「かなり硬派な作品」スパイ・ゲーム tabletapさんの映画レビュー(感想・評価)
かなり硬派な作品
タイトルのキャッチーさとは裏腹に人を選びすぎる内容をしている。
『ミッションインポッシブル』のようなアクション大作を求めるのは誤り。
1990年頃を舞台にスパイマスターとその弟子の交流を回顧録的に描いた作品
主時間軸は主人公ネイサン・ミュアーが退職間際で、その弟子ビショップが中国に拘留、処刑まで24時間、対応に追われる姿が描かれる。
そこに過去の細かなエピソードを重ねて作られていて、演出は控えめ
常に画面に映るレトロな電子機器がなかなかいい味を出している
かなり前にほぼ冒頭だけみたが、まともに見ていなかったので改めて視聴した
きったねぇ中国人のいらつくガムシーンと二段重ねの偽装が印象深い
前に見たときはネイサンの声優が磯部勉さんだった気がしたが、
primevideoでは野沢那智さんだった
吹き替えの違いも楽しみがある。
油断すると意識を刈り取られる構成をしている。
現在、過去で交互に展開する内容
基本スーツのおっさんしか移っていない画面
会話の内容はほぼ画面に映っていないものについてのみ
凝った言い回しが難解さをさらに桁違いにしている。
マイケルサンデルやマティーニなど小ネタも多数入っていてやや思考が止まる
嘘を交えた説明が混乱をもたらす
「ビショップの行動の理由」「ネイサンが助ける動機」を過去編で丁寧に描いて、
そこに現在の救出のためのやたら複雑な手順が描写されているものだから難解になっているように思える。
登場人物も多いが、掘り下げがいまいちなのが残念
物語の起伏が、現代の場面ではフラット、過去がピーク、現代でフラットと交互になっているが時系列が分離しているので興味がそがれるように思える。
これは演出的に失敗している気がする。
場面場面はよくできているが、編集がだめ
うーん、もったいない