超かぐや姫!のレビュー・感想・評価
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今よりハッピーだった2000年代の雰囲気
長編監督デビュー作でいきなり2時間20分のアニメを作るとは思い切ったなと思ったのだが、長さをそんなに感じさせない魅力を持った作品だった。山下監督のエッセンスが全編に渡って効いていて、作画的な見どころは多数ある、戦闘にライブパート(ライブも手描き!)、日常芝居もふんだんで手抜かりのない作画を堪能できる素晴らしい出来栄え。
全体的に2000年代ネットカルチャーへの賛歌というか、郷愁というか、そういう雰囲気を感じさせる内容で、同時代を生きてきた人には懐かし感覚があるだろう。バーチャルでこそ本当の自分らしく生きられるというテーマと、かぐや姫を合わせたのは、良い組み合わせだった。かぐや姫は自分らしく生きることができなかった存在なので。
かぐや姫モチーフのアニメ作品と言えば、高畑勲監督の名作が思い浮かぶが、今作のアプローチはそれとは真逆に多幸感に溢れたものになっていて、ハッピーな幕の閉じ方をする。それもなんとなく日本がかろうじて元気だった2000年代の雰囲気を思い出す。
結局、どこから来た?
ぶっ飛んでるのに、薄氷を踏むレベルで丁寧で慎重且つ繊細。洗練された作品だと思う。
まず、起承転結がしっかり纏められてる作品だと感じた。竹取物語になぞらえて、出会って、無茶振りをして、求められて、惜しまれながら別れる。超バッドエンドな物語。それを覆すハッピーエンドを目指す物語だった。
何よりこの作品は、本当にギリギリを攻めてると感じたし、それによって、余韻や考察を永遠に残し続ける作品になってるのかもと思った。
例えばカバー楽曲の懐かしのボカロ選曲。
今でこそボカロは受け入れられてるけど、その一昔前のまだ受け入れられる前の「ワールドイズマイン」や「ハピシン」「メルト」を楽曲に選んでるところ。後からそこに込められたものを理解して脱帽して、余韻として残り続ける。
キャラデザに対しても割と癖のあるデザインをしていたり、変顔していたりするところ。ツクヨミとの違いも感じるし、作画の崩壊はないから、すごく軽やかに魅せられる。
キャラの性格については、一歩間違えれば、かぐやの我儘っぷりがマイナス要素になり得るのに、ちゃんと配慮されてるし、かぐや姫要素としても受け入れやすいところ。
恋愛要素としては、一応「百合」のはずなんだけど、そこに対する抵抗感もあまり感じられないように作られてると感じるところ。
ストーリーとしても、竹取物語になぞらえていくので「あぁ、やっぱりこうなるんだな」って冷めていくけど、あの展開でしっかりひっくり返すところ。
しかも、本編みた後だとあの竹取物語の元は、あの出逢いなんだとひっくり返してくるのが凄い。
親との確執や彩葉の家庭環境の描き方。
淡々としてるけど、現代人にありがちな悩みや葛藤、親に自分の気持ちを伝えるという成長をちゃんと描いてるとこ。
淡白すぎず、かといって親との関係性を濃くしすぎるとそっちがメインになって「竹取物語のエクストラ物語」という本テーマが食われるから、ああして大事なものを散りばめて、見えないものを見ようとするような考察要素として残したんだろうなって感じた。
まとめると、全体としては、スピード感があり、ダイジェストも多めで、キャラデザや日常風景が淡々としてる感じもするけど、蓋を開ければ、ビックリするほどに激重なストーリーをお出しされてる。
こんなんどこまでも重くできるのに、あくまで見やすくして、重要なテーマである「歌、音楽」のように軽やかに魅せてくれてると思う。
それぞれのキャラも本当に個性的やし、ちゃんとそれぞれのポジションを確立させて楽しい。2周目、3周目する度にこのキャラの良さが理解できるのも凄くよくできてる。
何よりヤチヨ。このAIライバーの存在があまりにもデカくて重い。
かぐや=ヤチヨで、8000年以上の時間を過ごしてきた。
そのきっかけも、彩葉が作った歌で、8000年なんてメロディ、フレーズを忘れててもおかしくないのに、ずっと覚えてて、ヤチヨのデビュー曲になったというね。「しょっちゅう歌を歌ったよ」
rayの歌詞とのリンクがやばい。
あの日、かぐやがツクヨミにやってきてから、輪廻の巡り合わせを感じたんだろうなって思う。
書き下ろし楽曲にある「物語は巡るよ」って歌詞が本当にリンクするし、歌っている時や、コラボライブの時の本当に楽しそうな笑顔や、さりげなく泣いているような描写、犬DOGEに向けた労いや、帝の宣戦布告に対しての少し哀しげな台詞etc.
全部がちゃんと伏線として描かれてて、所々引っかかりつつも、最初は邪魔にならないように描かれてはり。
2周目から、そこに込められたあまりにも重くてデカい感情に揺さぶられ続けて泣けてくる。
YouTubeの歌みたが、本編見る前と見た後で感じる重さが違ってくるなんて誰が想像できるんよ。
この子、彩葉のこととっくに認知してたのに、何も言わず、かぐやが来るまで我慢してたのよ。我慢しますじゃないのよ、我慢しすぎよ。
それから、かぐや。
かぐやって、元々我儘で、自己主張が激しくて、納得できないことを何とかしようと抗ったり、彩葉に「助けて」と、あざとく強請るような子なのに、かぐや姫として受け入れて、爆速で仕事終わらせて、事故って、彩葉に助けてもらうことができなくなるっていうところがね、本当全部ひっくり返されたキャラだと思うわ。ヤチヨになるまでのいろいろな出逢いや別れを経て、いろんなものを我慢して、8000年の間パンケーキも我慢してきたって考えると普通に泣く。その間残酷な現実も、出逢ってきた人らのとの今生の別れも全部飲み込んできたんだろうな。
そして、彩葉も彩葉よね。その8000年を無かったことにはしないまま、全部教えてもらうし、見ていくという選択肢。愛がなきゃ無理やでコレ。友愛か親愛か家族愛か恋愛かは、はっきりしてなくても、ね。
ヤチヨの存在があっても決してハッピーエンドにはならないだろうってなるところに、主人公が一石を投じてハッピーエンドに持っていくってところが、最後の最後に、彩葉がヤチヨをかぐやを助けるのがいいよね。彩葉の将来、人生もちゃんと描かれるから、感情移入しやすいし、いつまでも余韻に浸れる。
バトル要素も、ちゃんと意味がある。
かぐや姫への求婚相手への制裁、帝達のキャラの個性や関係性の要素ちりばめ、月からのお迎え撃退。どれもちゃんと唐突感なく自然と流れに組み込んでると感じるし、例えば帝と彩葉の兄妹関係を、バーチャルでのバトルで譲れないものの為に頑張るというのを見せてくれたり、リアルでも一緒にゲームをやって仲良かったよっていうのもちゃんと分かるし、お兄ちゃんは妹のためなら時には、チートだって使うぜっていうのも魅せてくれてる。
ツクヨミの形が丸っこいのも、海モチーフなのも、後からちゃんと理解できるという作り方。蛇足すら蛇足を感じさせないの凄いと思う。
カバー選曲や、書き下ろし楽曲、EDテーマ全てにおいて丁寧に吟味されてお出しされたと感じる。
かぐや姫の物語としてのエクストラ物語として最高の出来だと思う。
後、この作品の落としどころ、ハッピーエンドについて
結論から言うと、かぐやと彩葉がずっといること。なのだと思う。
そしてその為の方法は、大きく2つ。
彩葉がかぐや(ヤチヨ)と同じになること(人工知能として生きる)か、かぐやが彩葉と同じになること(人間として生きる)か。
彩葉が選択したのは、後者。
何故なら、ヤチヨが体温や味覚を感じない存在であることと、8000年という長い時を経て再会を果たしても尚、自身は寿命で尽きるから、結局ハッピーエンドになり得ないっていうね。
その結末を塗り替える方法が「なら、かぐや(ヤチヨ)を人間にしよう」で、その為に持ち前の努力とハイスペで実現させていくという。
本当にぶっ飛んでる。
けど、その作り方が本当に細かい。薄氷を踏んで渡る橋を作ってるのかってくらい、本当に繊細で洗練された作品だと思う。
脚本が雑という人もいるけど、私はその逆だと思う。むしろ凄く慎重に作られてる。本当に凄い作品だと思う。
冗長で意味不明な合戦ゲーム
巡り続ける物語
Netflixで独占配信中です。
台詞、歌詞のひとつひとつに意味があります。
最初に観た時の話ですが、前半は日本のカルチャーを紹介しつつ、ちょっと陰のある優等生の彩葉(いろは 声:永瀬アンナ)と成長の早い謎の少女(かぐや 声:夏吉ゆうこ)の二人のやりとりを楽しむって感じで仮想空間ツクヨミの映像が凄いと思いました。切なさが根底にあって、かぐやに彩葉がキーボードを教えるシーン、かぐやが彩葉の指に触れる指のシーンはグッときました。後半はツクヨミでのKASSEN(合戦)の映像の迫力を楽しみ、勝負が決まった時は、演出が良いからなのか感動して泣きそうになりました。さらに涙腺が弱まっているところに、ヤチヨが彩葉に八千年間を教えるシーンで私の目から水がボロンボロン出て、ラストのラスト、もう1回観たくなりました。
再鑑賞、ヤチヨの言動と表情に感動しっぱなしで、かぐやいろPの二人も違う視点で眺めることができます。2回目以降の鑑賞時は、歌うLIVEシーンさえも味わい深くて、長尺なのにあっという間に感じました。物語を巡れば巡るほど愛着と興味が湧く映画です。
🌘オマケ🌒
☾彩葉の魅力を考察☽
『新世紀エヴァンゲリオン』の女性キャラ達を彷彿させる彩葉。優秀でマザーコンプレックス的な性格はアスカ、仮想空間でのクールな雰囲氣はレイ、ビーチでサングラスをかけている姿は葛城ミサト、白衣姿はホクロのせいで赤城リツコに見えるような氣がしました。真希波マリとの共通点は、音楽的才能でしょうか。
☾兄と妹と時空☽
何日か前に観た『レゴムービー2』(2019年)が兄と妹の戦いを描いていて、さらに時を超えて過去の自分に合うという類似している点がありましたが、本作はなんといっても Made in Japan.和風なSFで最高ですし、女性主人公で女同士の友情に焦点を絞っていて感動しやすかったです。
めっちゃよかった
評判が良かったのもあり鑑賞
とりあえずめっちゃ好きな作品
彩葉とかぐやの表情がとにかくいい
めっちゃ可愛いし、キャッチーだし
2人のキャラクターもだし感情表現の演出も全てが魅力的だった
あと、選曲が世代ドンピシャ狙い撃ちすぎた。
ボカロ曲のシーンはなんか思い出も共に蘇ってよりテンション上がった
終わり方も含めてなんか、彩葉とかぐやの空気感でおわって好きだったな
蛇足パンケーキ含めて
あとは、ライブシーンすごいね
普通に感動した
ワールドイズ・マインが特に印象的だった
彩葉とかぐやのコロコロ変わる表情が特に良かった
一瞬ネトフリで終わる演出とかもオモロかった
劇場公開はどうなってたんやろうか
なんかふとしたセリフのやり取りに実家のような安心感感じた
進路考え直しますのアンサーでごゆっくりのシーンとか
後エンドロールでrayはあかん。
泣く。
96/100
原作リスペクトとは、もしかしてこういうことかも
ちゃんと竹取物語で始まって、最後までその「お決まり」を貫いていた。
竹取物語の二次創作として高度に成立していた。
まずそこが凄い。すげー、って言いながら見た。
ストーリー展開にはリアリズムはあまり無い。
そんな馬鹿な、的な展開の連続。
でもそれでいいんじゃないか、と思う。
よく考えれば、竹取物語自体が、もともとトンデモ話なのだ。
例えば、昔の人は「月でウサギが餅をついている」と夢想したらしいけど、
それはよく考えれば「ぶっ飛んだ想像力」なのだ。
竹取物語も、そういう「ぶっ飛んだ想像力」の結晶のようなお話なのだろう。
それなら原作をリスペクトした二次創作は「かしこまったもの」じゃない方が良い。
これくらい「リアリズムを排したぶっ飛んだもの」であるべき。
ぶっ飛んでいるけれど、今の人の心に刺さるテーマをちゃんと描いているもの。
そういうものがリスペクトがあるものなのかもしれない。
原作リスペクトするとはどういうことか、ちょっと考えさせられました。
そういう意味で、すごくよかったです。
平成オタクに刺さるお祭り作品
素材は一級品。もったいない!
キャラクターデザインや作画のクオリティは高く、物語の大枠も悪くない。
キャラクターの動きも可愛らしく、バトルシーンも派手でかっこいい。
ただし本作は、どこを一番魅せたい作品なのかが最後まで定まらないまま進んでしまった印象が強い。
バトルシーン自体の出来は良い一方で尺が長く、物語や音楽に割くべき時間を圧迫しているように感じた。
テンポの速さは今の若い層には合っているのかもしれないが、物語や世界観を味わうための「溜め」のシーンがほとんどなく、全体的に忙しない。
特に、音楽そのものや父親との関係性について描かれる場面が少ないため、
かぐやが最後に歌う意味や、主人公が彼女のために曲を作る動機が十分に積み上がらない。
その結果、感情のクライマックスが映えきらず、主人公の心情にもやや置いていかれる印象を受けた。
ライブシーンについても、引きの画が多いものの、ステージ全体を活かした演出は控えめで、楽曲の世界観に没入しづらい。
一曲ごとの尺が短いこともあり、せっかくの楽曲やボカロカバーが「消費されている」ように感じてしまった。
宣伝段階でボカロP起用やボカロカバー展開を大きく打ち出していた以上、
もう一歩、音楽やライブそのものにフォーカスした構成が欲しかった。
バトル、音楽、家族ドラマのいずれもが中途半端になってしまい、
結果として強く記憶に残るシーンが少ないのが惜しい。
ライブを主軸にするならラブライブやアイカツ、
バトルと歌を融合させるならマクロスといった先行例がある。
そうした作品を見慣れたオタク層ほど、本作の中途半端さには厳しい評価を下しそうだ。
間違いなく傑作。ニコニコ見てたオッサンにはぜひ見てほしい。
エンディングで満点
ガチめの長文感想
あえてマイナス点から挙げるが、最終盤でケチがついた。
展開が早く、不時着当時のヤチヨへの感情移入が難しかった。監督もインタビュー記事で言っているが尺が足りてはいないと感じているらしく、途方もない年月を思えば絶望や寂しさがあって然るべきで、他者との別れをこそ惜しんでいるようではあったが、8000年前の地球へ落ちてしまったその当時の彩葉への想いについては描いていない。またより丁寧に描くなら自身がヤチヨであったことに気付き、思いを新たにするシーンがあってもよかった。
またラストの3人でのライブについて、ヤチヨはカグヤを別存在だと思ってるからこそカグヤ復活ライブが実現するのであって、彩葉としてもヤチヨをカグヤとして考えられるかとか、お互い葛藤や合意形成も間違いなくあっただろうし、その中でヤチヨがカグヤとしてではなくヤチヨとして生きようと思った瞬間も描いてほしかった。(彩葉が生まれた時とかカグヤとの関りの中でかもしれないが)
カグヤと彩葉の関係性について、大別すれば百合ものであるのは間違いないと思うが、カテゴライズされると印象が強すぎて乱暴に思え個人的には拒否感がある。逆に主人公二人が男同士でも多少表現が変わるだろうが全く抱く感想は変わらないと思った。時代錯誤かもしれないが、作品において異性同士だとどうしても恋愛感情や下心ありきと邪推してしまう。本能的に持って然るべきものだが、それを不純と見てしまう私自身の感性があって、だからこそ同性である彩葉とカグヤの無自覚な関係性の変化や前向きな変化が尊く感じられるのだと思う。
曲について、事前の公開分のオリジナルでは個人的にさほど気に入った曲はなかったが、いい意味で期待を裏切ったのは「EX-orogibanasi」と「星降る海」。
「星降る海」は一度見た後だと歌詞の意味が染み渡りヤチヨの万感の想いが感じられる。
「EX-orogibanasi」は直接本編の感想とは異なるが、二番以降の歌詞が完全に不時着後のヤチヨの想いでしかない。しかもライブではカグヤとヤチヨ、二人で歌っているのは一番のみで、ライブの曲を決めたのもヤチヨであり、二番まで歌ってないのが作為的で面白い。
「瞬間、シンフォニー。」はフルでないのがもったいなかった。映画部分だけではかぐやにしては大人びていて物分かりがよすぎる。個人的にCメロの部分の歌詞があってこそカグヤらしい曲になると思う。
オリジナルではないが、「ハッピーシンセサイザー」と「メルト」は元々好きな曲なので意表を突かれてよかった。
「ワールドイズマイン」はカグヤとヤチヨがただ歌ってるだけではなく、掛け合いがあって、それがライブ歌唱の中で表現されており曲を損ねることなく、それぞれのキャラを立たせてる役割すら果たしていた。とても良いライブ感だった。
映像美は言わずもがな、ヤチヨ登場のライブシーンは圧巻。KASSENも月の使徒戦もぬるぬる動き、むしろもうちょっと遅くてもいい。(状況の理解が追い付かなかった)カグヤ(生身)の表情は癖が強いものもあるが、大事な場面では決してそういう印象はないし、全ての登場人物の表情が丁寧に描かれていたと思う。
あとヤチヨのキャラデザが素晴らしい。
最初の批評にも繋がるがツクヨミに初めてログインした彩華を、ヤチヨはどう思ったか、おそらく彩華家も色々ハッキングすれば様子を伺えたこととか考えると超かぐや姫0とか8000とかあったらヤチヨサイドで見てみたい。
歌詞が気になった人は公式で出してます。 piapro.jp/Cho_KaguyaHime
エモで構成されている作品
作画と音楽が100点で、シナリオ50点くらいの作品かな?
……と、正直言うと見る前はハードル低めに予想していたが、
想像以上にシナリオも良くて得した気分になった。
少なくともテンポのいい会話、高速で進む展開、
冗長に感じそうな設定説明はカットして匂わせに済ませることで
退屈を感じる暇なく話はコメディチックにガンガン進むので、非常に賑やかで楽しい。
そんなこんなで主人公女の子二人が仲良くなったり、
なにがしかで成功している様を見ている内に主人公達への好感度が上がっていく。
ここまで来たら作品としては成功みたいなものである。
この『主人公達のことが好きになれるかどうか』が作品の明暗を分けると思う。
というのも正直、展開に強引さを感じる場面が少々ある。
ただ「このシーン描きたかったんだな」というのが分かるし、
大事な点として、テーマにも、キャラの心理にも矛盾はないので許容範囲。
(ここさえ守られてれば案外気にならないものと思う)
正直バトル周りそんな密に描く必要ないよなぁと思うが
バトル……というよりバトルアクション作画が描きたかったんだろうなぁとか。
逆にその点から見れば、構図も表情も音楽も演技も、
「こういうシーンいいよね、私好きなの」とでも言わんばかりに
1シーン1シーンごとに細部まで練り込まれているのを感じる。
頭のてっぺんから、尻尾の先まで、
エモさで構成されている作品だ。
特にそういう思いが詰め込まれているライブシーンは
この作品のメインディッシュで映像美も相まってとても良い。
予告などで流れるこのシーンを見て期待するものがあるなら
それはちゃんと得られる作品である。
ただ話の細かいアラは終盤に行くほど目に付くし、
それをエモさで誤魔化しているのも感じるので、
どこまで許容出来るかは結局見る人次第。
そういう部分が「どこまで作品を好きになったか」で別れるのだと思う。
(もちろん元々細かいことが気にならない人は無関係)
個人的には勢いで突っ切るべしとして動いたこの作品は
きちんとそういうことが許容出来るだけの熱量があると思った。
余談:
最大の不満点はせっかく映像も歌もいいんだから、
映画館でやってくれたらなぁ、という点かもしれない(笑)
ネトフリ資本でも映画館で上映するものはあるから
これも出来れば映画館で見たかったな。
スフマートが欲しいね。
そもそも、ボカロPってなんだ!?
1.逃げ場のない光
すべての背景にピントが合い、すべての光源が発光処理(ブルーム効果)で輝いている。これは「美しい」のではなく、単に「眩しい」だけだと思う。
2.想像の拒絶
隅々までデジタルで描き込まれ、極彩色に塗られた画面には、観客が想像力を働かせる隙間(余白)がない。だからこそ、見ていて疲れるし、心に残らない。
結局は現代のオタクな男目線。
せめて、歌はハーモニーにしてもらいたいし、影やボカシを描きこんでもらいたい。
情報の詰め込み過ぎ。その割に背景は単調に同形の生活感がない建物だらけ。帝国少年やプペルの背景の様な細密さが欲しい。
無いならば作ればいいの極地
結論から言わせてもらうと大体2007年から始まったニコ動のボカロ文化にどっぷり浸かった経験のある世代なら観るべき意欲作です。
あの頃ハマったボカロpやVtuber等の方からのラブレターはとっくの昔の既に届いていて我々にアンサーを出させるような映画。むしろラストではその先を行く展開
某インタビュー記事にて今作の監督はあの頃の細田守監督作を意識というよりリスペクトを込めてこの作品を手掛けていたと述べていた通り、VR空間の作り込みには流石という感じを含め没入感がありました。
作画もさることながらその他云々をまとめて熱量を観て感じます。
主人公周りの心情描写、原典の竹取物語の逃れられないエンディングに対してどう抗うか、抗うなら徹底的にやるという気概も感じます。
当時我々が熱中していた主戦場がネットであるから『ネット』フリックスだからこそ今作は出来たよねって感じです
こんな気持ちは久しぶり
ハッピーエンドは自分で作る!
古来から語られ、幾度も映像化された“かぐや姫”が、令和の時代に新たに。
しかし、現れたのは竹の中からではなく、何もかも“超”びっくり!
母親に反発して上京。容姿端麗、文武両道。学校生活にバイトに大忙しの女子高生・彩葉。
唯一の癒しは、コンタクトレンズ型デバイスを使って入る仮想世界“ツクヨミ”で、管理人であり絶大な人気を誇る歌姫でもある月見ヤチヨの推し活。彩葉はヤチヨの歌声に何故か懐かしさを感じていた。(←ここ、伏線)
ある時、流れ星が。電線に落ちて、電飾電柱となって、その中から現れたのは…
かぐや姫…!? でも、ちょっと違うんですけど~。
竹から…ではなくて電飾電柱から生まれた赤ん坊を見捨てておけず。
面倒を見る。この歳で子育て~ッ!?
拾った赤ん坊を身を粉にして愛情たっぷり注いですくすく成長…だったら美談になるが、へとへとうんざり面倒を見ていたら、日に日に…いや、秒で成長。あっという間に彩葉と同い年に。恐るべし、かぐや姫風異星人…!
かぐや姫なら月から迎えが来るけど、一向に来ない。図々しく居候。
ポジティブ、苦労して買ったものを勝手に売る、何かとかまってちゃん、ハチャメチャはた迷惑。
だけど、作るご飯がクソ旨い。頼み事フェイスがが悔しいけど可愛い。
流れ星に乗ってきて、電飾電柱から生まれたのは、何もかも常識外れの“超かぐや姫”!
『竹取物語』を今の時代にそのままやったって悲しいかなウケはしないだろう。ましてやアニメーションだと高畑勲監督が名編を創った。
ならば今の時代ならではの全く新しいかぐや姫を。
『竹取物語』をベースに、仮想世界やバーチャルアイドル、ハイテクに疎い私が知らぬハイテクのあれこれ。あのコンタクトレンズ型デバイスなんていずれ本当に造られそう。
仮想世界は映画でも『トロン』や『サマーウォーズ』でもお馴染みだが、仮想世界のイマジネーションは無限大。その独創スケールと作画は圧巻。
そこで訳あって繰り広げられる、彩葉とかぐやともう一人対人気グループ“ブラックオニキス”の神戦(かっせん)は大迫力。彩葉とグループリーダー、黒鬼の意外な関係…。
キャラデサも魅力的。真面目な美少女・彩葉、ポジティブ!キュート!なこちらも美少女・かぐや。2人のアップテンポな掛け合いやクルクル変わるリアクションが見ていて楽しい。夏吉ゆうこと永瀬アンナの快声。
彩葉憧れのヤチヨ。かぐやに劣らぬ天真爛漫さと、何処か不思議な神秘さ。早見沙織の神声。本当にこの人はどのアニメでも声やってるね。
そして本作はアイドル音楽映画でもある。
ヤチヨが重大イベントを告知。コラボライヴを開催。
相手は歌に自信のある皆。人気投票1位の優勝者。
その筆頭はやはりブラックオニキスだが、ポジティブかぐやは勿論エントリー。絶対優勝!
いやいやいや、優勝なんて絶対あり得ないでしょ…。そんな慎重派彩葉をかぐやは誘う。
歌声が素敵なかぐや。彩葉はかぐやの歌声に魅せられていた。(←ここも伏線)
上京前、曲を作っていた彩葉。ある事があって曲作りを止め…。
ノートPCに残っていた彩葉の曲を聞いて、かぐやはメチャ興奮! 彩葉の作った曲を歌う!
かくして彩葉が曲作りとプロデュース、かぐやが歌い、“かぐいろP”として活動開始。その存在はツクヨミで大評判となっていく…。
楽曲は全てオリジナル。有名アーティストがたくさん提供しているらしいが、ゴメン、音楽に疎いもんで…。
曲はいずれも魅力。かぐやのソロ、かぐいろPとしての新曲、歌姫ヤチヨの楽曲…。クライマックス、かぐやの歌に乗せて入り乱れる攻防アクション。歌×アクションの高揚はアニメーション屈指の『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』にも負けやしない。
アイドルアニメのライヴなんて『ラブライブ!』の劇場版1作目くらいしか見た事ないが、生身のような本格ライヴは圧巻。
歌もライヴの臨場感もオスカーが期待される『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』に匹敵。
遂に人気投票の結果発表。
優勝はやはりブラックオニキス!…の予想を覆して(あ、こんな所で何だけど、彩葉とブラックオニキスリーダー黒鬼は兄妹)、何とかぐいろP!
ヤチヨとコラボライヴ。勿論、3人による楽曲も。
かぐやが彩葉の古アパートに居候始めた頃、『竹取物語』を知って、こんなのハッピーエンドじゃない! ハッピーエンドは自分で作る!
それを有言実行したかぐや。
突然始まった居候~音楽活動。それはまだまだ続くと思っていた…。
その時が近付く。やはりかぐやはかぐや姫でした。
ハッピーエンドからのバッドエンド。
でも、かぐやは言う。超楽しく、運命を受け入れる!
本当にそれでいいの…? 結局これじゃあおとぎ話と同じ。ハッピーエンドは自分で作るんじゃないの…?
ポジティブかぐやの本心。いつまでも彩葉と一緒にいたい…。
それは私だって同じ。いつまでもかぐやと一緒にいたい…。
皆に協力して貰って、ツクヨミでかぐやを迎えに来た月からの使者を防ぐ。
が、かぐやは運命を受け入れる。最後まで超楽しく!
かぐやはかぐやだった。
かぐやが去って、空虚な毎日…。進路も促されるままに。
これがハッピーエンド…?
いや、絶対ハッピーエンドじゃない!
私はまだ自分のハッピーエンドを見つけていない!
私は私のやりたい事を見つける。それが私のハッピーエンド!
見てて、かぐや。私のハッピーエンドを!
めでたしめでたし。
…と、『ドラえもん のび太の魔界大冒険』みたいなフェイクEDにウケた。
私のハッピーエンド。それが何なのか、まだ漠然。
でも、私の中の何かが曲を作れと言っている。
出来た曲を、月に向かって、届け、かぐやに!
遥か遠く、月でその曲を聞いたかぐや。またまた全てを捨てて、再び地球へ。
ハッピーエンドな再会!…にそんな都合良くなる訳ないか。
しかし、その時実は月で、驚きのハッピーエンドに向けて動いていた…。
ヤチヨの相棒でふわふわ可愛いFUSHIに導かれて、かぐやはある場所へ。
誰も立ち入らないような古アパート。その一室で、ハイテク機器に繋がれた宇宙船…?
FUSHIが驚きの真実を話す…。
彩葉の曲は月のかぐやに届いていた。
本当にかぐやは月での仕事などを秒で終わらし、またまた全てを捨てて、宇宙船に乗って地球へ。
ところが不運で宇宙船は小惑星にぶつかり、何もかも効かなくなった宇宙船は地球に落下。
一応地球に辿り着いたのだが、どうやらタイムトラベル機能も故障し、辿り着いたのは何と8000年前の日本…!
落下時の影響でかぐやは船から出られなくなり、そのままバーチャルと融合。その時が来るまで。その間、FUSHIが日本の歴史にアドバイス。
時は流れ流れ流れ、人々が目に見えないツールで繋がる時代に。
かぐやは仮想世界を創り、歌いながらまた巡り合えるまで待ち続けた。
彩葉がヤチヨの歌が好きで懐かしさを感じていたのもだから。かぐやの歌を聞いていたから。
ヤチヨはかぐやだった…!
何と壮大で、ちょいご都合主義でもある。
でも、これくらいの捻りとハイライトが無いと。
彩葉からすれば(おそらく)数ヶ月、しかしかぐや/ヤチヨからすれば8000年の時を経ての再会。
また2人が一緒に歌って、正直ここで終わって欲しかったな…。
10年後。天才科学者となった彩葉がアンドロイドでかぐやを復活させ、3人でライヴ!…はちと蛇足。8000年待ったヤチヨが不憫…。
ツッコミ所もありけり。最たるは、女子高生が古アパートから高級タワマンに引っ越し…? 幾らイケメンバーチャルアイドルの兄貴の財力とは言え…。
彩葉とかぐやの絆に焦点を絞ったせいか、母親との訳あり関係がちとおざなりに。
しかしアニメーション映画としては長尺の140分に、楽しさ、感動、友情、歌、SFなどをたっぷり詰め込んで。
自分の好きを詰め込んだ監督の山下清悟は『呪術廻戦』や『チェンソーマン』などのOPを手掛けたアニメーターで演出家であり、本作で長編アニメ映画デビューで業界から注目を集めているという。それをしかと見た。
劇場大スクリーンで観たかったくらいのクオリティー、面白さ。
そしてポジティブさ。ハッピーエンドは自分で作る!
ハッピーエンドからの超ハッピースタート!
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