ダンサー・イン・ザ・ダークのレビュー・感想・評価
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ミュージカルに恐ろしい事は起きないわ
この映画、何故ミュージカルを取り入れたのか。何故カトリーヌ・ドヌーヴが出ているのか。
それは、ミュージカルが持つ大団円的なエンディングに対する強烈なアンチテーゼの為だろう。
大団円!皆んなハッピーでアガる!の対極。
カタルシスを一切排した、あまりにも暗すぎる結末。
トリアーはミュージカルの手法を用いて、皆をダウナーな感じにしてやろうという意地の悪い考え(褒めてます)がある様に思う。
この映画を観て不快だと思ったり、怒ったりするのは、トリアーからしてみれば、実に良い観客なのではなかろうか?
主人公の独りよがりなミュージカル
セルマがもう少し人の好意を受け入れて信頼すべき人を素直に頼り、アドバイスを受けいれていればこんな事にならなかった。
幾度注意されても、仕事中の妄想ミュージカルに耽る癖を止められずミスを繰り返すが、親身になって庇ってくれる友人もいて、
自分に想いをよせ尽くしてくれる男もいる。
なのに彼女はその友人のアドバイスも聞き入れないし、男も突き放す。
強い人間でありたいのはわかるけど、人間一人では生きていけないよ?現に友人がいなかったらとうの昔に解雇されてただろうし。
そしてよりによって息子の弱視を治療する費用を貯金していることを、借金の相談をしてくるような奴に打ち明ける。
そら狙われるわ('・c_,・` )
悲惨なラストだが、こういった彼女の不可思議な行動が頭にこびりついて、可哀想とか酷いとかの感情よりも正直ホッとしてしまった。
作中突然ミュージカルが発動するシーンが何回かあるが、回を増す毎にセルマの追い詰められていく精神を現実逃避のように描いてるようでミュージカルが嫌いな自分もここは圧巻。
ラストの為の終始カメラの手ブレ演出とは思うが、固定のシーンでさえブレさせ、スマホでとったのかな?レベルにしか思えない。
何回も見たいぞ!って作品ではないが、人生で一度は見るべき作品ではあると思う
頑なに…
ドキュメンタリー映画のような現実のシーンと、ミュージカルシーンとが交互に繰り返される。
セルマ(ビョーク)は、工場をクビにならないように、息子ジーンの手術代を稼ぐために、かたくなに目が見えないことを隠す。ミスをして工場をクビになったとき、職場の上司から新しい職場を探すという申し出があったが断った。友人ジェフの送り迎えも断り続けた。セルマは決して人を頼らない。息子を守るために、目が見えないということを友人のキャシー(カトリーヌ・ドヌーヴ)にも隠そうとした。
そして彼女の歌は続く・・・
どこまでも奇妙な作品だった。この作品は別の世界でこそあるものの三部作という位置づけになっておりそれらを観ていないこともあるのかもしれないが、自分には理解できず、ものすごく好き嫌いのわかれそうな印象が残った。
Selmaは息子のためだけに生きるただただ暗い人生を妄想という手段で切り抜けてきた。「ここは静かすぎる。」刑務所でそう言った彼女も、「心の声を聞け」という親友の言葉に遂に決して消えることのない音楽を自分の体内に見つける。そしてそれは彼女にとって「最後から二番目の歌」であり、それを歌ってこの世を去る彼女の舞台に終わりは訪れないのだ。最後にカメラが移動して見せる女性看守の姿は、それを聞き届けた彼女の舞台の観客、そして語り継ぐことで彼女をこの世界につなぎとめる存在なのかな。
しかし如何せんビョークの歌は聞いてもテンションがあがらないので普通のミュージカルのように気分は晴れないし、斬新だという手法の数々もあまり感性的に合わなかった。だいたい目が見えないと知らされるより母が殺人罪で処刑されると聞いた方が息子ショックだろうが。
ダンサー・イン・ザ・ダーク
見た後の疲労感は著しいです。
でも、それはやはり褒め言葉。
この作品を見たのは二度目。
初めて見た時の衝撃とゆうか、悲しみの度合いが凄まじくて二度目を迎えるまでに10年以上も掛かりましたがやはり時が過ぎて自分も多少は大人になり、だけど、やっぱりセルマの決断に母親になった今でも素直に頷けない自分がいました。
ビョークが全面に出たミュージカル映画。
当時からビョークが好きだった私は映像や音楽に引寄せられて、鬱々としたストーリーにも関わらず楽しく鑑賞できました。
セルマの目が見えてないのではないかとジェフが気づいたシーンでセルマが放ったセリフ。
「見るべきものがある?」
この一言で、私は涙が溢れました。
だけど、最後のシーンはやはり悲しすぎる。
けれど、美しい映画。
ビョークの歌声の素晴らしさ!
こんな悲しい映画はどうしてくれようと思うけれど、ビョークが好きな方、ぜひ見ていただきたいです。そうでない方も。
あまりおもしろくない
今まで観た中でもつまらない映画。
ダラダラと話が長すぎる。
ミュージカルが挟まり何が言いたいのかわからない。
殺しをしてからは話がトントン進み良かった。
息子への愛が感じられる。
“表現者”ビョーク
マイブームな欧州映画。
普通に生活してると一番馴染みがないというか敷居の高いヨーロッパですが、
あの繊細な感性はいくつも大陸を隔ててるのにとても日本人の肌に合うと思うのです。
ハリウッドも大っっ好きですが、ハリウッドは良くも悪くも「ハリウッド的」。
自分の中の新しいスイッチを押してくれるような発見が欧州映画にはたくさんあるので、
もっと観たいしもっとたくさんの日本人に触れてほしい。
この映画もドグマ95をほぼ体現してる+ジャンプカットを多様してる+ミュージカルということでとても新鮮でした。
アートです。
現実と空想の色調の変化にも注目してほしいです。
女優ビョークには表現するということについて深く考えさせられました。
恥ずかしながら私はこの映画を観るまで歌手ビョークのことを全然知りませんでした。
でもすぐに彼女の祈るような歌声に魅了されてしまいました。
歌だけじゃなく表情豊かな演技にも。
歌うことと演じることに隔たりを感じない、まさに表現者という言葉がぴったりの彼女。
なかなかあんなに心を丸裸にできるものじゃありません。
素晴らしかったです。
すごく好きな話かと聞かれたらそうではないけど、それだけで観る価値のある映画だと思います。
出演者が音楽を担当っていうのも“映画を一緒に創る”という感じがして好きなポイントです。
特にに歌詞が数字だけの歌、演出にものすごく惹かれました。
果たしてこのお話はハッピーエンドなのかバッドエンドなのか。
不思議と涙は出ませんでした。
本当にピュアで愛情深く義理堅いセルマ。
そして不器用で素直すぎるセルマ。
“いい人”な弱者が社会的にも本来の意味でも殺されてしまう救われないお話だけど、
彼女は何より大事な目的を果たして、恐怖も乗り越え納得して天国にいった。
私にはあの愛情は独りよがりなようにも思えました。
ジーンは目が見えなくなったってお母さんと一緒にいたかったのかもしれない、
遺伝するとわかっていても赤ちゃんを抱きたかったセルマと同じように。
ジーンにどうしたい?なんて聞いても辛い思いをさせるだけだから難しいんですけどね。
キャリーの厳しい優しさだって、セルマからしたら有難迷惑になるんだから愛情なんて元々独りよがりなのかもしれません。
(それにしてもキャリーは素敵な女性でした。看守さんも。)
そう考えると少しやるせないけどそういう上に家族があって社会がある。
そして○○のためなら、という愛情が各々にあるからそれが成り立つ。
シビアだけど暖かい。
子供を産むとまた見方が変わるのかもしれません。
目が見えないということは色んな障害の中で1番不安や孤独を感じるんじゃないかなと思います。
そして見えないからこそ感じる音や香や触感。
中でもやっぱり音楽の力は偉大だと思います。
セルマの空想にすごく納得してしまいました。
そしてある種の現実逃避だった歌を執行前に現実の世界で歌うシーンはすごく良かったです。
こうして映画を観れて考えて感想を書けるっていう何気ないことも本当に素晴らしいことだなと改めて思いました。
セルマは天国では人に上手に甘えれらるといいなあ。
今すごくミュージカルを見に行きたい!!w
納得
終始ドキュメンタリー風の映像で物語が進んでいきます。ちょいちょい入ってくる意味不明のミュージカルに始めはウンザリしたけど、後半に差し掛かるにつれ、なるほどそういうことか…と納得。セルマが自分でも言っていたけど、あまり強い人間じゃないからこその行動(妄想)だったんだなと。ラストも凄く衝撃的で凄い作品だとは思ったのですが、セルマが裁判で本当のことを言って徹底的に戦えば、状況も何か変わったのではないかという思いが残りました。
私にはセルマの考え方がわかる事はない。
自分に純粋さが欠けてるのか 超現実主義者なのか
セルマに共感できなかった。
裁判で真実を話そうとしなかったセルマ。
その為に死刑になってしまう・・・
この映画に感動したという人に「それは子供のためだから!」と言われた事がある。
子供は目が治ったとしても何より大事で必要な母を失う結果になった。
生き延びてこそじゃないの?
自分だったらあの身勝手なクソ隣人の為に犠牲になる気はない。
人によっては感動するところが無い映画。きれい事が苦手だからイライラする。
音楽は人を救えるのか?
この映画のラストシーンは、多分一生忘れないと思います。それくらい印象に残るラストでした。
僕は、この映画が公開されて、しばらく経ってから映画館に観に行ったので、いろいろと前評判は聞いていました。主演のビョークはアイスランド出身の歌手で、この映画のほとんどの曲を作っているんですけど、僕はこの映画を観るまでは、ビョークという歌手の事を全く知りませんでした。
でも、この映画を観終わって、すぐに映画のサントラのCDを買ってしまいました(笑)
映画の本編は、ドキュメンタリーっぽい映像で進みます。その中に、突然ミュージカルシーンが入るんですが、全く不自然には感じないし、逆にドンドン映画の世界に引き込まれてしまいます。
ビョークの歌声、表情、瞳。
時にはあどけない子供のような顔になったり、時には大人の女性の顔つきになったり。
映画を見ている間、すっかり主演のビョークの世界に浸かってしまったような感じでした。
ビョークの演じる主人公のあまりにも過酷な運命。ドキュメンタリータッチのストーリー部分とミュージカルシーンの映像の対比。主演のビョークの歌と演技。その全てが凝縮された「あのラストシーン」。
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は僕にとって、忘れられない映画の一本です。
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