「何度も見たくなる前作と、今作の違い」イノセンス たまねぎ なきおさんの映画レビュー(感想・評価)
何度も見たくなる前作と、今作の違い
久々に見ましたが、この映画は押井監督の映像的な集大成であることは間違いなく、別の世界へ飛ばされるような雰囲気は最高です。
がっ、、、
映画として完成度が高いのはやはり前作でしょう。哲学的でありながらしっかりとクライム物、サスペンス物としてのエンターテイメント性を持ち、映像的にも想像を掻き立てる異様さと美しさがあり、何度も見ました(笑)
しかし、今作品は監督のノイローゼ臭が強すぎます。これまでに陰謀系や自我と魂系の作品を扱って来た途中で、あまりにそっち方面にのめり込みすぎてしまったのでしょうか(笑)
シリアスな作品とはいえ、前作には未来への憧れを感じられる雰囲気がありましたが、今作にはそれが無い。
哲学ゾンビでは無いですが、
『証明のしようが無い不安』に執着しすぎているように思えました。
映像的には申し分ないので、もっと映画として、攻殻としてのカタストロフィを押し出して頂ければ私は最高でした。
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