「武器は売らずとも、誰しもニコラスケイジ」ロード・オブ・ウォー movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
武器は売らずとも、誰しもニコラスケイジ
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戦争被害者の9割は銃で死んでいるという台詞が突き刺さる作品。ニコラスケイジを執拗に追うイーサンホークの正義感は、視聴者の感想の代表だと思うが、本当の悪は国家で、この作品を見て感じる嫌悪感の比にもならぬ程の大きな戦争加担をし、武器売買を商売に国家繁栄させている。
禁輸対象の武器を、嘘に嘘を重ねて売りに売りまくって捕まるスレスレを何度も切り抜けて成り上がり、憧れの妻や贅沢な生活が手に入った背景には、売った武器が使われて失われた無数の命があることには無頓着。開花した商才にのめり込み、命を徹して止めようとしてくれた弟分も、妻からの信頼も失ったが、更生しない。フリーランスの自分が売る分など微々たるもんだからという事らしいが、反感を持つ人は多いだろう。
でも、一般民の私達も、先進国で暮らす限り、ロックフェラーにもロスチャイルドにも関与しない資金で成り立つ企業の製品だけで、生活を成り立たせる事などできないはず。自分もどこかで戦争に加担していると思うとおぞましい。知らないよりマシなだけで、見えないところで起こっている事に目を向けても、自分の事は棚に上げて、批評するしかできない情けなさを感じる。
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