劇場公開日 2002年11月2日

「サマラ! 海を越えた貞子」ザ・リング 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5サマラ! 海を越えた貞子

2016年1月31日
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鑑賞方法:DVD/BD、映画館

悲しい

怖い

ジャパニーズ・ホラーの代名詞をハリウッドでリメイク。
劇場で観て以来の鑑賞になるから、14年振り!
あの頃私も若かった!

オリジナル(映画版)は主人公を男から女にするなど改変されているらしいが、このリメイクはオリジナルを踏襲。
基本ストーリーもほぼ同じ。
むしろ、オリジナルより主人公の動向など展開が丁寧に作られている感を受けた。
ジャパニーズ・ホラー特有の陰湿な不気味さをそっくりそのまま演出させる事はお国の違いもあって出来なかったが、それに近い雰囲気を再現させている。
降りしきる雨、じめっとした霧…それらが不穏な物語を案じさせ、映像は一見暗いが、何処かダークな美しさも感じる。

オリジナルから改変されている点も幾つか。
主人公の元夫や貞子に該当するサマラとその母の超能力要素は丸々カット。
これは活かしておいて欲しかった。特にサマラとその母に関しては。
元夫が能天気な性格となり、主人公がオリジナルの松嶋菜々子と比べ強くなったのは女性が逞しいアメリカならでは。
オリジナルと違う結末は母性が強調されている。
画面から出てくる蝿や暴れ馬などはちょっと意味不明。

ナオミ・ワッツが身心共に凛とした強さで魅力的。
この作品の後大ヒット海賊映画で派手なエンタメ演出を奮うゴア・ヴァービンスキーも抑えた演出で上々の手腕。
音楽にハンス・ジマー、特殊メイクにリック・ベイカー、下手すりゃB級キワモノ映画になりかねない海外のホラー映画を、一流のスタッフを揃え、上質の作品にしてくれた事は、日本人として素直に嬉しい。

オリジナルが人気作故結構厳しい声も多いようだが、久し振りに見たせいか、なかなか良かった。
貞子をイロモノキャラにしてしまった本家のあの3D映画なんかより全然イイ!

でも、採点は3・5に。
オリジナルが4なので。
ゴメンね、サマラ。

近大