「現実の悲劇と空想の喜劇」ダンサー・イン・ザ・ダーク TATOOTATさんの映画レビュー(感想・評価)
現実の悲劇と空想の喜劇
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目が見えないからと
その弱さに漬け込む卑劣で悪逆な人間と
殺されたからといって殺した者が必ずしも
悪ではないという真実
その真実に気付けずに事象と先入観だけで糾弾する
蒙昧な人間
つまり、見えている者が何も見えていないという
パラドックス
それら一切をフリにするかの如く、より鮮やかに映える
ミュージカルという演出。
彼女が愛してやまないミュージカルも目が見えないせいで
辞めるという苦渋の決断をした事が
結果、自身の減刑よりも息子の目の手術を優先させ
衝撃過ぎる最後へと繋がる。
目が見えないと大好きな踊りも出来ないことを自身が
一番よく分かってるからこその断腸の思い。
そんな、強い、強過ぎる、されど辛過ぎる母親を描く
素晴らしい愛と感動と若干の鬱が陶冶された
至高の作品でした。
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