劇場公開日 2001年2月10日

「「ミスター・ガラス」の正体に、ラストで気付くのだった。」アンブレイカブル 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「ミスター・ガラス」の正体に、ラストで気付くのだった。

2022年7月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

「スプリット」2016年
「ミスター・ガラス」2019年
を先に観てしまいまして、今頃になって、
「アンブレイカブル」2000年。をやっと観るという不届き者です。
後の後悔先に立たず・・・いやあ遅かりしで、ございました。
なんと「アンブレイカブル」そして「スプリット」そして「ミスター・ガラス」は、
連続した3部作なのでした。

アメリカン・コミックにどっぷりとハマっているシャマラン監督は、
アメコミ・ヒーロー3人を登場させていたのです。
善玉ヒーローのデヴィッド・ダン(ブルース・ウィリス)
悪玉ヒーローで23の人格を持つケビン・ウェンデル・クラム(ジェームズ・マカヴォイ)
悪玉ヒーローのミスター・ガラスこと、イライジャ・プライス(サミュエル・L・ジャクソン)

因みに「アンブレイカブル」の言葉の意味は「破壊不可能」です。
主人公のデヴィッド・ダンはフィラデルフィアで131人が死亡した列車事故で、たった1人無傷で生き残った男。
実はデヴィッドは超能力者で、死なない男だったのです。
しかし彼はその能力をろくに生かすことなく、しがない警備員を続けています。
(家族にも隠して日陰者のように生きています。)
一方でミスター・ガラスことイライジャは、、デヴィッドを見つけた事で非常に興奮する。
デヴィッドこそイライジャが探していたヒーローだったから・・・
そしてデヴィッドを見つけるために、ビル火災、列車事故、飛行機事故と
恐ろしい大量殺人事件を犯していたのだった。

ミスター・ガラス(イライジャ)は先天的な骨形成不全症という難病を患っていて、
今回は階段から真っ逆さまに転落して、更に足を複雑・粉砕骨折をして、
より不自由な身体になってしまいます。
はじめの方で黒人女性の出産後すぐに医師が呼ばれる。
「赤ちゃんはお腹の中で既に、足と腕を骨折している」と診断します。
この赤ちゃんが、後のMr.・ガラスだったんですね。
ミスター・ガラスはその能力でヒーローを影で動かし悪事の限りを尽くす知能犯なのでした。
静かに自分の能力を表に出さない、デヴィッド・ダーンが格好良く、
ミスター・ガラスはこの世の悪を体現している悪のヒーロー。
当時、この映画は駄作のように扱われていましたが、実はシャマラン監督の20年の歳月を
掛けた超能力者の運命・・・生き難さを描いた《裏ヒーロー映画》だったのです。
監督のシャマランさんが、ドラッグの売人役で出演。
背高のっぽでハンサムなインド人でしたよ。
シャマラン人気の一端が分かりましたぞ!!

琥珀糖