「真逆の潜入者」ディパーテッド odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
真逆の潜入者
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香港映画のリメイクだがマサチューセッツの実際のアイリッシュ・マフィアとFBIの癒着事件などのスキャンダルに着想を得て含みのある潜入捜査ものに仕上がっている。
マフィアといえばイタリア系だが実はアイルランド系ギャングはアメリカで最も古い犯罪組織だから、こちらを描いた映画なら「ゴッドファーザー」に対抗できると製作陣は読んだのだろうか。
リメイクものだし、スコセッシ監督は脚本を読むまで乗り気ではなかったようだがオスカーまでとってしまうのだから恐れ入る、俳優陣がディカプリオ、マット・ディモン、ジャック・ニコルソンとくればそれだけで物凄い映画、ただそれぞれが主役級だから見せ場を用意する都合からでしょうか2時間半もの長丁場になってしまいました。
マット・ディモンのコリンが子供のころからジャック・ニコルソンのギャングのボスに可愛がられるプロットはロバート・デニーロ初監督の「ブロンクス物語(1994)」に似たような話、マフィアも子飼いから育成とは用意周到。警察学校を出たばかりの二人の若者が真逆の潜入者という数奇な運命がこの物語の味噌なのでしょう。
いつばれるのかとさんざん気を揉ませた挙句、題名のディパーテッドどおり皆、旅立ってしまいました、この辺の刹那的な展開はスコセッシ監督ならではの持ち味なのでしょう。
それにしても2時間半はちょっと長すぎ、二人の接点がセラピストって世間が狭すぎ、麻薬より軍事機密を中国に売られてしまった方が大事なのにさらっと流してはまずいでしょう、終盤になってやたら同じ穴のネズミがでてくるのも奇をてらい過ぎに思えました。
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