雌鶏
解説・あらすじ
2025年・第38回東京国際映画祭コンペティション部門上映作品。
2025年製作/96分/ギリシャ・ドイツ・ハンガリー合作
原題または英題:Kota
スタッフ・キャスト
- 監督
- パールフィ・ジョルジ
- 製作
- タナシス・カラタノス
- コスタス・ランブロプロス
- マルティン・ハンペル
- ヨルゴス・キリアコス
- 脚本
- パールフィ・ジョルジ
- ルットカイ・ジョーフィア
- 撮影
- ジョルゴス・カルベラス
- 美術
- コンスタンディノス・ザマニス
- 編集
- レムヘーニ・レーカ
2025年・第38回東京国際映画祭コンペティション部門上映作品。
2025年製作/96分/ギリシャ・ドイツ・ハンガリー合作
原題または英題:Kota

瀧内公美、東京国際映画祭ナビゲーターとして説く映画祭の魅力&映画への熱い思い
2025年10月26日
坂下雄一郎×中川龍太郎 コンペティション部門“初選出”の思いを語る【第38回東京国際映画祭】
2025年10月15日《東京国際映画祭にて鑑賞》
ニワトリの視線で描かれたロードムービー。
想像以上に面白かったです!
思わず頭の中で勝手に吹き替えをしました。
雌鶏から見た世界を終始考える時間です。
鳴きながらテチテチ歩く姿と無の表情に
会場からは笑いが何度も起こっていました。
ユーモアの中に明確な社会テーマがあり、
不法移民と鶏の姿が重なり合う深い作品。
追われ、捕らえられ、閉じ込められ、脱出。
相手を探して子を産むという平行線。
死についての感情もお互い同じ。
人が鶏の死に興味がないように
雌鶏も人の死に興味がない。
果たしてセカンドチャンスを与えられたのは
人間か?鶏か?
エンドロールまで是非観てほしい!
切ない場面もあったので今まで以上に
卵に感謝していきたいと思います。
上映後のプロデューサーさんのトークにて
3人のトレーナーにトレーニングされた
雌鶏8羽とスタントチキンまでいることが判明!
もう色々びっくりです。
主演女優の雌鶏さん、お疲れ様でした🐓
ニワトリの視線を通して人間模様や社会の構造・問題をシニカルに活写。
TIFFの公式ガイドでは「奇想天外な作品」と紹介されていたが、言葉を喋らない動物主観の作品だと既に『戦火の馬』や『EO イーオー』があり、内容も人間の滑稽さを描いた『EO イーオー』と似ているので、目新しさ自体はそんなにない。
ただ、『EO イーオー』にもあったシニカル描写はこちらではブラックの域に達しており、中盤ではニワトリが原因で(といっても本人〈本鶏?〉は悪気がないんだけど)笑うに笑えない展開になったりもしている。全身の毛が黒いというだけで排除されてしまったニワトリの復讐…と強引に解釈するとしても、ランニングタイム88分の『EO イーオー』よりわずかに長い96分でも、全体的に冗長に感じてしまった。
でも、CGを使わずに本物のニワトリ8羽を使って撮った努力に敬服するし、時おりニワトリがワーナーアニメのロードランナーとダブって見えたのが面白かった。