劇場公開日 2021年12月10日

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「映画館で体感したい「不朽の名作」。4Kデジタルリマスター版を見て、改めて「悲しい」と「切ない」の違いを実感するミュージカル映画。」ダンサー・イン・ザ・ダーク 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5映画館で体感したい「不朽の名作」。4Kデジタルリマスター版を見て、改めて「悲しい」と「切ない」の違いを実感するミュージカル映画。

2021年12月10日
PCから投稿

本作は、2000年のカンヌ国際映画祭では最高賞のパルム・ドールを受賞しています。しかも、主演のビョークは主演女優賞を受賞しています。
音楽も担当したビョークの主題歌「I've seen it all」は、ゴールデングローブ賞とアカデミー賞で「歌曲部門」にノミネートされています。

正直、最初は割と単調で、やや退屈な雰囲気もあります。
ただ、物語が進むにつれ、作品の世界観がつかめると引き込まれていく強さがあります。
映像は、かなり独特でドキュメンタリー映画のようなカット割りが多用されたりします。
そして、本作の最大の魅力は、主人公の空想におけるミュージカルシーンでしょう。
衝撃的なラストも含め、この映画でこそ「切ない」という言葉を使うべきだと感じました。
主人公の境遇もさることながら、性格も含め、ただただ「切ない」のです。

そんな「不朽の名作」が4Kデジタルリマスター版として蘇りました!
しかも、日本での上映権は2022年6月で切れてしまうので、これが映画館で体感できる最後のタイミングとなりそうです。
フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴの姿から時に流れも感じますが、日本で興行収入24.2億円の大ヒットとなったのも納得です。
何度か見てみると、やはり本作のメリハリの利いたミュージカルシーンは素晴らしく、ラストの言葉も含め、余韻が凄く、この機会に改めて映画館で体感できて良かったです。

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細野真宏