイリッシュに描いており、格好良いシーンの連続で圧倒される。カリン・クサマ監督という事もあってか、スタイリッシュの中にどこか美しい世界観が広がり、画的にも大変綺麗である。アニメ原作という事を知らなかったからなのか、ストーリーが王道過ぎて魅力が感じられなかったのが本作の難点である。だが、今となっては貴重なシャーリーズ・セロンのSF作品だ。何かのきっかけで相場が上がらないだろうか。
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