劇場公開日 2003年11月5日

「私は納得した」マトリックス レボリューションズ ke_yoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0私は納得した

2021年12月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

単純

興奮

小難しいことを並べ立てて、映像をメチャメチャ頑張っているが、これは、マトリックスという虚構ではなく自分達の命を自分達で生きたいと願う現実を取り戻すための「戦争映画」だよね。

人間が、勝手に神を作り出し、宗教を信じ、それによって争いを起こし続けていること、愛を理由に人を憎み続けていること、貨幣制度によって、他者を欺き陥れて勝とうとし続けていることと、今作が描く近未来なのかすら曖昧な設定でも人の営みが変わらないこと、愚かさが変わらない、という根幹の意味は大きい。

しかし観る側の取り方は自由なので、私の解釈?もまた制作側の意図とは違うのかもしれないし、各々が感じたことに間違いはないのだろう。
今作はかなりの人からマトリックスの世界観をぶち壊した駄作と位置づけられている。
それはそれで仕方ない。

でも個人的には思う。
コロナ禍で観返した第1作の啓示的な台詞。
ヒトは哺乳類ではない、ウイルスと同じだというあの。
あれを心に刻んで観てみると、3部作は実に傑作だ。

生きる目的を持ち、起きた事柄の原因と結果を考えて、今この時勢を振り返るとき、なぜコロナ禍は起きているのか?という答えの出ないことをグルグル考えること。
マトリックスという作品には、そういう意味がある。

答えが出ずとも考えること、それが人間。

ke_yo