「現代映画の1つのトレンド」ザ・ロイヤル・テネンバウムズ keitaさんの映画レビュー(感想・評価)
現代映画の1つのトレンド
スコセッシも認めるウェス・アンダーソンはスコセッシ同様にオープニングの天才であり、映画を知り尽くしている。
嘗て天才一家と言われた過去に囚われるテネンバウムズ家の人々を1人1人丁寧に描く。
この映画の素晴らしさは映像のどの部分を切り取って見ても一様にして映画的で在るところだ。
教科書にしたいようなストーリー展開のさせかた。 それぞれに背負っているものが丁寧に描かれる人物描写。
左右対称など凝った画作り。
極めつけは、人物が自分の感情を行動という"映像"の形で露にすること。
映画作りの基本にこれ程に忠実で在るのに、今までに無かった独特で異質な作品だ。
まさにフィクションでしか成立しえない世界なのに現実味があり風刺的。
アルモドバルやコーエン兄弟、そしてウェス・アンダーソンなど"自分が体験することの無い特異な人生の追体験"というのが今日の映画界に於いて1つのトレンドである。
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