「オカルトホラーの原点」エクソシスト ディレクターズ・カット版 たけはちさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0オカルトホラーの原点

2025年6月18日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

知的

ドキドキ

小学生の時、オリジナル版を家族で(笑)劇場に観に行ったが、その時の記憶はほとんど無かった。なのでほぼ初見で、ディレクターズ版については本当に初めて観た。
オープニングで思ったのは、所謂ホラーというよりかは、後のスピルバーグに通じるデビッド・リーン的なアメリカ映画の古典性、そしてベルトルッチに近い優美なキャメラワークである。こうした姿勢は本作に一貫しており、現代の多くのホラージャンルにおけるジャンプスケアの多用や、性急なカット割と対照的でかえって新鮮な驚きを感じた。
ところでほとんど記憶がないとは言うものの、昔観たオリジナル版では悪魔に取り憑かれるリーガン(リンダ・ブレア)が、これほどまでに医者による徹底した「治療」を受けてなかった気がする。この辺りの演出はダリオ・アルジェントの持つ現代におけるオカルトなるものについての言及と思われた。また、ポルターガイストシーンはまんまスピルバーグの「ポルターガイスト」に繋がるし、この作品が現代ホラージャンルの定番と言われるのもよくわかる。
惜しむらくは、冒頭とラストシーンの冗長さと、個人的に思い入れあるマイク・オールドフィールドの音楽の使い方だが、これもディレクターズ版故の混乱なのかもしれない。ウィリアム・フリードキン監督と原作ピーター・ブラッディとの確執も聞くが、自分には良くわからない。
「エクソシスト3」はブラッディによるもので、黒沢清も影響されたと聞くからいつか観てみたい。

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たけはち
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