「あれから80年以上経った今でも同地が激戦地になっていることを考えるとやるせないですね。」スターリングラード 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
あれから80年以上経った今でも同地が激戦地になっていることを考えるとやるせないですね。
午前十時の映画祭14にて『スターリングラード』(2001年)鑑賞。
『スターリングラード』(2001)
『薔薇の名前』『愛人/ラマン』『セブン・イヤーズ・イン・チベット』のジャン=ジャック・アノー監督作品。早いもので公開から20年以上経つのですね。
第二次世界大戦時に実在したソビエト連邦の狙撃兵、英雄となったヴァシリ・ザイツェフ(演:ジュード・ロウ)と彼を仕留めるためドイツから派遣されたケーニッヒ少佐(演:エド・ハリス)の息詰まる狙撃戦を描く戦争大作。
『ジャッカルの日』(1973)、『山猫は眠らない』(1993)、『アメリカン・スナイパー』(2014)などスナイパー映画は「緊張」と「緩和」が交差、感情移入しやすいので名作が多いですね。
本作品もザイツェフとケーニッヒのにらみ合い、静寂の緊張感に息を飲み、相手を狙う際の遠くを観る二人の眼差し、クローズアップに痺れます。
当時としてはこれ以上ない最適なキャスティングですね。
戦時中のプロパガンダの怖さ、史上最も凄惨な市街戦といわれたスターリングラードの市街戦も圧倒的な迫力と悲惨さを描いてますが、あれから80年以上経った今でも同地が激戦地になっていることを考えるとやるせないですね。
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