「大人たちの責任」スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃 吠えない狼さんの映画レビュー(感想・評価)
大人たちの責任
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スピンオフとか派生作品を除いて、全エピソード鑑賞。
本作はラブストーリーの側面があるため、もともと小っ恥ずかった演出が輪を掛けてモロに目立ってしまった印象でした。
ヨーダのマスターぶり、パドメのセクシーさ、陰謀が絡むストーリーの複雑さなど、見所は満載ですが最も感じたのはアナキンが可哀想過ぎってこと。
エピソード1で前途あるいたいけな少年だったのが、クワイガンが強引にジェダイの世界に引き込んで、母親とも引き離され、周りは「成長し過ぎだからやめとけ」って言ってるにも関わらず、しまいにはオビワンもクワイガンの遺志を頑なに押し通してパダワンに。で、本エピソードではジェダイの修行を始めるには遅過ぎたが故に不安定になっており、そこにパドメとの自覚を欠いた恋愛と母親の死も重なる。師のオビワンも自分の実力をあまり認めてくれないし。そんなグラグラな精神の容器に、不満と不安と哀しみと許されない愛という可燃物質がヒタヒタな状態でエピソード3のダースシディアスの一理ある論調、師との闘いで斬られた四肢、最愛の妻の喪失というこれでもかと言わんばかりの火花で遂に身も心も炎に包まれベイダーに。
結局周りの大人たちの思惑や言動に振り回されまくり、その結果次々と悲劇に見舞われる可哀想なヤツにしか見えなくて、そりゃダークサイドにも堕ちるわなと思ってしまいましたね。
本人が望んで選択したにしろ、仕向けた大人たちにも責任があるわけで。ヨーダとかウィンドゥが最初に「ジェダイの修行はさせない」と言った時点で「やっぱダメッスよね」と引き下がってれば、何らかの悲劇は避けられたのではとそんな感想を抱いてしまいました。
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