「前半ハラハラ、中盤飽き飽き、後半ゾクゾク、ラストゲラゲラ笑」WEAPONS ウェポンズ HARUAさんの映画レビュー(感想・評価)
前半ハラハラ、中盤飽き飽き、後半ゾクゾク、ラストゲラゲラ笑
1クラス17人の生徒が謎の失踪を遂げたことにより親達から不信感を抱かれた不憫な教師ジャスティンは独自に失踪事件を追跡しようとクラスで唯一失踪しなかったアレックスに近づくため彼の家の前で車中待機していた。
すると突然家の中から出てきた変なババアが車の中にそっと侵入して寝ていたジャスティンの髪の毛を切り取ったのだった。
何故、ババアはジャスティンの髪の毛を切り取ったのかそこでは解説されずに物語の視点は変わっていく。
失踪した息子を探すアーチャー、ジャスティンと不倫していた警官ポール、浮浪者のジェームズ、校長のマーカス、そして最後にアレックスの視点という順番で展開されています。
以下ネタバレ含む感想です。
まずジャスティンが謎のババアに髪を切り取られるシーンは何か悪い魔術的な儀式で髪の毛が悪用されるのでは?とハラハラしながら考察しちゃいましたがその後のアーチャーとポールの章がぶっちゃけ話が平凡で飽きてしまいました。
しかし、ジェームズが窃盗するために侵入したアレックスの家の中に失踪した17人の生徒たちが見つかったシーンから急にテンポよく物語の展開が進んでいきゾクゾクしました。グラディスが校長マーカスを傀儡させるシーンでおおよその伏線が回収されて「なるほど。そういうことか」とスッキリしました。またジャスティンを追いかけるマーカスの走り姿からアーチャーは失踪した子供たちと同じ走り方であることに気づきます。
アーチャーがジャスティンに失踪した子供たちの経路がある家で交差している地図を見せると彼女はその家がアレックスの家であることに気づいたのでした‼️
その後、2人はアレックスの家に向かい物語視点はアレックスに変わります。2人に悲惨な結末が待ち受けているのか…と危惧しましたがそんな心配はなくむしろラストは笑いと恐怖が混在した展開でした😆
何度もアーチャーにぶん殴られるジェームズが執拗に襲いかかるシーンは可笑しかったです。何回そのくだりやるんだよ(笑)
クライマックスではグラディスがアーチャーを傀儡化させジャスティンを殺そうとしたのも束の間、グラディスの傀儡魔術をアレックスが逆手に取り17人のクラスメイトを傀儡化しグラディスを襲わせます。
そしていよいよ待ちに待ったクライマックス終盤。
グラディスと子供たちの追いかけっこがもう荒唐無稽かつカオスすぎて滑稽でした。特に家の窓ガラスをお構い無しに突き破り突進してくる子供たちの血気迫るシーンはユーモア満載。グラディスが子供たちに襲われる場面は映画「グリーン・インフェルノ」を彷彿とさせました。いやースカッとした。
中盤の蛇足感は否めないけど物語後半の畳み掛けるような伏線回収と考察パズルのピースがハマっていく気持ちよさは痛快でテンポ良かったです。ミステリー:ホラーの比が8:2って感じです。
ウェポンズは人間兵器という意味。
私欲のために人が自由意思を奪われ傀儡されるのは人間としての尊厳が奪われるのに等しいでしょう。実際、劇中ではグラディスが死んだことにより17人の生徒たちとアレックスの両親は傀儡から解放されましたがしばらくは自由意思が無く意識が朦朧としたままでした。
たとえ、他人からの束縛を逃れられたとしても後遺症やトラウマは残るということを私はこの映画を通して感じました。
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