「【今作は圧倒的な色彩美とシンメトリックな構図美の中で描かれる実在する世界遺産を背景にした数々の落下シーンに引き込まれる、想像力と生の尊さ、大切さを暗喩的に劇中劇で描いた逸品なのである。】」落下の王国 4Kデジタルリマスター NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【今作は圧倒的な色彩美とシンメトリックな構図美の中で描かれる実在する世界遺産を背景にした数々の落下シーンに引き込まれる、想像力と生の尊さ、大切さを暗喩的に劇中劇で描いた逸品なのである。】
ー 劇場に入る際に、今作が公開された時のフライヤーを頂く。凄く嬉しい。
そして、映画の劈頭、プロデュース:デヴィッド・フィンチャー、スパイク・ジョーンズとテロップが流れる。それを見て、期待は益々膨らむのである。
そして、その後に描かれる二つの物語に物凄い勢いで没入していくのである。この美しい映画を大スクリーンで観ている僥倖感に包まれながら・・。-
■1915年。アメリカの或る町の病院。
撮影中の映画で、橋から落下するアクションをした際に足に大怪我をしたスタントマンのロイ(リー・ペイス)は傷心のまま、ベッドに横たわる日々。
そこに現れたのは、オレンジを取ろうとした際に落下し、腕を折った少女アレクサンドリア。ロイはアレクサンドリアの気を引き、”或ることを依頼するため”に壮大な「復讐の作り話」を聞かせて行くのである。
その「復讐の作り話」は、イタリアの非道な総督オウディアスにより愛する者を失ったり、誇りを傷つけられた6人の勇者たちが力を合わせて復讐していく物語だったのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・上記の様に物語は、病院内でのロイがアレクサンドリアに「復讐の作り話」を聞かせながら、自殺の為の”モルヒネ”を取りに行かせようとする物語と、劇中劇の「復讐の作り話」とが並行して描かれていく。
■特筆すべきは、この「復讐の作り話」の”圧倒的な色彩美とシンメトリックな構図美”である。
それは紺碧の空の下、砂漠が広がるシーンであったり、シンメトリックなタージ・マハル廟を背景にした総督オウディアスの許嫁、エヴリン姫(ジャスティン・ワデル)に銃口を向けた黒山賊((リー・ペイス:二役)の銃弾が姫の胸の装飾に留まるシーンであったり、プラハ城を舞台にした戦いのシーンであったり、スケール感も十分な世界観である。
この「復讐の作り話」の数々のシーンは、是非とも大スクリーンで鑑賞したいモノであり、観れば僥倖感を感じる事間違いなしである。
そして、”豪勢な映画を観ているなあ・・。”という満足感にも浸れるのである。
・ロイがアレクサンドリアに「復讐の作り話」を聞かせながら、彼女が高い所に置いてあるモルヒネの瓶を取ろうと、椅子の上に立って踵を上げるシーンでも、彼女が椅子から”落下”するシーンがしっかりと描かれるのである、スローモーションで・・。
・今作では、ロイは自らがアレクサンドリアに「復讐の作り話」を語る中で、その作り話から、生きる力を得て、生きる気持ちを取り戻していく”二重螺旋の構造”も、大変に宜しいのである。
<今作は”圧倒的な色彩美とシンメトリックな構図美の中で描かれる数々の落下シーン。”の壮大な世界観に引き込まれる、想像力と生の尊さ、大切さを暗喩的に劇中劇で描いた逸品なのである。>
共感ありがとうございました。
夢想世界の甘美な死は偽薬でしかない。現実は苦いが無垢な心に触れれば勇気を得られる。
おデブちゃんは最初で最後の映画出演だとか。
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