落下の王国 4Kデジタルリマスターのレビュー・感想・評価
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想像の翼がもたらす唯一無二の宇宙
入院中って退屈なんですよね。特に骨折とか外科系の、患部以外元気な場合はなおさら。
1915年のLAですから、スマホどころかポータブルラジオもまだ普及前だろうし、書物はあったでしょうけど子供にはハードル高い。手っ取り早く退屈をしのげるのは、お絵描きかお話になりますね。
あとは想像力。ストーリーの末節や辻褄の合わなさは目をつぶって、いかに独自の世界に浸れるか。
まさにお絵描きを究極まで突き詰め、おとぎ話の摩訶不思議を見せてくれた制作陣に感謝!
圧倒的な様式美と芸術センスはそれだけでも後世に語り継がれるべき作品です。
アレクサンドリアが可愛い
入院中のロイのベッドに潜り込みお話をきかせて貰うアレクサンドリア。
なんとかロイの願いを叶えようと奮闘するところが可愛く、いじらしい。
ロイの語る物語が映像によって美しく壮大に描かれていて見応えがある。
アレクサンドリアの初恋の相手はロイなんだね。
とにかく映画館に行ってください。過小評価された永遠の名作。
私Anarchistは普段は再上映作品はレビューしない。今回はどうしても皆さんに言いたい。頼むから上映が終わる前に劇場で鑑賞してくれ。映画が成せる奇跡が沢山詰まったこの作品を劇場で鑑賞しないのはあまりにも勿体無い。映画好きならマストな作品だ。私のように昔見たという人も改めて劇場に足を運んでくれ。こういう映画こそ高く評価されて興行収入が伸びるべきだ。ターセム監督はとにかく過小評価されている監督だ。今作はその中でも最も過小評価されてきた作品。ファンタジー映画の大傑作だ。破滅の道を突き進むスタントマンと悲しい過去を背負いながら病院で暮らす少女の温かい友情の物語り。泣けます。とにかくCGを一切使わないロケ地に命をかけた映像があまりに凄すぎて圧倒される作品。
もう20年近く前の作品だが現在ではプレミア価格がついてしまって購入できてない人が沢山いる。それ自体があり得ない。必ず再発売してください。永遠に終わらないで欲しいと願う映画なんて殆ど無い。この映画に関しては言葉では言い表せない幸福感と同時に寂しさが残る。
変に格好つけずにピュアな心を持って鑑賞すればこの映画に星5つ以下は付けることなどあり得ない。星は5つでも足りない。
ビジュいいじゃん
予備知識なしで初めてみた「落下の王国」
「落下の王国 4Kデジタルリマスター」をHTC有楽町で観た。(2006年)本作のこと初めて知りました。相方の強い要望があったので予備知識なしだけど一緒に観ました。
(あらすじ)
1915年。映画の撮影中に橋から落ちて大怪我を負ったスタントマンのロイは、病室のベッドで絶望の淵にあったが、病室で5歳の無垢な少女アレクサンドリアに出会う。彼女は木から落ちて腕を骨折していた。ロイは動けない自分の代わりに、少女に薬剤室から自殺用の薬を持ってこさせようとして、彼女の気を引くために即興の冒険物語を語り始める…。
アート系映画と思いきや、映画愛に溢れた壮大な愛と復讐の叙事詩ストーリー。CGに頼らず13の世界遺産と24カ国以上で4年以上も撮影するって現在では不可能だろう。緻密に計算されたスペクタクルな風景描写は眩暈がするほど美しかった。
(蝶々🦋の姿が海洋に浮かぶ諸島に変化するあのシーン、驚くほど素晴らしかった!)
メヴレヴィー教団の旋回舞踊のシーン、美しい舞踊だが恍惚感があり、気持ちよくなり本当に眠くなった。全編に渡りバッキバッキに美しい構図のカットの連続は眠りを誘うマジックがあった(とても困る)
少女アレクサンドリアの無垢で愛くるしい表情が魅力的。自殺用の薬、モルヒネ3錠のみを持ってくるウィットにクスッと笑ってしまった。よく考えたら彼女が腕を骨折したのは、家族の生活の為に木からオレンジ🍊を採取していた際の事故であることも想像できる。児童労働させられていたという事だろう。
ロイが即興で話すストーリーの映像にアレクサンドリアのような少女が出てくるあのシーケンス、現実と空想のストーリーがクロスオーバーして溶け合う瞬間の豊かさも好きだ。
原題の”The Fall”というのは、スタントマンの落下が作り出すアクション=映画の魅力そのもの。
他にも斬られた男たちが落下するシーンの美しさも素晴らしかった。
終盤での古い映画のコラージュは映画愛へのオマージュでもあった。アート系映画と思って観ていたが普遍的な着地に感動してしまった。
美しい映像
映像美は言うまでもなく……
17年ぶりの復活上映って凄いね。
映画サイトを流し見していたら「落下の王国」が目に止まった。そう言えばあさイチの映画コーナーで紹介されてたなぁ、。映像美と衣装が素晴らしいと言ってた。上映館を調べたら近くのシネコンでは今日が最終日でしかも1回のみの上映。ネット予約もまずまずの入り。席を確保し勇んで観に行った。
2006年に製作された作品を4Kデジタルリマスターにしたとのことで、世界各地の美しい景色(海、砂漠、宮殿など)と登場人物の衣装は確かに素晴らしい、。物語はスタントマンのロイが少女のアレクサンドリアに語りながら進むのだが、ストーリーをちゃんと考えてしまうと(考えてはいけなかったんだが)、突然現実に戻ったりの揺り戻しが何度もあるので訳が分かんなくなり睡魔が襲ってきた(すみません)。それでも強引にアレクサンドリアが登場人物に加わるあたりから物語が動き出しいい感じで御伽話が終わる。ラストシーンは映画発祥の頃の白黒フィルムが流れ、古き良き時代と今をつないでくれた感じで気持ちよく鑑賞を観終えることが出来ました。
配信は何処もやってないようでもう一度、見直すことはできない。
それでも、いつかもう一度振り返って見てみたい。
本物の風景が紡ぐ、忘れがたい出会い
70点ぐらい。映像美
本当はスルーしようと思ってたんだけど、カルト的傑作とか幻の映画とかネットで読み、上映してるうちに観ておこうと1週おくれで観てみました。
『ザ・セル』と同じ監督だということは知っていたので予想していたけど、神秘的で幻想的な映像美。
やはり『ザ・セル』っぽい、そして『ザ・セル』と同じく眠くなる(笑)
この映画のウリは何はともあれ映像美で、大スクリーン映えする広大な砂漠など、IMAXレーザGTなどの大きいスクリーンで観たら最高だと思う。
これから観る方は、ぜひ大きなスクリーンを選んで下さい。
僕も大きなスクリーンで観たけど、1番後ろの席だったので今度は前の方で観ようかと思っております。
1週おくれのレイトショーだったけど、いっぱい人が入っていて人気がありました。
【今作は圧倒的な色彩美とシンメトリックな構図美の中で描かれる実在する世界遺産を背景にした数々の落下シーンに引き込まれる、想像力と生の尊さ、大切さを暗喩的に劇中劇で描いた逸品なのである。】
ー 劇場に入る際に、今作が公開された時のフライヤーを頂く。凄く嬉しい。
そして、映画の劈頭、プロデュース:デヴィッド・フィンチャー、スパイク・ジョーンズとテロップが流れる。それを見て、期待は益々膨らむのである。
そして、その後に描かれる二つの物語に物凄い勢いで没入していくのである。この美しい映画を大スクリーンで観ている僥倖感に包まれながら・・。-
■1915年。アメリカの或る町の病院。
撮影中の映画で、橋から落下するアクションをした際に足に大怪我をしたスタントマンのロイ(リー・ペイス)は傷心のまま、ベッドに横たわる日々。
そこに現れたのは、オレンジを取ろうとした際に落下し、腕を折った少女アレクサンドリア。ロイはアレクサンドリアの気を引き、”或ることを依頼するため”に壮大な「復讐の作り話」を聞かせて行くのである。
その「復讐の作り話」は、イタリアの非道な総督オウディアスにより愛する者を失ったり、誇りを傷つけられた6人の勇者たちが力を合わせて復讐していく物語だったのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・上記の様に物語は、病院内でのロイがアレクサンドリアに「復讐の作り話」を聞かせながら、自殺の為の”モルヒネ”を取りに行かせようとする物語と、劇中劇の「復讐の作り話」とが並行して描かれていく。
■特筆すべきは、この「復讐の作り話」の”圧倒的な色彩美とシンメトリックな構図美”である。
それは紺碧の空の下、砂漠が広がるシーンであったり、シンメトリックなタージ・マハル廟を背景にした総督オウディアスの許嫁、エヴリン姫(ジャスティン・ワデル)に銃口を向けた黒山賊((リー・ペイス:二役)の銃弾が姫の胸の装飾に留まるシーンであったり、プラハ城を舞台にした戦いのシーンであったり、スケール感も十分な世界観である。
この「復讐の作り話」の数々のシーンは、是非とも大スクリーンで鑑賞したいモノであり、観れば僥倖感を感じる事間違いなしである。
そして、”豪勢な映画を観ているなあ・・。”という満足感にも浸れるのである。
・ロイがアレクサンドリアに「復讐の作り話」を聞かせながら、彼女が高い所に置いてあるモルヒネの瓶を取ろうと、椅子の上に立って踵を上げるシーンでも、彼女が椅子から”落下”するシーンがしっかりと描かれるのである、スローモーションで・・。
・今作では、ロイは自らがアレクサンドリアに「復讐の作り話」を語る中で、その作り話から、生きる力を得て、生きる気持ちを取り戻していく”二重螺旋の構造”も、大変に宜しいのである。
<今作は”圧倒的な色彩美とシンメトリックな構図美の中で描かれる数々の落下シーン。”の壮大な世界観に引き込まれる、想像力と生の尊さ、大切さを暗喩的に劇中劇で描いた逸品なのである。>
映像 > 物語
構造が面白い
◇ 物語の雫から広がる映像の波紋
なぜ人は物語を語り始めたのか。
それは、抱えきれない思いや痛みを目を閉じて別の姿へ作り替え、心の中で扱える大きさに整えるためだったのかもしれません。『落下の王国』における男の語りは、その原初的な営みを思い起こさせます。少女の想像力を受けて形を変えながら、物語は二人の間にそっと居場所をつくり、弱った心を支えるための柔らかな足場となっていきます。
そして、目を閉じて生まれた物語が、目を開いたときに“映像”として立ち上がり、ダイナミックに広がってゆく過程こそ、本作の魅力の中心なのです。
煌びやかな映像によって、語られた物語が心の内側で変換されていくプロセスそのものが、風景の広がりや色彩の濃淡を通じて大胆に視覚化されています。言葉で抱えきれなかった感情の気配が、画面の奥行きや構図の静けさとして漂い、物語と映像が、互いを補い合うように連なって包み込んでくれるような感覚になりました。
その映像表現の広がりのなかで、“落下”というモチーフが随所に静かに散りばめられています。
落ちていく身体は死や悲しみの象徴でありながら、語り部と聞き手の心の交流を経て、どこか解放や再生のイメージへと昇華していくようでもあります。
鑑賞後には、映像と言葉のあわいに宿る“物語の力”が静かに胸へ流れ込み、心の奥で小さな振動のような感動が残っていました。
物語が本来秘めている、人の心を揺らす力。その力が映像によって再構成され、潜在意識に届けられる──その体験が、この作品ならではの深い余韻を生んでいるのでした。
先週4Kで見損なったので今週は週半ばにはしっかり予約したが今週末か...
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