「タイトルなし(ネタバレ)」スパイ・ゲーム myshaさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
あちこちに木製の鳥籠が飾られている。
1:10辺り ミュアーのもとへビショップが尋ねて来る。
ミュアーは太陽光の下で髭剃り中。その洗濯物が干されたベランダが大変良い。床は白黒のタイル、壁には乱暴に修理した跡があり爆撃にでもあったのか一部崩れてもいる。カメラよもっと引いて全容を見せておくれ(アウトドアキッチン?日よけを設えたら読書にも)
ここにも鳥籠がある。カメラよ近づけ、造りと細工を見たいのだ。
1:23辺り ミュアー、ビショップ、アマード(医師)で密談。
多分屋上に作られた東屋?屋根が飛ばないようブロックのような重石が沢山乗せられ、柱のみで壁は無く三面は素通し、一面に簾様の日よけが下げられている。夕景を透かして鳥籠複数のシルエットが浮かぶ。卓上には白と金の着彩が施された耐熱グラス(中の液体は黒っぽかったので、紅茶ではなくコーヒー?)
1:26辺り サラメがベランダに立っている。集合住宅らしく、いくつか見えるベランダには洗濯物が吊るされ植木鉢が置かれている。そしてどのベランダにもカーテンが!雨が少なく日差しがきついからカーテンなんだな…!
日本のベランダは細長いものが多いけれど、この映画に出てくるベランダはコロンと四角い。椅子とテーブルを置いて小部屋扱いにしたら寛げそう。
横には鎧戸とガラス戸の二重の窓があって、こちらも可愛い。
でもこの素敵ベランダと窓は直後に爆発で吹き飛んでしまう…
全体として、もっと壁見せてよとモガモガしちゃう映画だった。
追記:
結局薬物を使用し自然死に見せかけるアメリカによるテロは失敗。しかし地元の義勇グループを起用して“内紛系自爆テロ”の体裁で“テロリスト”を殺せたのだから、米国の関与は表には出ない。現地人は死傷者74名・誰かの所有物であり何家族かの住まいであったのだろうビルは崩壊したが作戦は成功、米工作員はハッピー。
中国でも主舞台のアラブでも現地人ははほぼ背景扱いで、主人公たちが道具として利用すると決めた医師以外は個として描かれない。キャラクターの掘り下げがあるのは主人公ふたりとCIAの面々だけ(エリザベスも“華を添える美女”以上の役割は振られていない)
物語を見せる上で主題がボケないように絞り込むのは当然ではあるのだけれど、その取捨選択の基準にはやはり古さを感じてしまったし、東アジアの住民としては嫌な気持ちにもなる。
