超かぐや姫!のレビュー・感想・評価
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今よりハッピーだった2000年代の雰囲気
長編監督デビュー作でいきなり2時間20分のアニメを作るとは思い切ったなと思ったのだが、長さをそんなに感じさせない魅力を持った作品だった。山下監督のエッセンスが全編に渡って効いていて、作画的な見どころは多数ある、戦闘にライブパート(ライブも手描き!)、日常芝居もふんだんで手抜かりのない作画を堪能できる素晴らしい出来栄え。
全体的に2000年代ネットカルチャーへの賛歌というか、郷愁というか、そういう雰囲気を感じさせる内容で、同時代を生きてきた人には懐かし感覚があるだろう。バーチャルでこそ本当の自分らしく生きられるというテーマと、かぐや姫を合わせたのは、良い組み合わせだった。かぐや姫は自分らしく生きることができなかった存在なので。
かぐや姫モチーフのアニメ作品と言えば、高畑勲監督の名作が思い浮かぶが、今作のアプローチはそれとは真逆に多幸感に溢れたものになっていて、ハッピーな幕の閉じ方をする。それもなんとなく日本がかろうじて元気だった2000年代の雰囲気を思い出す。
パンケーキ
エンドロールでrayが流れるって聞いて期待しないで観たんだけど、意外と壮大なSF大作だった。油断してると置いてかれるので集中してみた方がいいよ。ともあれ置いていかれてもビジュと音楽で楽しめる。オススメ。
ベースは竹取物語だと思うんだけど、かぐやはAIのお姫様っぽかったな〜。赤ちゃんからの成長速度がめちゃくちゃ早くて、どんどん吸収していくAIみたい。序盤は親との関係が上手くいってない上にかぐやの世話までしないといけない彩葉が可哀想かも…って思ってたんだけど、物凄いスピードでかぐやが色々覚えてくれて心がだいぶラクになりましたね。
考察らしい考察なんてできないんだけど、とりあえずループの世界なんだな〜って事はわかった。
彩葉の口ずさんだ曲を聴いたかぐやがそれを地球に向かう。でも事故で宇宙船が破損して体を失ってしまう。データとしてしか存在できないヤチヨとして地球に。ヤチヨは彩葉の口ずさんだワンフレーズを元に作曲する。彩葉はツクヨミでその歌を聴きヤチヨの存在を知る。こんな感じ?
かぐやとヤチヨは同一人物で、最終的には彩葉の作った体に転生するんだけど、月からの呪縛から逃れるにはそれしか方法がなかったんだろうな〜。パンケーキが美味しく食べられて幸せだったら何でもいいじゃんって思える様なラストでした。細かいこと考え出すとキリがないのであんまり考えない方がいいよな〜って思ったよ。面白かったです。
可愛かった
流行アニメを理解し、ネットの客が見たかったもの
●20代、 30代 向けのアニメ
オンラインゲーム、近年の深夜アニメノリ、ボカロ、VTuberのことに詳しいと「あるある」体験に浸れるだろう。
背景の描写はとても細かく描かれており、エナドリがたくさん机の上に並んでたりなどどのような生活をしているか想像ができる。表情もころころ変わって楽しめるだろう。
戦闘シーンも迫力あるエフェクト、勢いが素晴らしい。
そして、歌のシーンは圧巻。この辺がネットで話題となった大きな要因であろう。
さすがオープニングアニメをつくっているだけのことはある。
●竜とそばかすの姫
オンラインゲーム(MMO)を題材とするのはいろいろあるが、一番彷彿させたのは竜とそばかすの姫。方向性はこれに近い気がする。この設定を生かしてある程度自由にやりたいことを表現している。
ちなみに、本日公式MV「ray 超かぐや姫!Version」がYouTubeで公開されたので、内容が刺さった人は必見である。
あとパンチラは絶対に出さないという鉄の意思を感じた。
とりあえず一般的な感想レベルはここら辺までで、以降はアニメオタクや映画オタク向けの感想
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●コンテキスト依存
なかなか評価が難しい。というのも、コンテキスト、観客の知識経験に依存する部分が結構多い。ネットで話題になるのは不思議とだいたいそうなのでこれはそういう戦略なのだろう。
●映画ではなく、リミテッドアニメの延長
映画を見ている気がしない。とはいえこれはネトフリなのでその点に対しては問題ないだろうが、映画館では物足りないだろう。後述するがのっぺりしている。ストーリもさほど。
映画好きにはおすすめしない。なので以降はアニメオタクの感想。
●キレイな作画。では実写でいいのでは?
とても細かく描かれているが、しかし逆に言えばとにかく背景がうるさい。ギャグアニメではキャラクターの感情を表現、勢いをつけるために背景にいる場所を移さない手法がある。例えば、つらい感情は紫のどんよりした空気感を、うれしいときはオレンジっぽい背景を。
今作ではそれらをすべて抜いて写実的な背景を徹底したため、感情表現が誇張して見られず、のっぺりして緊迫感もないし、おもわず後ろにのけぞったり前かがみになるシーンなどは皆無。つまり、いにしえのアニメ技術を意図して否定している。
カメラにしてもそう、魚眼レンズのカメラアングルみたいなのはかなり少ない。基本正面カメラ。上手から下手の移り変わりみたいなのもあまりうならせるところがない。
これらはプリヴィズシステムと制作会社が呼んでいる3D技術を採用しているゆえなのかもしれない。整合性はとれている。だから、つまらない。最初はAI絵なのかと疑った。(full body, cowboy shotみたいなプロンプトで作れる絵見たいのがたくさん。)
きれいに書くのは素人目でみてもわかりやすいクオリティだ。整合性もそう。すべてをしっかり描くことがよいという文化は現代アニメ好きで評価されるポイント。間を作らず倍速感覚で見れる作品。料理も超細かく描いてキャベツと差別化、すごさを見せつける。
今作はそういう素人目、ネットの評価を重視しているのは明らか。
(その割にはカニや魚はあまりにも雑だったが…この辺もAIを使っているか疑った要因。やればわかるがAIはこういうの苦手なので。)
しかしそんな保守的作品は映画好き、アニメオタクには刺さらず、無味無臭だ。世間の酷評を恐れず妙なこだわりを持つ作品の方がよっぽど刺さる。
●素材を生かせしきれない脚本、演出
竜とそばかすの姫は人間描写が嫌いで大分忘れたが、MMO要素は竜とそばかすの姫の方が圧倒的に印象に残った。
本作のはなにかのMMOを忠実に作って知っている人には刺さるかもしれないのだが、だからなに?という感想。
フィールドのポリゴン感が中途半端。水に濡れるの?なびいているけど風はあるの?火はデジタルっぽかったりするのに武器は煙が出る?汗かいてるけど、疲れるの?
MMO周りは想像させる余地がない、なんかキレイな作画。
脚本に関しては他の方が言う通り。母親の話はどうした?兄はなんだったん?
唐突に相方の考えていることがわかるなんて言うのはもっとうまくやれない?デジャブ作るとか。あとどのくらい月日がたったのかわからない。
話も最後に急激に複雑になり、それまでよりも注意して聞かないとよくわからなくなる。
ものすごい写実的な絵なのに、それを生かせずとても不釣り合いな雑さ。
総称して一言でいうと、ネットの目を気にした保守的な現代アニメ。
いろいろ言ったが普通の人からしたらはストーリ以外満点だろう。ものすごく今時のアニメ。
ちなみにこの手の作品なら.hack SIGNが一番好きだ。今時の人にはまったく勧めれないが。そういうのが好きなのが書いたレビューなのであてにならないか。
結局、どこから来た?
ぶっ飛んでるのに、薄氷を踏むレベルで丁寧で慎重且つ繊細。洗練された作品だと思う。
まず、起承転結がしっかり纏められてる作品だと感じた。竹取物語になぞらえて、出会って、無茶振りをして、求められて、惜しまれながら別れる。超バッドエンドな物語。それを覆すハッピーエンドを目指す物語だった。
何よりこの作品は、本当にギリギリを攻めてると感じたし、それによって、余韻や考察を永遠に残し続ける作品になってるのかもと思った。
例えばカバー楽曲の懐かしのボカロ選曲。
今でこそボカロは受け入れられてるけど、その一昔前のまだ受け入れられる前の「ワールドイズマイン」や「ハピシン」「メルト」を楽曲に選んでるところ。後からそこに込められたものを理解して脱帽して、余韻として残り続ける。
キャラデザに対しても割と癖のあるデザインをしていたり、変顔していたりするところ。ツクヨミとの違いも感じるし、作画の崩壊はないから、すごく軽やかに魅せられる。
キャラの性格については、一歩間違えれば、かぐやの我儘っぷりがマイナス要素になり得るのに、ちゃんと配慮されてるし、かぐや姫要素としても受け入れやすいところ。
恋愛要素としては、一応「百合」のはずなんだけど、そこに対する抵抗感もあまり感じられないように作られてると感じるところ。
ストーリーとしても、竹取物語になぞらえていくので「あぁ、やっぱりこうなるんだな」って冷めていくけど、あの展開でしっかりひっくり返すところ。
しかも、本編みた後だとあの竹取物語の元は、あの出逢いなんだとひっくり返してくるのが凄い。
親との確執や彩葉の家庭環境の描き方。
淡々としてるけど、現代人にありがちな悩みや葛藤、親に自分の気持ちを伝えるという成長をちゃんと描いてるとこ。
淡白すぎず、かといって親との関係性を濃くしすぎるとそっちがメインになって「竹取物語のエクストラ物語」という本テーマが食われるから、ああして大事なものを散りばめて、見えないものを見ようとするような考察要素として残したんだろうなって感じた。
まとめると、全体としては、スピード感があり、ダイジェストも多めで、キャラデザや日常風景が淡々としてる感じもするけど、蓋を開ければ、ビックリするほどに激重なストーリーをお出しされてる。
こんなんどこまでも重くできるのに、あくまで見やすくして、重要なテーマである「歌、音楽」のように軽やかに魅せてくれてると思う。
それぞれのキャラも本当に個性的やし、ちゃんとそれぞれのポジションを確立させて楽しい。2周目、3周目する度にこのキャラの良さが理解できるのも凄くよくできてる。
何よりヤチヨ。このAIライバーの存在があまりにもデカくて重い。
かぐや=ヤチヨで、8000年以上の時間を過ごしてきた。
そのきっかけも、彩葉が作った歌で、8000年なんてメロディ、フレーズを忘れててもおかしくないのに、ずっと覚えてて、ヤチヨのデビュー曲になったというね。「しょっちゅう歌を歌ったよ」
rayの歌詞とのリンクがやばい。
あの日、かぐやがツクヨミにやってきてから、輪廻の巡り合わせを感じたんだろうなって思う。
書き下ろし楽曲にある「物語は巡るよ」って歌詞が本当にリンクするし、歌っている時や、コラボライブの時の本当に楽しそうな笑顔や、さりげなく泣いているような描写、犬DOGEに向けた労いや、帝の宣戦布告に対しての少し哀しげな台詞etc.
全部がちゃんと伏線として描かれてて、所々引っかかりつつも、最初は邪魔にならないように描かれてはり。
2周目から、そこに込められたあまりにも重くてデカい感情に揺さぶられ続けて泣けてくる。
YouTubeの歌みたが、本編見る前と見た後で感じる重さが違ってくるなんて誰が想像できるんよ。
この子、彩葉のこととっくに認知してたのに、何も言わず、かぐやが来るまで我慢してたのよ。我慢しますじゃないのよ、我慢しすぎよ。
それから、かぐや。
かぐやって、元々我儘で、自己主張が激しくて、納得できないことを何とかしようと抗ったり、彩葉に「助けて」と、あざとく強請るような子なのに、かぐや姫として受け入れて、爆速で仕事終わらせて、事故って、彩葉に助けてもらうことができなくなるっていうところがね、本当全部ひっくり返されたキャラだと思うわ。ヤチヨになるまでのいろいろな出逢いや別れを経て、いろんなものを我慢して、8000年の間パンケーキも我慢してきたって考えると普通に泣く。その間残酷な現実も、出逢ってきた人らのとの今生の別れも全部飲み込んできたんだろうな。
そして、彩葉も彩葉よね。その8000年を無かったことにはしないまま、全部教えてもらうし、見ていくという選択肢。愛がなきゃ無理やでコレ。友愛か親愛か家族愛か恋愛かは、はっきりしてなくても、ね。
ヤチヨの存在があっても決してハッピーエンドにはならないだろうってなるところに、主人公が一石を投じてハッピーエンドに持っていくってところが、最後の最後に、彩葉がヤチヨをかぐやを助けるのがいいよね。彩葉の将来、人生もちゃんと描かれるから、感情移入しやすいし、いつまでも余韻に浸れる。
バトル要素も、ちゃんと意味がある。
かぐや姫への求婚相手への制裁、帝達のキャラの個性や関係性の要素ちりばめ、月からのお迎え撃退。どれもちゃんと唐突感なく自然と流れに組み込んでると感じるし、例えば帝と彩葉の兄妹関係を、バーチャルでのバトルで譲れないものの為に頑張るというのを見せてくれたり、リアルでも一緒にゲームをやって仲良かったよっていうのもちゃんと分かるし、お兄ちゃんは妹のためなら時には、チートだって使うぜっていうのも魅せてくれてる。
ツクヨミの形が丸っこいのも、海モチーフなのも、後からちゃんと理解できるという作り方。蛇足すら蛇足を感じさせないの凄いと思う。
カバー選曲や、書き下ろし楽曲、EDテーマ全てにおいて丁寧に吟味されてお出しされたと感じる。
かぐや姫の物語としてのエクストラ物語として最高の出来だと思う。
後、この作品の落としどころ、ハッピーエンドについて
結論から言うと、かぐやと彩葉がずっといること。なのだと思う。
そしてその為の方法は、大きく2つ。
彩葉がかぐや(ヤチヨ)と同じになること(人工知能として生きる)か、かぐやが彩葉と同じになること(人間として生きる)か。
彩葉が選択したのは、後者。
何故なら、ヤチヨが体温や味覚を感じない存在であることと、8000年という長い時を経て再会を果たしても尚、自身は寿命で尽きるから、結局ハッピーエンドになり得ないっていうね。
その結末を塗り替える方法が「なら、かぐや(ヤチヨ)を人間にしよう」で、その為に持ち前の努力とハイスペで実現させていくという。
本当にぶっ飛んでる。
けど、その作り方が本当に細かい。薄氷を踏んで渡る橋を作ってるのかってくらい、本当に繊細で洗練された作品だと思う。
脚本が雑という人もいるけど、私はその逆だと思う。むしろ凄く慎重に作られてる。本当に凄い作品だと思う。
冗長で意味不明な合戦ゲーム
巡り続ける物語
Netflixで独占配信中です。
台詞、歌詞のひとつひとつに意味があります。
最初に観た時の話ですが、前半は日本のカルチャーを紹介しつつ、ちょっと陰のある優等生の彩葉(いろは 声:永瀬アンナ)と成長の早い謎の少女(かぐや 声:夏吉ゆうこ)の二人のやりとりを楽しむって感じで仮想空間ツクヨミの映像が凄いと思いました。切なさが根底にあって、かぐやに彩葉がキーボードを教えるシーン、かぐやが彩葉の指に触れる指のシーンはグッときました。後半はツクヨミでのKASSEN(合戦)の映像の迫力を楽しみ、勝負が決まった時は、演出が良いからなのか感動して泣きそうになりました。さらに涙腺が弱まっているところに、ヤチヨが彩葉に八千年間を教えるシーンで私の目から水がボロンボロン出て、ラストのラスト、もう1回観たくなりました。
再鑑賞、ヤチヨの言動と表情に感動しっぱなしで、かぐやいろPの二人も違う視点で眺めることができます。2回目以降の鑑賞時は、歌うLIVEシーンさえも味わい深くて、長尺なのにあっという間に感じました。物語を巡れば巡るほど愛着と興味が湧く映画です。
🌘オマケ🌒
☾彩葉の魅力を考察☽
『新世紀エヴァンゲリオン』の女性キャラ達を彷彿させる彩葉。優秀でマザーコンプレックス的な性格はアスカ、仮想空間でのクールな雰囲氣はレイ、ビーチでサングラスをかけている姿は葛城ミサト、白衣姿はホクロのせいで赤城リツコに見えるような氣がしました。真希波マリとの共通点は、音楽的才能でしょうか。
☾兄と妹と時空☽
何日か前に観た『レゴムービー2』(2019年)が兄と妹の戦いを描いていて、さらに時を超えて過去の自分に合うという類似している点がありましたが、本作はなんといっても Made in Japan.和風なSFで最高ですし、女性主人公で女同士の友情に焦点を絞っていて感動しやすかったです。
めっちゃよかった
評判が良かったのもあり鑑賞
とりあえずめっちゃ好きな作品
彩葉とかぐやの表情がとにかくいい
めっちゃ可愛いし、キャッチーだし
2人のキャラクターもだし感情表現の演出も全てが魅力的だった
あと、選曲が世代ドンピシャ狙い撃ちすぎた。
ボカロ曲のシーンはなんか思い出も共に蘇ってよりテンション上がった
終わり方も含めてなんか、彩葉とかぐやの空気感でおわって好きだったな
蛇足パンケーキ含めて
あとは、ライブシーンすごいね
普通に感動した
ワールドイズ・マインが特に印象的だった
彩葉とかぐやのコロコロ変わる表情が特に良かった
一瞬ネトフリで終わる演出とかもオモロかった
劇場公開はどうなってたんやろうか
なんかふとしたセリフのやり取りに実家のような安心感感じた
進路考え直しますのアンサーでごゆっくりのシーンとか
後エンドロールでrayはあかん。
泣く。
96/100
原作リスペクトとは、もしかしてこういうことかも
ちゃんと竹取物語で始まって、最後までその「お決まり」を貫いていた。
竹取物語の二次創作として高度に成立していた。
まずそこが凄い。すげー、って言いながら見た。
ストーリー展開にはリアリズムはあまり無い。
そんな馬鹿な、的な展開の連続。
でもそれでいいんじゃないか、と思う。
よく考えれば、竹取物語自体が、もともとトンデモ話なのだ。
例えば、昔の人は「月でウサギが餅をついている」と夢想したらしいけど、
それはよく考えれば「ぶっ飛んだ想像力」なのだ。
竹取物語も、そういう「ぶっ飛んだ想像力」の結晶のようなお話なのだろう。
それなら原作をリスペクトした二次創作は「かしこまったもの」じゃない方が良い。
これくらい「リアリズムを排したぶっ飛んだもの」であるべき。
ぶっ飛んでいるけれど、今の人の心に刺さるテーマをちゃんと描いているもの。
そういうものがリスペクトがあるものなのかもしれない。
原作リスペクトするとはどういうことか、ちょっと考えさせられました。
そういう意味で、すごくよかったです。
平成オタクに刺さるお祭り作品
素材は一級品。もったいない!
キャラクターデザインや作画のクオリティは高く、物語の大枠も悪くない。
キャラクターの動きも可愛らしく、バトルシーンも派手でかっこいい。
ただし本作は、どこを一番魅せたい作品なのかが最後まで定まらないまま進んでしまった印象が強い。
バトルシーン自体の出来は良い一方で尺が長く、物語や音楽に割くべき時間を圧迫しているように感じた。
テンポの速さは今の若い層には合っているのかもしれないが、物語や世界観を味わうための「溜め」のシーンがほとんどなく、全体的に忙しない。
特に、音楽そのものや父親との関係性について描かれる場面が少ないため、
かぐやが最後に歌う意味や、主人公が彼女のために曲を作る動機が十分に積み上がらない。
その結果、感情のクライマックスが映えきらず、主人公の心情にもやや置いていかれる印象を受けた。
ライブシーンについても、引きの画が多いものの、ステージ全体を活かした演出は控えめで、楽曲の世界観に没入しづらい。
一曲ごとの尺が短いこともあり、せっかくの楽曲やボカロカバーが「消費されている」ように感じてしまった。
宣伝段階でボカロP起用やボカロカバー展開を大きく打ち出していた以上、
もう一歩、音楽やライブそのものにフォーカスした構成が欲しかった。
バトル、音楽、家族ドラマのいずれもが中途半端になってしまい、
結果として強く記憶に残るシーンが少ないのが惜しい。
ライブを主軸にするならラブライブやアイカツ、
バトルと歌を融合させるならマクロスといった先行例がある。
そうした作品を見慣れたオタク層ほど、本作の中途半端さには厳しい評価を下しそうだ。
間違いなく傑作。ニコニコ見てたオッサンにはぜひ見てほしい。
エンディングで満点
ガチめの長文感想
あえてマイナス点から挙げるが、最終盤でケチがついた。
展開が早く、不時着当時のヤチヨへの感情移入が難しかった。監督もインタビュー記事で言っているが尺が足りてはいないと感じているらしく、途方もない年月を思えば絶望や寂しさがあって然るべきで、他者との別れをこそ惜しんでいるようではあったが、8000年前の地球へ落ちてしまったその当時の彩葉への想いについては描いていない。またより丁寧に描くなら自身がヤチヨであったことに気付き、思いを新たにするシーンがあってもよかった。
またラストの3人でのライブについて、ヤチヨはカグヤを別存在だと思ってるからこそカグヤ復活ライブが実現するのであって、彩葉としてもヤチヨをカグヤとして考えられるかとか、お互い葛藤や合意形成も間違いなくあっただろうし、その中でヤチヨがカグヤとしてではなくヤチヨとして生きようと思った瞬間も描いてほしかった。(彩葉が生まれた時とかカグヤとの関りの中でかもしれないが)
カグヤと彩葉の関係性について、大別すれば百合ものであるのは間違いないと思うが、カテゴライズされると印象が強すぎて乱暴に思え個人的には拒否感がある。逆に主人公二人が男同士でも多少表現が変わるだろうが全く抱く感想は変わらないと思った。時代錯誤かもしれないが、作品において異性同士だとどうしても恋愛感情や下心ありきと邪推してしまう。本能的に持って然るべきものだが、それを不純と見てしまう私自身の感性があって、だからこそ同性である彩葉とカグヤの無自覚な関係性の変化や前向きな変化が尊く感じられるのだと思う。
曲について、事前の公開分のオリジナルでは個人的にさほど気に入った曲はなかったが、いい意味で期待を裏切ったのは「EX-orogibanasi」と「星降る海」。
「星降る海」は一度見た後だと歌詞の意味が染み渡りヤチヨの万感の想いが感じられる。
「EX-orogibanasi」は直接本編の感想とは異なるが、二番以降の歌詞が完全に不時着後のヤチヨの想いでしかない。しかもライブではカグヤとヤチヨ、二人で歌っているのは一番のみで、ライブの曲を決めたのもヤチヨであり、二番まで歌ってないのが作為的で面白い。
「瞬間、シンフォニー。」はフルでないのがもったいなかった。映画部分だけではかぐやにしては大人びていて物分かりがよすぎる。個人的にCメロの部分の歌詞があってこそカグヤらしい曲になると思う。
オリジナルではないが、「ハッピーシンセサイザー」と「メルト」は元々好きな曲なので意表を突かれてよかった。
「ワールドイズマイン」はカグヤとヤチヨがただ歌ってるだけではなく、掛け合いがあって、それがライブ歌唱の中で表現されており曲を損ねることなく、それぞれのキャラを立たせてる役割すら果たしていた。とても良いライブ感だった。
映像美は言わずもがな、ヤチヨ登場のライブシーンは圧巻。KASSENも月の使徒戦もぬるぬる動き、むしろもうちょっと遅くてもいい。(状況の理解が追い付かなかった)カグヤ(生身)の表情は癖が強いものもあるが、大事な場面では決してそういう印象はないし、全ての登場人物の表情が丁寧に描かれていたと思う。
あとヤチヨのキャラデザが素晴らしい。
最初の批評にも繋がるがツクヨミに初めてログインした彩華を、ヤチヨはどう思ったか、おそらく彩華家も色々ハッキングすれば様子を伺えたこととか考えると超かぐや姫0とか8000とかあったらヤチヨサイドで見てみたい。
歌詞が気になった人は公式で出してます。 piapro.jp/Cho_KaguyaHime
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