ホーリー・カウのレビュー・感想・評価
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ホーリー・カウ
牛とマリ=リーズが可愛い。
仏語タイトルは「VINGT DIEUX」、ブルゴーニュあたりの俗語で「なんてこった」という意味になるらしい。カンヌの「ある視点」に出品するにあたりタイトルを同じ意味合いの英語「Holy cow」に置き換えた。牛つながりということ。
舞台になるジュラはフランス東部、ブルゴーニュ=フランシェコンテ地方にある。小説と映画の「ショコラ」で有名なコート=ダールのほん近く。でもあんなおとぎ話のような可愛い街並みは登場せず、泥臭い農場や工場ばかりが映し出される。
二十歳ぐらいという設定なのかな、仕事もせず、父親のチーズづくりも手伝わず、ダラダラ日々をおくっていたトトンヌ青年が、父親が死んでしまうことによってチーズづくりにチャレンジする姿を描く。ただコンテストの賞金目当てという動機も不純だし、チーズ工房の息子のクセに何も知識がない、豆腐でいえばにがりを入れなきゃ固まらないということさえ知らない、原材料の牛乳は盗んでくる、といった無茶苦茶でそりゃあうまくいくわけないよね。でもなんか清々しい感じがして後味は悪くないです。
そういや映画の宣伝ではケン・ローチを思わせるっていうものがあったけどなんでそうなるかな。私の連想したのは根岸吉太郎の「遠雷」でした。農業青年の苦悩っていうところかな、もっとカラッとしてるけど。
妹ちゃんは言動は可愛らしいけど顔がとても大人びていて。可愛いのはトトンヌの彼女であるマリ=リーズの農場の牛と、マリ=リーズ本人。体つきがガッチリしていて欲望に素直な感じがとても良いです。演じたのはマイウェン・バルテルミーという新人女優さんで今年のセザール賞をもらいました。女性のrevelation賞というもので私の理解では「今年もっともビッと来た新人」というイメージかな。同感です。
コンテチーズは大好きなので、こんなふうに作ると知って興味深かった。...
コンテチーズは大好きなので、こんなふうに作ると知って興味深かった。でも、今ではかなり機械化されているということなのだろう。田舎のやんちゃな子たちの青春、自負、愛。自動車レースにも驚き。この知らないリアリティがまず素晴らしい。少年と彼女の不器用な愛、子牛の出産シーン、妹との絆、仲間。
金なら3万銀なら2万
チーズづくりの道は1日にして成らず
フランスのジュラ地方でチーズ職人だった父の死をきっかけにコンテチーズ作りを始めるトトンヌのお話です。
ケンカっ早くてやんちゃなトトンヌのチーズづくりが当たり前だけどうまく進まない感じが良い。小さくて可愛い助手(妹)は冷静なご意見番となる重要人物です。作品自体は感動の“はじめの一歩”物語ではなく、これからトトンヌのチーズ作りの人生が始まっていくといった感じでワクワクしました。
そして車の横転レースはジュラ地方の伝統的なものなのだろうか…
上映後はコンテチーズの食べ比べイベントがあり熟成期間の違うコンテを頂きましたが、熟成度合いだけでなく牛が何を食べて育つかで変わってくる味わいの違いに舌を巻いたのでした。
期待とはだいぶ違うけど・・・
成功物語ではない
コンテチーズ
オンライン試写で観賞。
突然父を亡くし幼い妹と2人で生きることになったトトンヌ。賞金のために始めたチーズ作りは失敗と挫折の繰り返し。諦めずにチーズが完成系に向かうにつれ2人の絆も強くなる。間違えてもやり直せる…そんな予感が見えるラストに心が温かくなった。
どうもキャストが全員演技未経験者みたいで、わざとらしくもなくドラマチックでもなく自然体って感じかな?
賞金のためにチーズ作りを始めても、作り方も見よう見まねで材料は盗んでるし、なんかアウトな事もたくさんやってるんだけど、生きていくために何とかしようとしているのは伝わってきたかな。周りの大人は助けてくれないし頼れるのは仲間しかいないし。
材料を盗んでいたことはもちろんバレてそれによって友達と仲違いして、終盤は妹と2人でなんとかチーズを完成させるんだけど、コンテストに出す手続きもできずにチーズを熟成させることも知らないあたりが、めちゃくちゃリアルでよかった。これで賞金とか手に入れるラストだと白けるもんね。
終わり方がとてもよくて、たぶんこれから全てがいい方向に進み出すんだろうなって予感がするんだよ。なんか明日も頑張ろうって思える映画だね。
頑張るやんちゃ坊主の成長物語
コンテチーズ食べたい
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