スパイ・ゲームのレビュー・感想・評価
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レッドフォードの貫禄とT.スコットの演出が光る秀作
引退の日を迎えた老練スパイ(ロバート・レッドフォード)と、彼が育てた部下(ブラッド・ピット)の友情と師弟愛を描いた異色スパイ映画。
レッドフォードの気品と貫禄をベースに、トニースコット風味の軽妙な演出がミックスされ、独特の雰囲気が漂い見どころが多い。ブラピも負けじと頑張っている。回想シーンを除けば2人が会って会話するシーンが一切無いというのが面白い。
引退を前にしたCIA局員、彼を利用しようとするライバルや上司たち。秘書以外に味方の居ないCAIの建物の中で上手く立ち回り、外部の伝手を利用しながら中国で捕まった元部下の救出を企てる、その最終出勤日を描く。
米中情勢にも影響する事件となり、CAI上層部はブラピを見捨てようとするが、それを受け流しつつ騙し合いを重ねて裏で救出を図る。これを日本映画でやると「彼を見捨てるつもりかー!」なんてセリフを書いてしまいそうだが、レッドフォードはそんなんこと言わない。百戦錬磨のスパイは微笑を見せつつ、黙って徹夜して裏で手を回し続け、自らの◯◯も費やして部下を救おうとする。
2人の男が信念を貫く姿を描きつ、2大スターのイメージも上手く利用して、さりげない師弟愛と友情をみせた、おそらくはトニー・スコットの最高傑作。何度も見返すことが出来る映画。
歳を重ねてもロバート・レッドフォードはカッコ良かった!
ロバート・レッドフォードが自身の監督作「リバー・ランズ・スルー・イット」の主演だったブラッド・ピットと共演したトニー・スコット監督のスパイ・アクションものである。あれ、なんで劇場で観てなかったんだ?
2024.10.2NHKBSで観賞(2001年公開、字幕:戸田奈津子)
ベトナム戦争で行動を共にして作戦を遂行し、トム・ビショップ(ブラッド・ピット)のスパイとしての才能を見抜いたネイサン・ミュアー(ロバート・レッドフォード)はCIAにトムを誘いこみ、彼の部下として育てトムは有能なスパイとなる。
様々な作戦を遂行していく中でネイサンの非情さに嫌気が差したトムは移動を願い出てネイサンと袂を分かつ。
ネイサンのCIA最後の勤務日にトムが中国の蘇州刑務所に侵入し逮捕される。
CIA本部は何故中国の盗聴作戦中だったトムが刑務所に侵入したかを分析するために元上司のネイサンも会議に呼び出される。そこでトムを海兵隊から引き抜きCIA工作官として育てたいきさつを話す。
しかし、米中関係を優先するホワイトハウスの意向でCIAはトムは既に死んでいると発表し、トムを見殺しにしてトムは招待不明もスパイとして24時間で処刑される事になる。
ネイサンは、CIA内部で会議に出席しながら、処刑の時間が迫る中、得られた情報からトムの救出作戦を虚偽のCIA長官名の作戦命令書を作成して実行に移させる。残された時間内にトムは救出されるのか。
会議でネイサンが過去を語る形で、トムがどうやってネイサンに育てられ、どんな作戦に従事して来たかを見せる。トニー・スコット監督の演出がシャープだ。今ならドローンで簡単に撮れる映像も2001年では空撮だ。
ネイサンはスパイの心得からトムに教え込みトムがどんどん成長してゆく様を上手く描いている。
レバノンの作戦遂行中にトムの彼女だったエリザベスを中国の捕虜にしたが、彼女を救出するためにトムが蘇州刑務所に侵入したのを知ったネイサンは、救出作戦で彼女もトムと一緒に救出する。救出されたトムはヘリコプターの上で隣のヘリにエリザベスがいるのを確認し、「デイナーアウト」と言う救出作戦名からネイサンの指示だと認識するのである。
CIAが救出作戦の執行に気がついた時、ネイサンは既にCIAを出て自分のポルシェで去って行ったのである。
CIA勤務最後の日で永年勤続でCIA長官直筆サイン入りの感謝状を受け取っていたのを利用して偽の作戦命令書の長官サインを入れたり、退職の日まで秘書を務めていたグラディスとの連携プレーでCIAを翻弄したり、退職後のために蓄えていた投資信託を全て売り払い(彼は無一文になった)作戦遂行に必要な資金を捻出したり、かつての弟子トムの救出に全力を尽くすレッドフォードがカッコ良かった。
静かで激しい卓上での戦い
手塩に育てた元部下の窮地を救うため動く引退間近の元上司
かっこいい
ほとんど情報がなく味方もいない状況で僅かな綻びから推理、ハッタリ、操作を行う姿はかっこいいとしか言いようがない
たくさんのおっさんがテーブルにいるシーンがほとんどなので画的にはかなり地味でド派手なシーンはないに等しいのですが、目が離せない
というより目を離したらわからなくなる
意味のない会話かなと思いきや重要な情報がポロッと出たり
最後に伏線がバチッと決まったところは観てるだけで気持ち良かった
オチのブラッド・ピットにはグッときた
時間がある時にじっくり観るいい映画だった
後半の密室劇はやってること犯罪過ぎるな…
面白いんだけど、作品は大枠でタイムリミットものであり、スピード感を求めたくなる展開なのに、展開に緊迫感が足りない?
後半に掛けては、ベテランエージェントの嘘と小細工によって凄まじ作戦が展開されていて、個人的には何か違うなと感じるし、エンディングのニヤリ演出も個人的には小ニヤリ程度で残念。
【”優れたるスパイこそ人情があり愛する女性は一人なのである。”老練なスパイが、自身が育てた資質ある若きスパイを育てる過程と、CIAに見放された捕らわれた彼を必死に助けようとする姿が沁みる作品。】
■中国の蘇州の刑務所に投獄中の人物を救出にやってきたCIAエージェントのトム・ビショップ(ブラッド・ピット)。
一方、ワシントンDCではCIAの作戦担当官・ネイソン・ミュアー(ロバート・レッドフォード)が華々しいキャリアの最終日を迎えようとしていた。
そこへ香港の米国大使館からビショップが中国で投獄されたとの電話が入り、ミュアーは彼を救出すべく、遠方地から行動を起こすのである。
◆感想が<Caution!内容に触れています。>
・今作は、ミュアーがビショップのスパイとしての素質を見抜き、東ドイツや、パレスチナでのミュアーが彼を一流のスパイとするために、過酷な課題を示す様と、中国に捕らわれた現在のビショップの姿を並行して描いている。
ー 特に、パレスチナでビショップが人民を殺す指揮官サラメをパレスチナの医師を使って、秘密裏に毒殺しようとするシーンは、緊迫感がある。
そして、序盤は謎であったビショップが中国の蘇州の刑務所に投獄中の人物を助けようとする理由が、パレスチナで出会い、恋に落ちたフィクサーでありながら、人道主義者であったエリザベス・ハドレー(キャサリン・マコーマック)が、唯一悔いていた中国での誰も居ないと思っていたビル爆破事件で、死者出してしまった事を悔いる事を、ビショップに告げるシーンで、全てが繋がったのである。-
・CIAが対中国との関係を保つために、ビショップを見捨てようとすることを察したミュアーが、自身のあらゆる伝手を使い、それを阻止しようとする姿。最初は知り合いの香港ジャーナリストに連絡を取り、ビショップの状況を流させるが、CIAによりビショップは既に無きモノである事がニュースで流れると、彼は更に行動を進めるのである。
■ビショップが多くのCIAに勤める人々から慕われている事と、パレスチナでビショップから決別の言葉を受けていても、【自身が育てた愛弟子】を見捨てない姿が、沁みる。
ビショップは老後のための自身の株を売って、蘇州の電源を数十分切らせ”ディナー作戦”を結構するのである。CIA長官の筆跡を真似て、命令書を作る姿。
<ビショップ処刑までの時間が、刻々と記される中”ディナー作戦”は決行され、救出されたヘリコプターの中で、ビショップはパレスチナで深く愛した女性で中国政府に爆弾犯として捕らわれていたエリザベスの姿を見て、涙を流すのである。
今作は、老練なるスパイ、ミュアーを演じたロバート・レッドフォードの飄々としながらも、着実に自分が育て上げたブラッド・ピット演じるをCIAから見放されたトム・ビショップを救出する姿と、彼を育てる東ドイツ、パレスチナでの苛烈なるスパイ作戦とを並行して見せる映画なのである。>
かなり硬派な作品
タイトルのキャッチーさとは裏腹に人を選びすぎる内容をしている。
『ミッションインポッシブル』のようなアクション大作を求めるのは誤り。
1990年頃を舞台にスパイマスターとその弟子の交流を回顧録的に描いた作品
主時間軸は主人公ネイサン・ミュアーが退職間際で、その弟子ビショップが中国に拘留、処刑まで24時間、対応に追われる姿が描かれる。
そこに過去の細かなエピソードを重ねて作られていて、演出は控えめ
常に画面に映るレトロな電子機器がなかなかいい味を出している
かなり前にほぼ冒頭だけみたが、まともに見ていなかったので改めて視聴した
きったねぇ中国人のいらつくガムシーンと二段重ねの偽装が印象深い
前に見たときはネイサンの声優が磯部勉さんだった気がしたが、
primevideoでは野沢那智さんだった
吹き替えの違いも楽しみがある。
油断すると意識を刈り取られる構成をしている。
現在、過去で交互に展開する内容
基本スーツのおっさんしか移っていない画面
会話の内容はほぼ画面に映っていないものについてのみ
凝った言い回しが難解さをさらに桁違いにしている。
マイケルサンデルやマティーニなど小ネタも多数入っていてやや思考が止まる
嘘を交えた説明が混乱をもたらす
「ビショップの行動の理由」「ネイサンが助ける動機」を過去編で丁寧に描いて、
そこに現在の救出のためのやたら複雑な手順が描写されているものだから難解になっているように思える。
登場人物も多いが、掘り下げがいまいちなのが残念
物語の起伏が、現代の場面ではフラット、過去がピーク、現代でフラットと交互になっているが時系列が分離しているので興味がそがれるように思える。
これは演出的に失敗している気がする。
場面場面はよくできているが、編集がだめ
うーん、もったいない
ディナー作戦 完了
スタイリッシュでドキドキする様な映画です。
ただし、あらすじとレビューを読んで予備知識を携えてから鑑賞することをおすすめします。
2大スターはもちろんですが、CIA の上層部役の俳優陣が秀逸で、小役人で小憎らしさが完璧です。この映画の影の立役者といえると思います。
むずかしい映画ではありますが、地に足がついたスパイ映画でした。
スパイも結局は「人の子だった」ということ?
相手にそれと悟られずに、相手が知っていることを聞き出す―。言ってみれば、それがスパイ(諜報員)の仕事ということでしょう。
そうすると、スパイの活動は隠密行動が鉄則であることは、当然のことのようです。
その意味では「〇〇〇は殺しのライセンス」みたいなことは、まったくのナンセンスといえそうです。死体が見つかり、捜査当局の介入を受けたりすると、自分の活動に支障が出たり、正体が露見してしまったりする危険を背負い込まなければ、ならなくなるでしょうから。
そして、相手が知っていること聞き出すためには相手と利害が共通しなければならないでしょうから、その意味で、ときには意図的に(計算づくで)利害関係を利用することも少なくないと思われます。
(利用できるときだけ相手を利用する―そんなスパイの活動をトム(ブラッド・ピット)がネイサン(ロバート・レッドフォード)を責める台詞が、作中にもあったと思います。)
それでも、ネイサンは失敗しかかったトムの救出を図ったのですね。ネイサンも(そして業務を通じて知り合った恋人?を救出しようとしたトムも)、「やっぱり人の子だった」ということでしょうか。
スパイをテーマとしたアクションものながら、そんな味付けも楽しめる一本だったと思います。評論子には。
仕事に冷酷なネイサンとスパイであっても人間味が残るビショップ。アク...
仕事に冷酷なネイサンとスパイであっても人間味が残るビショップ。アクション控えめだが、終盤にむけてのディナー作戦決行までテンポ良くおもしろい展開になっていく。
ロバート・レッドフォードがカッコ良かったです。
退職直前の伝説のスパイ。自らが育て上げ、袂を分かった愛弟子の救出作戦。
初めての鑑賞
伝説のスパイ、ミュアー(ロバート・レッドフォード)と、自らが育て上げ、後に袂を分かった愛弟子ビショップ(ブラッド・ピット)の物語
退職を迎えた日、ミュアーはビショップがCIAの指示なしに挑んだミッションに失敗し中国政府に捕らえられたことを知る
中国との関係悪化を恐れたCIAはビショップを見殺しにすることを選択した
ミュアーは自身の人脈を利用して救出を目指すがタイムリミットは24時間
ミュアーがCIA幹部から尋問を受け、それに回答するという展開で物語が進むので
ミュアーとビショップの出会いやこれまでの行動、なぜビショップが危険を冒してまで、中国の刑務所に潜入したのかが徐々にわかるように話が進む
ただ、最後の救出作戦の内容が全く説明がない
刑務所を停電させ、米軍兵士が強行突入しビショップたちが救出される
おそらく中国側には死傷者が出てると思うが、米中関係はどうなる?
アメリカ政府の方針に背いて軍を動かせるほど、ミュアーってすごい人なのか?
だったら普通にCIAが動いて救出できたのでは?
と思ってしまった
厳しいスパイの仕事
ロバートレッドフォード扮するCIAエージェントネイサンミュアーは、退職日にも関わらず24時間しかない中、かつての部下で中国で捕らえられ見捨てられ様としていたブラッドピット扮する後輩エージェントトムビショップを救おうと画策した。厳しいスパイの仕事を命がけで仕込んで来たトムビショップを果たして救えるのか? やはり恐い仕事にはタイムリミットもあるし、裏切りもある。人の犠牲があってのろくな死に方が出来ない仕事として割り切るしかないのかもしれないね。老いたるロバートレッドフォードとブラッドピットの共演作としてはスリル満点の作品だったね。
むずい むず過ぎる 他の人のレビューを読んでも何が起こってたんか ...
むずい
むず過ぎる
他の人のレビューを読んでも何が起こってたんか
細部は分からぬ
スパイ物やから色んな事が複雑で…
手塩にかけた愛弟子だが、
貴方にはもうついて行けないと別れられ、
自分の定年退職日にその愛弟子が大事になったのを私財を投げ売りCIAを欺いて助けたって事は分かるけど、
ベースが分かるだけで中身をよく理解できないままなので結局楽しめずに終わってしまう…
読解力ほちぃ…
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