「正体がばれたら終わりという緊迫感」ディパーテッド Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
正体がばれたら終わりという緊迫感
総合:80点
ストーリー: 80
キャスト: 85
演出: 80
ビジュアル: 75
音楽: 80
なんでも『インファナル・アフェア』という香港映画の再映画化だそうですが、この作品を知らずに見ています。しかも本来長い映画らしいのに、地上波での放送を見たのでかなりカットされた部分もあるのではないかと思います。そのためこの映画を完全に理解したとは言えないかもしれない。
ギャングと警官がお互いを知らずに相手組織に潜入し、そこで綱渡り的な任務を取る。何事も思い通りに行くことなどなくて、1つ不測の物事がおきるたびにその場での正しい決断を求められる。その緊張感はそれなりにあったと思うし、豪華な俳優陣が迫力を出していた。総合的には面白いと思います。
でもディカプリオが最後のほうで医者に渡した封筒は何だったのか、その封筒を医者はどう扱ったのか。最後に部屋で待っていた元上司の刑事はデイモンの正体を知った上での待ち伏せだったのか、もし知っていたならば警察を辞めたのにどうやって知ったのか。そのあたりがちょっと釈然としません。
ボストンが舞台ということで、在住経験のある私としてはボストンの見覚えある場所がいくつか出てきて感慨深い。
追記
原版の『インファナル・アフェア』を観て、さらに本作品もBS放送のノーカットで再度観てみた。
迫力のある演出に改めて感心した。ねずみは互いに2匹いたとか、前回は気が付いてなかったいくつかの設定があることに気が付くことが出来た。他人を利用すること・切り捨てることへの躊躇が全く無いディモン演じるサリバンの冷酷な悪人ぶりがよくわかる。苦悩しながら生きるディカプリオとの対比が面白い。
物語は時々わざと事実を明らかにせずに示唆するだけで曖昧にして想像をさせるようにしているが、やはり一部の分り辛さは残る。しかし観直すことでより深い理解が得られてより面白く感じられた。