劇場公開日 2025年10月10日

ホーリー・カウのレビュー・感想・評価

全32件中、1~20件目を表示

4.5気持ち良く帰れる映画!

2025年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

冒頭のシーンを見て、1日ほぼ50km近くを歩き通したという、韓国人の超健脚の若い女性が、一人でサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を歩いていた時に、自転車に乗った3人組のボケ・ガキ共に、青いトマトを投げつけられたという話を聞いていたので、そんなボケ・ガキの話は見たくないなと思っていたのですが、映画館を出る時には、久し振りに気持ち良く帰れる映画でした!
よくも何も考えずにチーズ作りが出来ると思い、行動した無知な18歳の青年が、奇想天外な発想で、いくらお金がないとはいえ材料を盗んで、チーズ作りを始めたのにも驚きましたが、この映画が18禁でないのにも驚き、またフランスでは16歳からワイン・ビール、18歳から蒸留酒の飲酒が可能な事にも驚きました
今後の主人公の金メダル獲得を、応援したい気持ちになった映画でした!

コメントする (0件)
共感した! 0件)
jazz須磨

3.5選びようのない田舎の現実、でもうっすら希望はある

2025年10月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
sugar bread

4.0面白かったです!すごく良かった!

2025年10月20日
Androidアプリから投稿

面白かったです!すごく良かった!

☆出演してるのは監督が住んでるジュラ町の素人の人達のみ。ヒロイン役は刑務所の看守。みんなその町に本当に住んでる人だから凄く町の雰囲気があって素敵でした。演技も上手かった。

☆友達との関係がいい!
友達と喧嘩してても困ってたら助けに行くんだなあ。凄く好きなシーン!

☆小さいのに妹が凄くしっかりしててお兄ちゃんの背中を押すんだなぁ。可愛かった。

☆何故かいいシーンは台詞がない。観てのお楽しみ。是非映画館で。

ーーーーーーーーーー

フランスの酪農地帯に住む18才のトトンヌ。酪農家の父が死に7才の妹と残される。

働きに出るが今までフラフラしていて働いたことが無かったので要領を得ず叱られたり苛めに合ったり…。

チーズの品評会で優勝すれば賞金が出ると知り友達に手伝ってもらいながらチーズ作りに挑戦するが…

コメントする (0件)
共感した! 0件)
snowwhite

3.0微妙

2025年10月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

想定していた展開とは異なるであろうことは途中から感じ始めました。要は、チーズコンテストで賞金を獲得するハッピーエンドにはならないであろうことを。
現実は甘くなく、世間を何も知らない少年達が入り込める余地のないコンペティションだと言うことに気付かされ、それでもチーズ作りしか見通せるモノがなくチーズオバサンの元に教えを乞い始めるのだが… しかし、本作は小さな妹を抱えた少年が兎にも角にも生きて行くしかない現実を予感させて、突然のエンディング。
安易なサクセスストーリーにしないところが良かったかな。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Cabe

4.0昔を思い出すな~

2025年10月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

癒される

カワイイ

反抗する若者しかし妹には優しい、そんな二人に訪れた父の死
主人公は落ち込まず生きていくが限界が有る、助けてくれたのは
友人やあっけらかんの彼女。若かった自分も顔が赤くなるような体験をし
大人になった、今悩んでいる人にもお勧めします。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
hayato

3.025-122

2025年10月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

父を不慮の事故で亡くし、
幼い妹と2人きりになったトトンヌ。

職も覚悟もない少年には、
可愛い妹さんと仲間たちがいる。

褒められた行動🧀では無いけれど、
チャレンジする姿、
反省して立ち上がる姿に、
少しだけ応援したい気持ちが湧く。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
佐阪航

2.5コンテチーズに対するリスペクトは?

2025年10月19日
iPhoneアプリから投稿

うーん。

世界最高峰のチーズを作る舞台を描いた映画としては、すごく残念な出来。
個人的にもコンテ・チーズが大好きなだけに、その描かれ方があまりにも雑で、悲しくなりました。

酔っ払いがタバコ吸いながらチーズ作るなんて、ほんとにやめてほしいし、誰一人、コンテチーズを美味しく作ろうという職人がいませんでしたね。

単なる金儲けの手段ですか?

これフランスのテレビ局が制作に関わってるんですよね⁈ コンテチーズのブランドを低くする映画で大丈夫なのかな?と、心配になりました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
toru

4.5懸命に生きる諦念

2025年10月19日
スマートフォンから投稿

泣ける

癒される

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 1件)
共感した! 2件)
flushingmainst

3.0必死

2025年10月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

141本目。
覚悟が出来てない状態での、父の死。
生きていく為にはと模索していく姿は分かるんだけど、盗んだもので仮に賞を取ったとして、喜べるのかなあってのがある。
チーズ作りをこれから頑張っていく話かと思ったら、最後は仲直りな感じ。
そらでも何となく覚悟は伺えた気にはなったけど、焦点をぼやかされた感じがする。
でも、妹がいたってのは、作品の中では救いかなとは思う。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ひで

5.0反抗期の痛みと、乳製品への回帰と

2025年10月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

フランスで100万人動員だそうですね!
この数、けっこう若者たちが映画館へ行ったのではないかなぁ。そんな気がします。

とっても素朴で、ありふれたフランスジュラ県の酪農家の話。
地味じゃないですか。ストーリーはのんびりしているし、きっと若者好みでは無くて、寝落ちの危険度も有ります(笑)
でも「100万人」には理由がありそうです。

トピックは恐らくふたつです、「満たされない時代だからこそのソウルフードへの回帰」と「若者たちの足掻きのリアル」。このマッチングですね。

チーズ、ワイン、味噌。
どれも加工食品としては人類最古のものです。元々は思いがけず自然発生的に出来上がってしまった食べものの部類で、
どれも発酵食品なんですよね。

そして発酵食品は、その土地の土壌や風土、そして住む人と共にあった「酵母」が物を言わせます。テロワールです。家庭の味です。
土地土地のチーズは、村の特産でありますし、チーズを製造する人たちがそれぞれの家庭に持っている酵母が醸してくれる「チーズ=それは家族」のようなもの。

でも家庭に反発して苦しむ盛りの=反抗期の不良少年にとっては、その”糠味噌くささ“が何よりも拒絶したい、たまらなくイヤな存在なのでね(笑)
映画はそこが本当にうまく描けている。
親や家業に縛られることからなんとか脱出したいあの年代にとっては「土着のチーズ」と「自分」は究極にバッティングするトピックだと僕は感じるのです。そこが面白い。

・・

僕もチーズは好きで、高校時代には昼食には堅パンとチーズの塊を持って部室で過ごしてました。
「ハイジみたいだ!」と部員から驚かれましたね。

柔らかいチーズには柔らかいワイン。
強いチーズには強いワイン。人の心持ちや成長に合わせてチーズもワインも選べるのです。

【Holy Cow! 】
マジかよ!なんてこったい!

緩急つけながら兄ちゃんが妹を思いやるその気持ちが絶品でした。悪ガキ仲間たちの「友だち思いの連帯」にも優しさが溢れます。

◆失敗作の初めてのコンテチーズを牛舎にそっと返してくる沁みるシーン。
◆「父親の死」と「仔牛の゙誕生」。
安直なハッピーエンドではなかったからこそ、この作品は味わいが深くなったのだと思います。
◆エンディングでの“彼女の大サービス”がまた はっちゃけてて、愛がこもってて、とてもいいじゃないですか!(笑)

土や藁の匂いを嗅ぎながらのセックスや牛のお産の光景には、永島敏行と“牛のような”石田えりさんとの「遠雷」なんかを思い出しましたね。

・・

東座は今夜は僕のためだけに貸し切り上映。義理の弟さんが映写機の担当。
館主の合木こずえさんはなぜか一歩後ろに下がって、どうしたことか照れた笑顔です。お客さん一人だって全然いいじゃないですか♪
HolyCow!いい味出してました。

「合木さん、帰りにスーパーで何かチーズを見繕ってきますね」。

+ネット通販で、
本作のドラマの舞台ブルゴーニュ、ジュラ県産の①コンテチーズ。そしてまさしく同地のワイン⇒サヴァニャン種の黄色がかった白ワイン。すぐに発注しました。映画にもブドウ畑が映っていたのを見逃しません。届くのが楽しみです。
白ワインとチーズの組み合わせは初めて。胸が躍りますよ。

・・

ではでは、
元ワイン造醸所勤務の きりんでした

コメントする 1件)
共感した! 3件)
きりん

2.5すごく楽しみにしてたのに

2025年10月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 4件)
コビトカバ

4.0農村を舞台にヤンキー抗争、チーズに夢を賭ける

2025年10月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
KaMi

3.5女性の偉大さよ

2025年10月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

フランスの酪農が盛んな田舎の青年のドラマ。

女の子とヤルことしか興味がない悪ガキ3人組が中心の話で、冒頭からクズすぎて気分が悪い。

父親の死から妹との自立が始まるけど、クズっぷりは変わらず。

ところが、ラストシーンで女性の偉大さに全て許し救われる。なるほど、牛の分娩をじっくりみせてた意味がわかる。

女性の偉大さ、というかオッパイなんですけどね。

コメントする 2件)
共感した! 2件)
minavo

2.5主人公のクズすぎて乗り切れなかった

2025年10月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

チーズ職人の父が亡くした男が、妹と二人で生活していくためにチーズ作りに目覚めるって話だと思っていた。大枠はそんなに間違っていないが、印象は結構違う。だって主人公のトトンヌが結構なクズなんだもの。
調子がよくて、女にだらしなくて、仕事もせずにプラプラしてる。で、父の死で目覚めるのかと思いきや、結局は犯罪行為でチーズを作ろうとする流れ。犯罪に手を染める若者を扱う映画が嫌いというわけではないが、チーズを作ろうとする流れまではよかっただけに残念な気持ちになった。
そんなんだからトトンヌに全く共感できないなーなんて思いながら観ていたが、妹には妙に優しかったりするから実は憎めないキャラクター。一人で牧場を営むマリー・リーズとの関係も利用するだけではない感情も垣間見える。友人たちとの関係性も含めて青春映画としてとても面白い設定ではある。
ただ、チーズのコンテストに出て賞金を稼ごうとするのに、そもそも負けることさえ許さない作りにはちょっと驚いた。あまりにも中途半端な終わり方だし。もう少し何かしらの結果を見せてほしかった。たしかにフランス映画らしいとも言えるが、個人的にはどうにも消化不良。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
kenshuchu

3.0ここで終わる?

2025年10月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

頑張る気はあるが上手くいかない。18 歳の少年ならあんなものかな? 金賞は穫れなくても「良く頑張ったな」ってくらいはなるかと思ってたらコンテストの出場権も無いのは可哀想。
さてこれからどう巻き返すのかってとこで終わりとは。

エンドロールが始まると隣席の人が「これで終わりですか?」とたずねてきたよ。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
あらじん

4.0なんてこった

2025年10月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

難しい

驚く

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
まこやん

2.0十八歳のチーズ

2025年10月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

予告編の感じでは、てっきりチンピラ青年が一念発起してチーズコンテストで優勝する成功譚なのかと思っていたのだが、さにあらず。
とにかく主人公が刹那的で短慮なので、行動に寄り添うのが難しい。結構ボコボコにされるシーンもあるが、元はと言えば瓶で人の頭を殴ったり、牛乳を盗んだり、殴られても仕方がないようなことをしているのだから。
牛もいっぱい登場するけど、題名の“Holy Cow”はそれとは関係ないらしい。フランス語の原題は“Vingt Dieux(20人の神々)”で、まるで違うし。
物語の仕舞い方もよくわからない。賞金は手に入らないし、働き口はないし、どうするんだろ。何も解決していない。フィギュアスケートペアの三浦璃来似の妹ともども前途多難だ。おっぱい見るだけで至福の表情浮かべても。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
梨剥く侍

3.5どこまでが演技?アドリブ?

2025年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

カンヌでの受賞など高い評判を聞いていた本作ですが、劇場で1度だけ観た覚えのあるトレーラーでは特別印象に残っておらず。それでも、米国映画レビューサイトの評価もやはり高いようなので、それを信じてチケットを購入です。
舞台はフランス東部のジュラ山脈の西麓に広がる地域。酪農が盛んであり、またこの地域の生乳だけを使って作られるコンテチーズはフランス国内のチーズ販売量ではダントツの1位と言われ、この地域にとっては重要産業の一つ。そして、本作の主役・トトンヌ(クレマン・ファボー)の父もチーズ職人なのですが、この父親はひょんなことから早々にこの物語を退場してしまいます。
ではトトンヌはと言うと、まさに画に書いたような“悪ガキ”であり、父の仕事も手伝わずに友人たちと遊びまわる日々。ところが父が突然居なくなり途方に暮れますが、歳の離れた幼い妹・クレール(ルナ・ガレ)の面倒を見ないわけにはいかず、この村で生きていく道を模索します。しかし、無鉄砲でその場しのぎな言動が抑えきれないところのある彼は失敗続き。それでも彼の本質を見抜き、見放すことなく信じてくれる人達に助けられ、トトンヌは初めて“やり遂げる”ということを経験します。
美しい自然に囲まれ、その自然を利用して生活をしている人々。牧歌的な暮らしや性格を想像しがちですが、実際は生きていくためには金が必要でだからこその“産業”であり、その世界と人間関係は大変に狭い。だからこそ知識や経験は勿論のこと連帯が必要なのですが、若さだけが取り柄のトトンヌはついつい粋がり、その結果自分の居場所をどんどんと狭めてしまいます。その反面、彼の人懐っこい笑顔と気の毒な経緯(いきさつ)に直面すれば、単なる同情に留まらず手を貸したくなる気持ちも確かに解ります。
例えば18歳のトトンヌにとって足手まといな存在であるはずのクレール。冒頭では幼い彼女の言い寄りを足蹴にすらしますが、父の退場によって二人きりになり、健気にも兄をその気にさせて前に進ませる妹の励ましに対し、トトンヌも自分なりに応えていく“兄妹の絆”を見れば最早応援の気持ちが止まりません。
更に、トトンヌと特別なシンパシーを感じ合うマリー=リーズ(マイウェン・バルテレミ)の存在感たるや素晴らしい。トトンヌとの“イチャイチャ”はいい意味でフランス的な解放感と、どこまでが演技?アドリブ?なシームレス感も実に爽やか。青春譚として見事に成立していて、ラストシーンも最高です。
広大な自然と若者の成長、そして恋愛“のようなもの”からのその先を想像させる余韻に、秋の柔らかな日差しと風に吹かれながら作品を振り返る帰り道。オジサンの心は洗われました。若者たちよ、ありがとう。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
TWDera

4.0ほら、言ったでしょ♪

2025年10月13日
Androidアプリから投稿

幸せ

不慮の事故で父親を亡くした少年が、幼い妹の面倒をみつつ、優勝賞金を目指してチーズコンテストに出場しようとするが…といった物語。

ポスター見た感じ、自然に囲まれた農場でのホンワカロマンス作品なのかなぁ…なんて思っていたら、意外にも結構なシリアス展開。

飲んだくれて友人と遊ぶ日々を送っていたトトンヌ。酔った父親、車の中で休ませるのかと思いきや…え!?
そんなこんなあって、18歳の少年にとっては厳しすぎる現実。それでも生きていくには働かなくてはいけないが…まさかの鉢合わせ‼同情はしきれませんなw

冷静に考えれば、地道に働くなどしてやりようはあったはずだから手放しに誉めるのはちょっと違うかもだが、妹の為、生きていく為の活力は凄いですね。見学しに行ったり、あるもので何とか試行錯誤したり、見学するなど勉強熱心だし…その情熱は見上げたモノ。

周りを固めるキャラも良いですね。まず友達たちが良い奴すぎる。こんな無償の協力ができるのも、あるいみ子どもの良い所だよなぁ…。ワタクシ自身、大人になった今じゃ、タダじゃ動かないしタダじゃ頼めないし。。

あとは、とにかく妹が逞しい。まだ幼い時分、親を亡くした状況でも健気にトトンヌの力になり…グッときますね。

そしてどうでも良いが…牛の匂い!はねぇだろw‼
んで、おまいさんもそんな言われてよく笑ってられるなw

コンテストについては…。まぁいうてまだ子どもだし、そんなことわからなかったよね。
それでも僅かな光を見せる演出。この兄妹、生きていけるよ…。

少し大きくなった友人と燻ったままの自分、そんな中妹が笑顔で抱き上げられたり、対比的な終わりも印象的。まぁでも、トトンヌもあのおばさんの元で…ってことで良いんだよね?

厳しくも悲壮感だけではない、青春の希望と苦しみが描かれた超良作だった。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
MAR

4.5地方映画から世界へ――映画作りと物語がシンクロする、熱量の高い青春映画

2025年10月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

フランスの片田舎の青春&成長物語ーーというくらいの理解で観に行った。美しい自然と温かい人々が登場する、いわゆる地域振興映画みたいな感じなのかなという感じで捉えていた。
実際、美しく魅力的なフランスの農業地帯が描かれる。しかし、想像のはるかに上をいく熱量の映画だった。地域振興映画では、なかなか語られない地方で暮らす息苦しさや困難な現実を、理想化せずリアルに描いている。

この場所で生きていくのは苦しすぎる、でも、外に出ていく選択肢なんてない。
未来に希望なんて見えない。
自分はどうにもならないほど未熟で無力だーー。
そうした現実の苦しさを描くと共に、それを受け入れ、そこからの希望の掴み方を描いた、非常に力強く非凡な映画だった。

鑑賞後に監督について調べてみて分かったことは、この映画が監督ルイーズ・クルボアジェさん自身の物語とも重なっていることだ。
彼女は、1994年生まれの31歳。本作の舞台となるフランス・ジュラ地方の出身だ。大学入学で地元を離れ、近隣都市リヨンの大学で映画学を学んだ。映像作家を排出すというより、教養学科に近いところのようだ。卒業後、やはり近隣地域にあるリュック・ベッソンの映画学校で短期間学んでいる。
決して“映画エリート”ではなく、映画制作の現場的経験も乏しい地方出身の若者だ。

彼女はあるインタビューでこう言っている。

「私はあの土地を愛している。
 でも同時に、あの世界では息が詰まる」

一時、地元を離れて近くの都市で生活したのは、多くの地方出身者が感じる地元への嫌悪感、息苦しさ、未来の希望の見えなさーーそれらから離れたいという思いからだったようだ。

「都会へ出たのは逃げたかったから。
 でも離れてみて、あの不器用さが自分の一部だと分かった」

監督は、大学で学ぶうちに、自分が嫌悪した田舎的なものが自分自身の中にあることに気付いたという。

「ジュラでは、男たちは朝から酒を飲み、女たちは黙って働く。
 そんな現実を見て育った。
 でも私の中にも同じ沈黙、同じ頑固さがある。」

この映画の中でも(主に男たちの)粗暴さ、荒れた人間関係、吐くまで飲まないとやっていられない日々、奔放で無責任な性、当たり前の飲酒運転……などなどが描かれる。そして、そうせざるを得ないのは、日々が過酷な労働で塗りつぶされているからでもある。

故郷の嫌だと思った面が、実は自分自身の一部であることに気がつく。僕にも心当たりがあるし、多くの地方出身者はそうではないだろうか。スマートな都会生まれの同級生との文化的な教養と能力の差や基盤のなさを思い知らされて、そうした実感は、自信喪失と自己嫌悪に繋がっていく。
そんな中、監督が作った短編映画が学内で受賞した。「業界デビューへの切符」というような華々しいものではなさそうだ。それだけで「さあ監督してください」というオファーが来るわけではない。

「私は賞を取ったけれど、その後は静かな時間が続いた。
 次に何を撮るか分からず、ただ村に戻った」

映画を学んだけれど、学生としての時間は終わった。文化の中心パリに出ることなく、故郷に戻った。これには挫折の感覚もあったのではないだろうか。そして、明確な目標もないまま、次の人生の方向を手探りするしかなかった。

彼女は嫌悪していた土地を、再び自分の拠点にした。そして、地域を観察するとともに、内省を深めながら、映画の構想を練った。
嫌悪感を表現の源泉に転換できたことが、非凡である。しかし多くの素晴らしい創造はそのようにして行われるものでもあるかもしれない。

彼女が恵まれていたのは両親がもともと音楽家であり、現在は農場と農業体験施設を経営しているという、芸術と地域生活の接点の価値を理解する人であったことかもしれない。この両親の農業体験施設を拠点に、彼女はゼロから出発した。

「自分が知っている若者たちを撮りたい。
 誰も彼らの話をしていなかったから。」

映画作りのプロセスが、自分のルーツである地方の文化の価値を理解し再発見することと同時に、地域の人々との共創関係に繋がっている。そして、この映画に参加する人々にも、自己発見と成長を引き起こし、それが作品に昇華されていったという流れを彼女は作った。

まず構想段階では、地域住民や農家を巻き込みながらアイデアを固めた。
資金面では、国と地域の助成制度を活用している。
そして、この映画の大きな特徴であるプロ俳優ではない役者陣。主役のトトンヌ役は職業的俳優ではなく、養鶏見習いの仕事を休んで撮影に参加した。恋人マリー役は、農業系の学生からキャスティングされた(見るからに牛飼い農家の働き者の娘だが、本当にそうなのだ)。
周辺の役者たちも同様だ。地域で、素人たちから長い時間をかけてキャスティングし、コミュニケーションを重ね相互理解を重ねた。脚本に従わせるのではなく、自然なその人らしさを重視して、臨機応変に撮影したようだ。
これは出来上がりがコントロールできないし、時間がかかる、非常にリスキーな方法だと思う。しかし、こうしたプロセスによって、監督が自分らしさを受け入れて、この映画に臨んだように、役者たちも自分らしさを発見したはずだ。
それがこの映画に、自然でリアルな感覚と、作り物ではないエネルギーをもたらしたのではないだろうか。普通、企画ものの地域振興映画では、こうしたプロセスは取ることができないだろう。

「私はローカル上映で見てもらえれば十分だと思っていた。
 カンヌに選ばれるなんて、想像もしなかった。」

この映画は、少なくとも撮影初期は全国公開を予定された映画ではなく、監督自身も限定的な公開にとどまると考えていたようだ。そして実際スタートでは、地域での上映会などを積極的に行ったようである。その映画がフランスでは100万人動員まで成長し、さらにこうして日本人の僕の目に留まるまでへと大きく成長した。
監督は、自分の映画は、世界やフランス映画の主流となるタイプではないことを自覚していた。それでも、世の中の主流に合わせることなどせず、自分自身に誠実に、自分が撮れるものを撮るという姿勢を持ち続けた。成功を狙わなかったからこそ、成功したというのがこの映画なのだ。

観客には中高年が目立った。同じ日に、近くの劇場で「劇場版エヴァンゲリオン シト新生」も観たのだけれど、こちらは30年ほど前の古い映画にも関わらず、若者で満席であった。エヴァもまた監督自身の自分探しの物語が、普遍化されて熱狂的指示につながった映画だ。「「ホーリー・カウ」も観に行っておいで、きっとヒントが見つかるから」と言いたくなった。

31歳の女性、クルボアジェ監督は一躍、世界で注目の存在になった。次回作がすごく楽しみだ。でも、この作品を撮ったことで、「もう十分だ」と次の道に進んでしまうような気もする。それほど、個人的で、かつ普遍的に完成された一作だった。

コメントする 1件)
共感した! 4件)
nonta