「あの日の妻に重なる瞬間」ナイロビの蜂 雪村さんの映画レビュー(感想・評価)
あの日の妻に重なる瞬間
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亡くなった奥さんの軌跡を辿る物語。
お互いを尊重していたつもりが、結果的にすれ違いを生んでしまっていて、曖昧なまま妻テッサを失ってしまったジャスティン。
テッサがどうして死んだのか。
それは理屈には合わないことだが、生前のテッサの行いを辿るうちに、いつか自分に"目の前の1人を救って"と懇願したテッサと同じ願いを抱くまでになったジャスティスは、そのまま殺されると知りながらもテッサと同じ道を歩んだ。
何もないトゥルカナ湖がその愛ゆえにとても美しく感じた。
アフリカの貧困も、命が軽んじられる事も、差し伸べられる手にあるのは優しさばかりではないこともきっと事実で胸が痛くなるけれど、広大な景色も、子供たちの笑顔も、逞しく生きる人々も本物で、物語も情景も美しく感じる映画だった。
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