ホワイトハンドコーラスNIPPON Brüderよろこびのウィーン

劇場公開日:2025年12月12日

解説・あらすじ

すべての子どもに開かれたインクルーシブな合唱団「ホワイトハンドコーラスNIPPON」の挑戦を追ったドキュメンタリー。

2019年に設立された「ホワイトハンドコーラスNIPPON」には、ろう者、難聴、全盲、弱視、車いすユーザーなど多様な子どもたちが所属し、手話で歌う「サイン隊」と声で歌う「声隊」がともに曲を奏でる。2021年、東京芸術劇場で世界的オーケストラ「バッハ・コレギウム・ジャパン」との共演を成功させた彼らは、それ以来、ベートーベンが「第九」を生んだ地・ウィーンで歌うことを夢みてきた。そしてついに2024年、バリアフリーの国際賞「ゼロ・プロジェクト・アワード」を受賞し、オーストリア国会議事堂とウィーン国連事務局での演奏が実現。ドイツ語の歌詞を手話を使って表現する「手歌」で奏で、新たな「第九」の表現を切りひらいた。

写真家の田頭真理子は、手歌を奏でる子どもたちの指先に光を灯して撮影し、「目で見る第九」として記録。その作品はウィーンで開催した写真展「第九のきせき」にて発表され、音楽の可能性を視覚にまで広げた。本作ではそんな彼らの挑戦の軌跡を4年間にわたり追い、誰ひとり取り残さない音楽で平和を願う姿を映し出す。

2025年製作/99分/日本
劇場公開日:2025年12月12日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
池田圭祐
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(C)一般財団法人さわかみ財団 / 2025

映画レビュー

4.5 出会いと体験は人生を変える

2025年12月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

出会いと体験は人生を変えるということが伝わってきました。

この活動に参加している子どもも大人も1人1人が、手歌との出会い、歌や音楽との出会い、ベートーヴェンとの出会いから、自分のいままでの人生の歩みを見つめ、深めている姿が印象的でした。

また子どもたちが「第九」の歌詞を自分自身と重ねて、苦しみや悲しみ、痛みも含めて、「よろこび」になっていくことを実感していく様子も心に残りました。
人生の豊かさとは、そのような「よろこび」があるかどうかかなと思いました。

ホワイトハンドコーラスを追ったドキュメンタリーは2作目ですが1作目を観ていなくて、十分楽しめます。

いまは吉祥寺のアップリンクでしか観られませんが、他の地域でも上映されて、たくさんの人が観られる機会が持たれたらいいなと思います。

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ハルンタ

5.0 巨匠たちの「第九」を超えて。子どもたちが体現した、真の『自由』

2025年12月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

幸せ

これまでカラヤン、バーンスタイン、小澤征爾、そして佐渡裕といった名だたる巨匠たちが指揮する、完璧に磨き上げられた「第九」を何度も聴いてきました。しかし、これほどまでに魂を揺さぶられ、涙が込み上げる合唱は初めてでした。

この映画が描くのは、単なる「障がいのある子どもたちの奮闘記」ではありません。視覚や聴覚、それぞれに異なる「障がい」という個性を抱える子どもたちが、ベートーヴェンの第九という大きな目標に向かって、魂を共鳴させていくプロセスそのものです。

ベートーヴェンがこの曲に込めた、人類愛、普遍的な歓喜、そして自由。 「すべての人は兄弟になる」という彼の切なる理想が、障がいという垣根を超えて繋がろうとする子どもたちの姿と重なって見えました。

耳が聞こえない子は「手歌」で音楽の躍動を可視化し、目が見えない子は誰よりも深く心の声を響かせる。その「違い」を無理に矯正するのではなく、互いの個性を認め合い、一つの大きな「歓喜」へと昇華させていく。その光景は、ベートーヴェンが夢見た「自由な魂の連帯」の具現化そのものでした。

これまでの人生で、オーケストラの伝統や形式が生み出す名演をいくつも体験してきましたが、この映画で子どもたちが歌い上げた「第九」は、私にとって間違いなく一番泣いた合唱です。音楽とは、技術ではなく、命の共鳴なのだと教えられた気がします。

映画館を出ると、クリスマスのイルミネーションが雨に輝く夜でした。「年末といえば第九」と、これまで何度も向き合ってきたこの季節ですが、今年の年末、私の耳の奥で鳴り続けるのは、あの沈黙の中に力強く舞った「手歌」の第九に違いありません。

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Dvorak

5.0 信じることの大切さ

2025年12月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

幸せ

1作目を観ており、2作目公開と知り、公開すぐに親子で観ました。登場人物の子どもたちも先生も…
お互いをリスペクトしていて…難しい楽曲へのチャレンジなのに、絶対やってのけると信じていて…子どもを信用しきれず、すぐに手伝ってしまう日頃の自分の辛抱の無さを反省いたしましたwあたらしい表現を使い、音楽の世界に没頭するろう者の方々を観ていたら固定概念がぶち壊されます。本当に誰もが参加できる音楽がここにあるんだ…それを日本の子どもたちが世界へ届けて…第九の生まれた土地の方が…ヨーロッパにもっと広まってほしい…と話していたシーンで号泣しました。本当にすごいことを成し遂げた子どもたちに、大きな拍手を送ります!!
そして、その子どもたちを信じて、大変な道のりを引っ張られたコロンえりかさんやスタッフの方々に大きなエアハグを送ります!!ブラボー‼️

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uk

5.0 先入観を捨てて、ぜひ観てほしい一本です。

2025年12月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

ドキュメンタリー映画は難しそう、という先入観を持ってましたが、実際にこの作品を観てみたら、考えが変わりました。
明るく、前向きに、一生懸命に目標に向かって取り組む姿に、一気に引き込まれ、途中から感動で涙が止まりませんでした。
特に印象に残ったのは、登場する皆さんがとてもいい顔をしていることです。
その生き生きとした姿に胸が熱くなりました。
そして、観終わったあと、いい作品だったなと、しばらく余韻が続きました。
たくさんの人に観てもらいたい映画です。
そして、この活動がもっと多くの人に広まったらいいなと思いました。

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Patty