劇場公開日 2025年11月21日

「絵の力だけでは持たない」落下の王国 4Kデジタルリマスター 水原秀策さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 絵の力だけでは持たない

2025年12月1日
iPhoneアプリから投稿

美点の多い映画だ。誰しも指摘するように映像は本当に素晴らしい。単に美しいだけではない。見たことのない「絵」が次から次へと出てくる。矢を背中から打たれてから刺さった矢がテーブルの脚のようになって身体を浮かせるのとかね。斬新だ。

また子役の演技も加点材料。ナチュラルで魅力的。いつも思うが邦画が一番差をつけられてるのは子役の演技じゃないだろうか。

細かいこと言うとラストもあっさりしてて良かった。あの女の子とスタントマンを直接再会させなかったのはうまい。会えるのはあくまでも映画の中だけという。かすかに切ない感じもgood。

じゃあ手放しで絶賛できるかというと……劇中劇がいくらなんでも凡庸すぎて退屈だった。
子供に聞かせる話なのである程度は構成上しかたないんだろう。だとしたらもっと短くしてくれないと。ダルい。
上に書いたことと矛盾するようだが、「絵」がいくら素晴らしくても、その力だけで2時間は引っ張れない。隣の観客がしきりにあくびをしてたのも仕方ないかなと。

それと話のテーマもスタントマンとはちょっとズレてたような。この話、「物語」についての話だよね。正確に言うと「フィクションを語ること」についての話であって主人公がスタントマンというのはちょっと違うような。作家とか脚本家、監督じゃないとね。

水原秀策
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