「そして彼女の歌は続く・・・」ダンサー・イン・ザ・ダーク ちかしさんの映画レビュー(感想・評価)
そして彼女の歌は続く・・・
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どこまでも奇妙な作品だった。この作品は別の世界でこそあるものの三部作という位置づけになっておりそれらを観ていないこともあるのかもしれないが、自分には理解できず、ものすごく好き嫌いのわかれそうな印象が残った。
Selmaは息子のためだけに生きるただただ暗い人生を妄想という手段で切り抜けてきた。「ここは静かすぎる。」刑務所でそう言った彼女も、「心の声を聞け」という親友の言葉に遂に決して消えることのない音楽を自分の体内に見つける。そしてそれは彼女にとって「最後から二番目の歌」であり、それを歌ってこの世を去る彼女の舞台に終わりは訪れないのだ。最後にカメラが移動して見せる女性看守の姿は、それを聞き届けた彼女の舞台の観客、そして語り継ぐことで彼女をこの世界につなぎとめる存在なのかな。
しかし如何せんビョークの歌は聞いてもテンションがあがらないので普通のミュージカルのように気分は晴れないし、斬新だという手法の数々もあまり感性的に合わなかった。だいたい目が見えないと知らされるより母が殺人罪で処刑されると聞いた方が息子ショックだろうが。
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