劇場公開日 1981年2月28日

「公共交通機関と徒歩で逃げる女のかっこよさ」グロリア(1980) ナイトホークスさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5公共交通機関と徒歩で逃げる女のかっこよさ

2021年3月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

以前、『こわれゆく女』を観てわーわー言っていたら、友達が、ジーナローランズといえば、レオンの原型の『グロリア』!といっていて、気にはなっていたけれど…。
ハイヒールに大きなバッグ抱えて歩きとタクシーとバスと電車という公共交通機関で歩いて逃げるジーナローランズ!
歩き!?捕まるよ!スニーカーにしたら?などというリアリティーもカーチェースもいらぬ。

表情を隠すためにサングラスをかけるジーナの頬骨と歯を食い縛りながら笑顔を作る唇。このパーツだけでもう物凄くグロリアが溢れている。

メタファーにもとれるエンディングだけに、頭ではその内容を理解していても、見せてくれる映像の優しさに、カサヴェテス監督の厚い胸板に抱かれて号泣させてもらってるかのよう。嗚咽。

母が嗚咽しているリビングの後ろの窓には台風の雨が吹き付けていて、息子にとっては相当怖い朝だっただろう。かわいそうに。

ナイトホークス