「家政婦は見た!」小間使の日記 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
家政婦は見た!
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大昔に見たはずだけど、ほとんど覚えていないので、再見することに。
終始不穏な雰囲気の漂っている映画で、足フェチの大旦那や性欲の塊の旦那に神経質な奥方、険悪な関係の隣人とそろえば、早晩何か起きないはずはないと思える。主人公の小間使の行動原理も不可解で、何を考えているのかよくわからず、なおさら見ている者を不安にさせる。案の定中盤にとある惨事が起きるのだが、ただそのことで物語のトーンが大きく変転するわけでもない(のがブニュエル流か)。
ヒエラルキーの逆転というテーマは、ハロルド・ピンターの「召使」ほかいくつか例があるが、この映画の場合はもっと重層的だ。共同脚本のジャン=クロード・カリエールとはこの作品が初のタッグらしいが、後年の作と違って原作物なので、どこまで彼らの企図したものなのかは不明だ。
30代のジャンヌ・モローは最初からひと癖ありそうな顔つきなので、もっと清楚な女優の方が意外性があって良かったのでは?
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