「艦内の危機の演出は良い」ポセイドン Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
艦内の危機の演出は良い
総合75点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:85点|ビジュアル:80点|音楽:65点 )
名作『ポセンドン・アドベンチャー』の再映画化だが、時代が新しくなった分、映像はかなり水準が高くなっている。船会社の協力が得られなかったようで船全体を映す部分がCGなのは残念だが、大型客船の豪華な内部の美術と、それが転覆によって崩壊して火災と浸水で修羅場となっていく映像は迫力があった。すでに『Uボート』で艦内で起きる危機を描いたペーターゼン監督だけあって楽しめた。登場人物のことも描き分け出来ていたし、次々に出てくる危険をどう乗り越えるかという脱出劇は飽きさせない。
だが脱出に至る理由の描き方が弱い。『ポセイドン・アドベンチャー』では、ジーン・ハックマンが理論的・直感的に正しい決断をして、周囲の反対を押し切り自分の判断を信じて強い指導力で脱出を実行した。それに比べると、ここでは何故船長の命令を無視してそこでそのときに脱出の決断をしたのかという理由付けが弱かったし、尋常ではない危機を乗り越えるための強すぎるほどの圧倒的な決断力が薄かった。
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