劇場公開日 2025年10月31日

「そして少女は自立して、一人の女性となった。」ひとつの机、ふたつの制服 にっくさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 そして少女は自立して、一人の女性となった。

2025年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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数ヶ月前にNHK総合の朝イチの映画コーナーで取り上げられていて、何か良さそうと思っていたので、今回観に行った。

名門女子校「第一女子高校」の全日制の受験に失敗し、強引な母親の勧めで夜間部に入った小愛。全日制とは制服が同じだが胸の刺繍が全日制が太陽の黄に対し、夜間部は月の白となっている。
机が全日制と共通で、全日制の方は綺麗で活発な敏敏で仲良く机友になっていくが、やがて卓球バイト先のイケメン高身長男子高生路克にときめきを感じていくが、実は敏敏も路克が好きということに気づく。
ここで日本と台湾のお国柄の違いというか、一見3人で仲良くしていてもさりげなく嫉妬から邪魔をしたりして女性がはっきりしているなあ、と思った。
やがて小愛は夜間部なのに路克とかに嘘をついていることに耐えられなくなってきて、しばらく敏敏や路克と距離をおく。

小愛はクサクサして、自分の家が貧乏で家具はどっかで拾ってきたものばかりだと、旦那に突然死された母親に文句を言うが、ここでの母親のセリフが素晴らしかった。
確か「私がものを拾う度に娘たちの未来がより良くなっていく景色が見える」とか言ってたけど正確に思い出せない。
これと台湾で起こった大地震で小愛の目が覚めたのだと思う。

小愛は、守られてばかりだったが、自立していき大学受験はうまくいき、かつての友達とも対等に付き合い始める。

こうして、全日制か夜間部かとかいうことのくだらなさから解き放される。

女性が自立していく様を台湾の1990年代の様子を交えて描いた作品で、良かった。

にっく