劇場公開日 1967年2月1日

グラン・プリのレビュー・感想・評価

全14件を表示

5.0さようならフランソワーズ、綺麗なおねえさん.....

2024年6月18日
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鑑賞方法:その他、映画館、TV地上波

1972年6月のリバイバル公開時に、テアトル東京のシネラマ・スクリーンの巨大画面で鑑賞した思い出のある映画。
『大脱走』以来、大好きだったジェームズ・ガーナー氏の主演という事で是非観たいと思った作品だったので、父にせがんで当時は珍しかった全席指定のテアトル東京で前売り券を買ってきてもらって観る事が叶った作品。
子供心に、初体験のシネラマのその圧倒的な迫力に度肝を抜かれた。
当時のMGM映画の誇る70mm巨編、それも国際的各国スター総出演という趣向の、シネラマ・シアターでの上映を前提に撮影が行われた“超大作”映画の一本なのである。

まさに”眼前に迫る”フォーミュラー・マシンのタイヤは、驚異的な迫力であり、シネラマ・シアターの超立体音響(当時は70mmフィルムのアナログ磁気トラック6chなどをそう呼んでいた)の臨場感は未体験ゾーンというに相応しかった。

このような映画体験をしてしまい、以降これが基準値みたいになってしまうと、その後並大抵な映画、通常の劇場では中々満足出来なくなってしまうという、罪深さも思い知る事となった。

この映画により、その後に繋がるいろいろな事や人を知った。
監督のジョン・フランケンハイマー
音楽のモーリス・ジャール
出演のイヴ・モンタン、三船敏郎、エヴァ・マリー・セイント、アドルフォ・チェリ、アントニオ・サバトと、そしてその恋人役のフランソワーズ・アルディ....

同様に子供心に、フランソワーズ・アルディのその端正な美しさというか、その姿がとても印象深かった。
極端に着飾ったり、印象の強い個性的な化粧だったりするわけでも無い、まるで普段着のような(当然違うが)シンプルなスタイルの、それでいてあの綺麗なおねえさんぶり。
それほど出演時間が長いわけでもなかったにも関わらずとても気になった。
映画を観ていて、出演の女優さんに興味を持ったのはこの時が初めてだったかも知れない。
そしてその後それ以降に、他にはそれ程気になったりするような事って無かったと思える。
もちろん、この映画で初めてその存在を知り、パンフレットで名前や、フランス人であることなどを知っることが出来たわけである。
今のように情報源が容易く得られる時代では無いので、それが唯一無二となった。
(随分後になって、日本でちょっとしたブームっぽい現象が起こったが、その時は歌の方で。)

1944年1月生まれなので、私などよりもひとまわり以上は歳が上なわけだが、1966年制作の作品だから当時若干22歳という若さだったわけである。
登場する俳優(特に女優)の顔ぶれの中でも極めて若く、身近に感じたという事もあったかも知れない。
1972年6月のリバイバル公開時点では、それでもまだ28歳という事になる....

それがほんのつい先日、2024年6月11日に亡くなったという情報が伝ってきた、本年で丁度80歳を迎えられたところだった事になる。
日本の主だったメディアは、ネットのニュースも含め、殆ど取り上げていなかったように思えた。

自分の中の何かが、また一つ終わりを告げたように思えた。
さようならフランソワーズ、永遠の綺麗なおねえさん.....

追記

因みに、この映画の音楽担当モーリス・ジャール氏もまたフランス人であり、ヨーロッパ的なテイストにボサノバも取り入れたサウンドも洒落ていて、人生の中のごく初期に買った豪華ジャケットの国内盤サウンド・トラックLPの一枚で、とても愛聴したものだった。

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アンディ・ロビンソン

5.0レース映画の最高峰の一本‼️

2023年6月15日
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泣ける

楽しい

興奮

スティーヴ・マックィーンの「栄光のル・マン」と並ぶレース映画の最高峰‼️「栄光のル・マン」とは対照的に豪華な出演者たちが織り成す色とりどりの人間模様が見どころで、わが憧れ三船敏郎さんの存在感も抜群‼️もちろん画面分割を多用して描かれるレースシーンの迫力はホント凄いです‼️そして初見の際、タイトルデザインがあまりにもカッコいいので調べたところ、ソール・バスというヒッチコック監督の「めまい」や「北北西に進路を取れ」、「サイコ」を手掛けた人だった。納得‼️

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活動写真愛好家

3.0冒頭とラストのレースシーンはCGなどない時代の本物のど迫力。マシン...

2023年4月22日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

冒頭とラストのレースシーンはCGなどない時代の本物のど迫力。マシンはちょい古い(笑)
途中の人間模様が退屈。記者と不倫する奴とか、男女のもつればかり。睡魔に襲われた。なんせ長いのだ。世界の三船敏郎が出演しているのは日本人には嬉しい。
さあ、勝つのは誰だ。誰でもええけど(笑笑)

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はむひろみ

4.0黒澤はすごい

2023年4月11日
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昭和40年時点の日本の相対的な地位に比べて、この作品における日本の描き方は最恵国待遇です。三船、なかんずく黒澤の威光でしょうね。

映像としては、あの時代にこれだけのレースシーンは特筆すべきです。ドラマとしては平凡で人物描写なんかは二の次みたいですけど。賞をとるような作品ではありませんがヒットはしたんでしょうね。

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越後屋

3.53時間と少々長いのが難点か

2022年9月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

興奮

1960年代のF1を舞台にしたヒューマンドラマ。
三船敏郎を始め、世界の名優や当時の実際のドライバー達も出演しています。

実際にマシンに装着して撮影した映像は今見てもスピード感があり、古くても流石はF1マシンだなといった印象🏎️

レースという舞台での勝者と敗者。表と裏。
そこに取り巻く人間模様での光と影。
続けていく者と去りゆく者。
いろんな想いが交差しながら1年間の戦いに挑んでいく。

個人的にはF1ファンなので、昔のレース雰囲気が感じられて楽しかったです。

それにしても女性陣が皆美しい……😍

ちなみに予告はネタバレなので🙅

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びぃあぃじぃ

4.0【1967年公開作にて、F1レーシングを様々な手法で描いたハイレベル作品。取分け、死と接する日々を過ごすレーサー達と、彼らが愛する人の関係性の描き方が見事である作品でもある。】

2022年6月14日
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鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

幸せ

ー 今作の2分割~6分割した映像と、その後のカーレーシングに多大なる影響を与えたと思われる、地を這う様なスピード感溢れるカメラワーキングには圧倒される。
  更に、当時ではドローン撮影など出来なかった筈の、俯瞰したレース風景とのミキシングにも驚く。-

■アメリカ人のF1レーサー、ピート・アロンは事故を起こした事によりチームを追われ、日本のヤムラチーム(ホンダさんだよね・・)と契約し、期待通りの強さでフェラーリのエース、サルティらとチャンピオン争いを展開。
 いずれもプライベートで男女問題を抱えつつ、僅差のまま最終イタリアGPを迎え、劇的な最終ラップへ…。

◆感想

・冒頭のモナコ・グランプリからのレーシングシーンには魅了される。この映画のために、撮影したんだよね!

・今作のもう一つの魅力は、F1レーサー達が抱える女性関係を絡ませている事である。
ー 兄をレースで失ったスコットがピート・アロンと接戦を繰り広げる中でクラッシュし、心理的負担に耐えられなかった妻に去られるシーンなど。
 そして、ピート・アロンはフェラーリを追われる・・。ー

・当時のF1カーのロケットのような形状と、安全性に関しては相当希薄であったと思われる数々のシーン。
ー 今でも、そうだけれども、当時は本当に命懸けだったのだなあ・・。ー

・イタリア・グランプリでの、ヤムラに移籍した勝者ピート・アロンと、それまで王者だったジャン・ピエール・サルティ(イヴ・モンタン)の事故死の対比の描き方。
ー そして、ピート・アロンが表彰台に招いた且つて自分の所為で大怪我をし、妻に去られたスコットを表彰台に招くシーンは沁みたなあ・・。ー

<年代的に、1960年代のレースに関する知識は殆どなかった。
 が、BRM(ブリティシュ・レーシング・チーム)や、当時日本を代表して頑張っていたホンダや、当時の今以上に危険なF1レースシーンには不謹慎だが、魅入られた作品である。
 重ねて言うが、この作品の1967年公開と言う事に、当時の制作陣に対して敬意を表すべき作品であると思った次第である。>

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NOBU

3.0本物の香りのするフランケンハイマー監督作品!

2021年5月14日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

男女の愛憎劇を散りばめたカーレース映画
なのか、
カーレース界を背景とした男女の愛憎劇
を描いたものなのか、
それほどレースシーン以外は男女間の愛憎が
満載の作品だった。

少年の頃、「ビッグコミック」の前身の
「ボーイズライフ」という雑誌があって、
カーレースの記事が
多く採り上げられていた。

「空飛ぶスコットランド人」と言われた
ジム・クラークのレース中事故での訃報が
大きく伝えられたF1、
フェラーリ・フォード・ポルシェによる
数々の名勝負のル・マン、
マリオ・アンドレッティの名前が
思い出されるインディ500、
等の記事も懐かしく、スポーツカーレースの
華やかしき時代を雑誌は映し出していた。

また、TVでも多くのカーレースが紹介される
時代でもあった。

さて、この作品、特に車体に低く取り付けた
カメラからの映像はそのエンジン音響と共に
今見ても凄い迫力だ。

また、実際のレースシーンに、俳優が直に
運転する場面を見事に組み合わせている。
実際、ガードナーもイヴ・モンタンも、
プロのトップスピードではないだろうが、
それでも相当のスピードで
F1マシンを走らせたものと思われる。

まさに本物の香りのする映画だ。

しかし、
ストーリー的には死相感が満ち溢れていた。
ドライバーにも観客にも死が訪れる。
死の観念は全てのドライバーに
常に訪れるが、一人のドライバーには、
いつもは観戦に来ない妻が現れると共に
血液型のブレスレットを付けるシーンが
ドライバーの死を予感させる中、彼自身に
己の仕事に疑問が生じた時に死が訪れた。
また、
スピードの迫力を見に来る観客がいる一方、
危険性を見に来る客がいることも語られる。
当時はスポーツカーレースは、まさに
生の死の狭間に身を置くスポーツだった。
従って、そこに男女間の愛憎も
より強く影を落としていたのだろう。
死せるドライバーを一番愛する女性よりも
救急車に乗り込むのは愛の冷めた妻
である描写が意味深だ。

ジョン・フランケンハイマー監督は
「大列車作戦」で実際に列車を脱線転覆
させる、驚異の映像を見せてくれたが、
現代のどんなCGでもかなわない
迫力のシーンだった。
この作品も含め、“本物”を感じさせてくれる
貴重な映像作家だと思う。

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KENZO一級建築士事務所

3.0マシンを追う素晴らしいカメラワーク

2021年5月9日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ジェームズガーナー扮するピートアロンはF1のモンテカルロに出場していた。F1はガソリンを積んだ棺桶の様なものでコースを突き破りピートは事故を起こし同僚スコットが重症を負った。

三船敏郎扮する日本の実業家矢村は、優勝を勝ち取るためリポーターになっていたピートアロンをレースに復帰させた。

マシンを追うカメラワークも素晴らしかったね。三船敏郎も野心家的雰囲気が良く出ていたよ。

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重

3.0制作年を考慮しても、素晴らしいレースシーンの迫力でした。

2020年10月24日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

楽しい

興奮

制作年を考慮しても、素晴らしいレースシーンの迫力でした。

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takachan

5.0傑作です!カーレースものならこれを観て無ければ話になりません

2020年8月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

映画にはジャンル毎にこれ!という代表的な作品があります
SF映画なら2001年宇宙の旅、戦争映画ならトラ!トラ!トラ!という具合に
カーレース映画なら本作がそれだと思います

カーレースものは、とにかく車が主人公
猛スピードでのカーアクションシーンが迫力ある映像でなくては話になりません

かといって、カーレースシーンを延々と垂れ流されても退屈してしまいます
そこにドラマが無ければなりません

ドラマには二つの物語が考えられます
一つ目はレースの勝ち負けに関わる駆け引きと、スタッフ達との物語
二つ目はレーシングドライバー達それぞれが個人的に抱える悩みなどの物語
特に男と女の物語がレースの進展と絡んでいく話でないと、女っ気がなくつまらないものになってしまいます
スタイル抜群の美女がお洒落な衣装とヘアスタイルで、それぞれにいくつかのタイプで何人も登場してくれないと困ります

本作はそれらを全て満たしています
それも高いレベルで

シネラマの広い視界
明るいレンズと照明、シャープな焦点

車載カメラのドライバーの視界での走行シーンがすごい!
今なら普通の映像でしょうが当時のことですから画期的な映像だったと思います
21世紀の現代でさえこれはもの凄いと感嘆するものです

ちょいとレトロ風味のあるF-1マシン
初代ルパン三世が乗っているのはこういうレースカーです
それがとてもカッコイイ!

コースもモナコ・モンテカルロの市街地コースとか、ゲームの画面で観たことのある風景の本物が実写で楽しむことができます

素晴らしい音響!
大馬力大排気量のエンジン音、排気音、200キロを超える走行音が、家のAVシステムから気持ちよく爆音をだして鳴り響きます
近所迷惑になりそう!ヤバい

物語も面白く飽きません
F-1レースは世界各地を転戦するので、そのたびに場面展開できるので栄光ル・マンみたいに飽きが出にくいです
俳優達も良い
イブ・モンタンが渋くて印象的
主要な四人のレーサードライバーもキャラクターがしっかり描き分けられています
それぞれに絡む美女達も美しい

3時間は長いようで、観終わってみるとそう長いとは感じません

ホンダがモデルと思われるヤムラチームの活躍が日本人としては特に嬉しく楽しい!
オーナー役の三船敏郎だけでなく、通訳、ファクトリースタッフ達、着物姿のマスコットガール達などの無名の日本人達も沢山登場します
彼等彼女達の顔を観てるだけで楽しい

傑作です!カーレースものならこれを観て無ければ話になりません

1966年公開
本作がブームを作ったのか
ブームがあったから本作が撮られたのか
それは浅学で分かりません
しかし当時は大変なカーレースブームだったのは確かなようです
スロットカーレースという今のミニ四駆レースのような遊びも世界中で流行したそうですし、プラモデルも沢山発売されて子供達の憧れだったそうです
アニメのマッハGoGoGoも本作の日本公開の1967年2月の直後4月の放映開始です

そういえば、クロード・ルルーシュ監督の名作の「男と女」のジャン・ルイもレーシングドライバーで劇中にモンテカルロラリー出場シーンがありました
それも1966年の公開です
当時のブームの過熱ぶりが伺えます

21世紀の現代の視点で本作を観ると気付く事があります
これが20世紀型の文明の頂点だった
本作はそれを記録していた映画だったのだと

ガソリンを大量に消費する燃費の悪いエンジン
もうもうと立ち込める大量の排気ガス
他人より少しでも速く、長く走る
そのためににはどんな危険にも立ち向かっていくスピリッツ
何十万人もの観衆が密集して騒いでいる
みんな若い
戦後のベビーブーマー、日本でいう団塊世代は20歳になった頃です
エネルギーが有り余っているのが伝わってきます

21世紀、しかもコロナ禍にみわれた世界から見れば遠い遠い昔の栄光の日々
失われた世界そのものです

21世紀の現代では、環境問題、温暖化ガス削減、排ガス規制対応エンジン、低燃費、ハイブリッド車が優先される時代なのです
それどころかEVに全面的に置き換えすべきとかまで叫ばれたりしています

本作公開のあと、ホンダはカーレースから一度撤退しました
カーレースよりも、排ガス規制に対応する事が急務であるとかの理由でした
その後の世界の環境優先の潮流を先取りした素晴らしい経営判断であったと言えると思います

つまり本作のころを境目にして、20世紀型の大量消費、環境破壊型の文明は頂点を迎えていて、潮目が変わっていったのです
それに気付かされました

その後、世界はオイルショックを経験し地球の資源は有限であること
地球の環境は、文明化による二酸化炭素ガスで温暖化の危機にあること
そんなことが明らかになって行き21世紀の今日を迎えたのです

ここが21世紀型の文明への転換点であったのです
本作は20世紀型の文明のピークを記録していたのです

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あき240

3.0演出、組み立てが、お洒落

2020年7月15日
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さまざまな映画を観るけれど

人の生々しさは、いたいけれど

やっぱりいいな。

美しいな。

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🐸

3.0最速!

2020年7月3日
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悲しい

知的

それぞれが1番を目指して翻弄するF1
今から50年以上前の作品です
レース後の派手なパーティーは今もあるのでしょうか
作品中でパーティーの席でなされる会話
ひどい事故があったのにそれでもお祭り騒ぎをするのかと
人が死ねば多少はしめやかになるとの事
しかし話が進むにつれその本人が
そう、紙一枚ほどの差で気持ちや運命さえも変わるとてもシビやな世界が描かれているのでしょうね
私の人生にそれ程の繊細でシビアな瞬間があったのかわかりません
こないだ見た『フリーソロ』はそんな瞬間瞬間を生きることにしか生きられない人なのだなと思いましたがこの『グランプリ』もそんな人達の物語なのでしょうね
瞬間の判断が全てを左右する
とてもじゃないけど私には荷が重すぎます
仕事柄危険な作業は多々ありますが「早く」を求めてはいません
会社や上司は効率、素早さなどなどを求められますが私はのんびりど安全にが心情です
何事も無く笑って1日終わりたいものです
私は世界一にはならない人間ですからね

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カルヴェロ

3.5F1レースは人生そのものだ。

2020年6月11日
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この映画に先を越されマックイーンはどうしていいのか分からなくなってしまったらしい。栄光のル・マンは二番手の上映となってしまった。でも、レースのシーンはマックイーンが優っていたと思う。そんな背景もありながらも、再びこの映画を観た。殆ど記憶していなかった。人は忘れていく生き物。お陰で充分に楽しめた。モンタンの散りゆく姿。ガードナーの意地。そして名前は忘れた。イギリス人レーサーの哀しみ。其々背負ってるモノは違うが栄光と後悔を噛み締めてレースに臨むのは避けて通れない運命なんだろう。誰しも平穏無事に人生を終われる訳はない。単に平凡だと見えていたってそれはそれでみんな命がけなのだ。クソみたいに銭勘定だけの選択定規しか持てない人間にはこの映画。
愚かに見えてしまうだろう。

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はる

3.5実際のレースを見るような迫力

2013年3月3日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 70
ビジュアル: 80
音楽: 60

 車載カメラからあるいは一緒に走る車から撮られたレースの迫力と体に突き刺さるようなエンジンの爆音の凄さ。この時代によくこれだけのものが撮影できたものだと思う。当時のF1レースを実際に撮影したりF1レーサーが登場して撮影に協力していたりしているようで、まさに本物のレースを見ているような気分にさせてくれる。アカデミー撮影賞も妥当なところだろう。でもレースに興味がない人にはどうでもいい映画かもしれない。
 これは三船敏郎の初海外映画出演作でもあるそうだ。やたらと萎縮したり頭を下げたりする日本人像ではなく、その堂々とした立ち振る舞いは威厳があって、体格に勝る外国人俳優が横にいても全く見劣りしない存在感は流石のもの。当時はまだ日本なんて経済大国でもない戦争の敗戦国にすぎなくて、それでも和服などを堂々と正面から出して西欧の文化に対抗しようとしている態度の演技が立派だった。ついでに当時からすでにF1に挑んでいた本田も立派だった。

 現代のF1レースと異なる部分が発見出来るのも面白い。例えばベルギーでは一般道路を封鎖してそのままレースを行っている。民家が道路のすぐそばにあり、見学者が道路のすぐ脇で観戦をしている。死傷者が出てもレースが中止にならない。ヘルメットや車からしてもう危なそう。車を収納している車庫に他人が侵入して写真を撮る。なんともおおらかというか、悪く言えば安全軽視というか。こんな時代だったんだなあと、当時のことがわかってとても興味深かった。

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Cape God