「翼が折れたエンジェル…」チャーリーズ・エンジェル フルスロットル 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
翼が折れたエンジェル…
顔を見せない司令塔チャーリーからの指令を受け活躍する3人の女探偵(エンジェル)を描いたセクシー&キュート痛快アクション第2弾。
実はこちらも先日見た“悪友”同様、『1』は何度も見ているのに『2』は劇場で一度観たっきり。17年振りの鑑賞だが、ひゃ~こちらは“悪友”以上にまるで覚えてねぇ!
いきなりだが、
どうした、エンジェルたち!?
何だか今回、前作に比べ急に面白さが半減したような…。
勿論今回も、ノリノリでテンポよく、底抜けに楽しく、エンジェルたちも魅力満載ではある。
そう、それなのである。理由は分かり切っている。続編あるある。
サービス精神過剰とおふざけ過ぎ…。
まず今回、ストーリーが…。
モンゴルでFBI長官救出任務。その直後、司法局保安局長が暗殺。これらには、ある“指輪”が絡んでいた。その指輪は対になる事で、証人保護プログラムを受けた人物の名簿となっていた。エンジェルたちは調査を続けていく内に…と、本格スパイ・アクションのようだが、
証人保護プログラムの対象者には、ある少年、そして服役され出所したディランの凶暴な元恋人。ディランを狙う。
ディランの過去、今回も登場ブキミなヤセ男の過去…。
伝説の先代エンジェル、そして意外過ぎる黒幕の正体…。
様々なエピソードを盛り込んでいるが、これがそれぞれ別の脚本家が書いてるの?…と思うくらい散漫で、とてもとても巧く纏まっているとは言い難い。
そこにエンジェルたちがやりたい放題ハイテンション・フルスロットルし、しっちゃかめっちゃか支離滅裂。
前作も前作で展開や真犯人がすぐ分かるほどよく出来たもんじゃなかったが、まだまだ前作の方がシンプルで良かった。
と言う事で、必然的にエンジェルたちに助けを乞う事に。
少々おふざけが過ぎるとは言え今回も、キャメロン=ナタリー、ドリュー=ディラン、ルーシー=アレックスのキュート&セクシーな魅力、コスプレ、アクションはいっぱい。
前作もそうだが、彼女たちのアクションは銃を使わず必ず肉弾戦。パワフルなウーマン・パワーを感じる。ただ、今回はちょっと常人離れしちゃったような…。
続編ともなると仲間の絆がより深く描かれるのが定番。本作も然り。
凶暴な元恋人に狙われ、2人の事を思って別行動を取るディラン。それこそ黒幕の思う壺。
やはり3人揃ってのエンジェル!
…と一応描かれてはいるのだが、どうもドラマ的に弱く、結局3人のキャピキャピ感に押されてしまっている。
特筆すべきは、豪華キャスト!
まずは、デミ・ムーア。伝説の先代エンジェルで、ネタバレだが今回の黒幕。3人相手に一歩も引けを取らず、シェイプアップして美貌に磨きをかけ、セクシーな姿も披露して、祝!ラジー賞受賞! でも、存在感は放っている。
ボスレーは“弟”バーニー・マックにバトンタッチ。
政府のお偉いさんにロバート・フォスター、ロバート・パトリック、そしてデミの元夫のアノ人!
シャイア・ラブーフ、未来のエンジェルにオルセン姉妹らブレイク前。
アレックスのパパにジョン・クリーズで、娘の仕事に勘違い。イタチちゃん…。
シスター役に遠い昔遥か彼方の銀河のお姫様、そしてTV版の初代エンジェルの登場はファンには堪らないだろう。
多くの映画のオマージュ、パロディー、小ネタもお楽しみ。
以上のように、酷くつまらないって訳ではなく、それなりには楽しめる。
ただ個人的には、前作ほどではなかっただけ。前作の方が“フルスロットル”であった。
V字回復としてこの面子で“ラストミッション”を見てみたかったのだが、さすがに年齢的にも無理があり、キャメロンも女優業を引退してしまい、もはや叶わぬ願い…。
…しかし今年!
新たなエンジェルたちが登場!
果たして…!?