「Bygone」フライト・フォース 極限空域 ブレミンガーさんの映画レビュー(感想・評価)
Bygone
航空機内パニックものなんて劇場で公開される方が珍しいのでそりゃあ観に行きますとも。
色んなアプローにができる作品だからこそ、今作はどんなものを観せてくれるのかなぁと。
人間ドラマがめちゃくちゃ怠かったりはしましたが、とんでもアクション&パニックの連続で尻上がりに面白くなっていきました。
序盤のキャラ見せは結構ダラダラとやるので、早いところ進めて欲しいのにメロウなドラマがあったり、後々の伏線であろうテロリストたちの行動もベタすぎるというか面白みがなく…。
なんなら娘の事故の原因って主人公の癇癪が原因かい…といった言い方は悪いですが余計なドラマが挟まってきてかなりモヤモヤしました。
不慮の事故とかでも全然なんとかなっただろう展開ですし、その後の展開がぶっ飛んでいるので、設定が地に足つきすぎていたのはもったいなかったです。
舐めてた相手が実は激ツヨなタイプの作品で、ハオジュンがガンガン打撃をかましまくってくれるので、そこまでに溜まっていた鬱憤を晴らしてくれる爽快感は確かにありました。
全体的にアクションの切れ味は良さそうなのに、暗かったりカットしまくってたりしていて超観づらかったです。
シンプルに打撃やキックを観たいのに別の視点に移ったり、物を飛ばしてなぜか視界が隠されたり、無駄に連続カットが入ってきてその度に集中が切らされたりとで編集なのか元の撮影からなのか、元の良さを消すものばかりで残念でした。
かなり残虐な殺し方が多いのでもっと観せてくれたっていいのになと焦らされていました。
テロリスト側がメインのマイク以外は正直没個性というか、使い捨てというか…もっと多種多様な技を使って欲しかったですし、もっとタフネスであって欲しかったです。
ただハオジュン相手は分が悪いかなというところで納得もできます。
この手の作品で銃やらナイフやらをどうやって持ち込むかのカラクリがどうなっているのかも気にしているんですが、今作はその描写がほぼなく、それでいてエゲツない数の銃を持ち込めているので、検査何もしてないやんというツッコミが捗ってしまいました。
墜落する流れになってからのド派手にど迫力な展開はフィクションならではのやりたい放題でめちゃくちゃ面白かったです。
社長がなぜかパイロットの訓練を受けていて、めちゃくちゃ難しいであろう作業をしっかりやり切っていて良かったですし、どうやって着陸させようかというアイデアの中に、前輪をトラックの荷台に乗っけて安定させようとかいう素人目にも無理じゃない?と思えるものですらできらぁ!なテンションでやり出すのがめっちゃ良かったです。
そんなに長い間紐オンリーで空中にいられねぇよとか、スカイダイビングの伏線の回収が見事だなと中々に大味ですが良い味が出ていました。
前輪の近くで指示を出すアクティブなハオジュンに、それに応える運転をこなす社長、陸上ではトラックを爆走させ着陸を全力サポートする運転手たちととんでもないスケールの話が繰り広げられるのでめちゃくちゃ手に汗握る展開で激アツでした。
ベタですが親子の再会、復縁ってのも良いです。
エンドロールでは制作模様やアクションの裏側なんかが映されており、飛行機実際に作って撮ってたり、トラックも走ってたり、空中飛んでたりと作り手の本気が伝わってくるものでとても良かったです。
やっぱド派手なものは景気が良くて気持ち良いです。
もっとたくさん輸入してきてくださいな。
鑑賞日 11/25
鑑賞時間 12:15〜14:18
