「ラース・フォン・トリアーの映画を好きな自分が嫌い!」ダンサー・イン・ザ・ダーク 恵さんの映画レビュー(感想・評価)
ラース・フォン・トリアーの映画を好きな自分が嫌い!
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ダンサー・イン・ザ・ダークは衝撃的なラストが印象に残りがちですが、リトマス試験紙のように(もしくはロールシャッハの様に)、どんな感想を持ったかでその人柄がわかる気がして好きです。
救いがないラストで鬱映画…とだけ思う人、セルマ(ビョーク)は無責任な母親と感じる人、セルマはただただ純粋な女性だと思う人などなど…。
私は、セルマを何とかできたのに!と自己嫌悪のような、罪悪感のような気持ちを持って具合が悪くなります。そして、同じ監督のドックヴィルとそのラストを観ると、自分って人間を観てしまった様で具合が悪くなるという…。本当、この監督の映画が好きな自分が嫌だと思う瞬間。
この映画の撮影中にビョークが起こした奇行(数日間行方不明になる、服を食べだすなど)が当時ネタにされてました。しかし、その数十年後♯METOO運動の最中の2017年、ビョークがブチ切れたかのようにフェイスブックでラース・フォン・トリアにこの映画の撮影中に性的嫌がらせをされたと告発(少し遠回し?)しました。当時、その誘いを断った仕返し(罰)として奇行という作り話を流されたと。
ラース・フォン・トリアーが描いているものは、この人の人間性あってのものだと確信した瞬間でした。興味のある方はぜひ調べてみてください。
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