劇場公開日 2025年11月21日

「予備知識なしで初めてみた「落下の王国」」落下の王国 4Kデジタルリマスター くまねこさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 予備知識なしで初めてみた「落下の王国」

2025年11月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

「落下の王国 4Kデジタルリマスター」をHTC有楽町で観た。(2006年)本作のこと初めて知りました。相方の強い要望があったので予備知識なしだけど一緒に観ました。

(あらすじ)
1915年。映画の撮影中に橋から落ちて大怪我を負ったスタントマンのロイは、病室のベッドで絶望の淵にあったが、病室で5歳の無垢な少女アレクサンドリアに出会う。彼女は木から落ちて腕を骨折していた。ロイは動けない自分の代わりに、少女に薬剤室から自殺用の薬を持ってこさせようとして、彼女の気を引くために即興の冒険物語を語り始める…。

アート系映画と思いきや、映画愛に溢れた壮大な愛と復讐の叙事詩ストーリー。CGに頼らず13の世界遺産と24カ国以上で4年以上も撮影するって現在では不可能だろう。緻密に計算されたスペクタクルな風景描写は眩暈がするほど美しかった。
(蝶々🦋の姿が海洋に浮かぶ諸島に変化するあのシーン、驚くほど素晴らしかった!)

メヴレヴィー教団の旋回舞踊のシーン、美しい舞踊だが恍惚感があり、気持ちよくなり本当に眠くなった。全編に渡りバッキバッキに美しい構図のカットの連続は眠りを誘うマジックがあった(とても困る)

少女アレクサンドリアの無垢で愛くるしい表情が魅力的。自殺用の薬、モルヒネ3錠のみを持ってくるウィットにクスッと笑ってしまった。よく考えたら彼女が腕を骨折したのは、家族の生活の為に木からオレンジ🍊を採取していた際の事故であることも想像できる。児童労働させられていたという事だろう。

ロイが即興で話すストーリーの映像にアレクサンドリアのような少女が出てくるあのシーケンス、現実と空想のストーリーがクロスオーバーして溶け合う瞬間の豊かさも好きだ。

原題の”The Fall”というのは、スタントマンの落下が作り出すアクション=映画の魅力そのもの。
他にも斬られた男たちが落下するシーンの美しさも素晴らしかった。
終盤での古い映画のコラージュは映画愛へのオマージュでもあった。アート系映画と思って観ていたが普遍的な着地に感動してしまった。

くまねこさん
talismanさんのコメント
2025年12月3日

アレクサンドリアがロイと同じ黒服で登場する「物語」後半のシーンは、現実とお話が混淆する世界で、お話を聞いている子どもの気持ちに共感できて大好きです!

talisman
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