侵蝕のレビュー・感想・評価
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キタキタ
恐怖、不快より理解されない悲しみA sorrow of being misunderstood, rather than fear or disgust
映画という器を信頼し切った
素晴らしい作品。
テーマの中心は、
善悪の理解が周囲と合わない子供と
その親、そして
その20年後の話。
大半の人は、おそらく
善悪の基準が違う登場人物の気持ちを理解できず、
嫌悪感すら抱くかもしれない。
ただ最後まで観ていて、
主人公の理解されない悲しみと
多くの人とは基準が違うなりに
周囲と溶け込むために
なんとかしようとしたけれど
どうしても上手くいかない、
理解されない苛立ち
悲しみが垣間見えて、
ラストシーンは胸が痛くなった。
多くの人は、当たり前のように
共通する道徳を共有し、理解して
社会生活を送っている。
でもその当たり前は、
国が変われば、通用しなくなる。
宗教が違えば尚更だ。
同じ国でも
時代が違ったって通用しない。
近年テレビドラマで、
わずか四半世紀違うだけで
道徳が変わって、
通用しないことをコメディとして描いていた。
「不適切にもほどがある!」(2024年)
この映画は、そのコメディドラマの
コインの裏表でしかないよな、
と感じてしまった。
自分にとって、
怖い、不快というより
理解されない悲劇、
理解できない悲劇に見えてしまった。
韓国映画で
胸を抉るような表現で打ちのめされたのは
「嘆きのピエタ」(2013)以来だけれど
この辺は毎度毎度すごいなと思う。
This is a remarkable film, one that places absolute trust in the medium of cinema itself.
At its core, the story follows a child whose sense of right and wrong doesn’t align with those around them, their parent, and what becomes of them twenty years later.
For most viewers, it may be difficult—perhaps even impossible—to sympathize with a character whose moral compass feels alien. Many may feel only discomfort or revulsion.
But as the film progresses, what comes through is not horror, but the protagonist’s sorrow: the frustration of trying to adapt and connect despite seeing the world differently, the pain of failing to be understood. By the final scene, I felt my chest tighten.
Most of us take it for granted that we share a common sense of morality, and that this shared code allows us to live together in society. Yet what feels universal is often fragile—cross a national border, and it may no longer apply. Add religious differences, and the gap widens further. Even within the same country, a shift of just a few decades can render one generation’s morals incomprehensible to the next.
A recent Japanese drama, Too Inappropriate! (2024), turned this very point into comedy, showing how quickly moral codes can age. This film, however, feels like the other side of that same coin—tragic where the drama was humorous.
For me, the story was never about fear or revulsion, but about the tragedy of being fundamentally misunderstood—and of being unable to truly understand others.
The last time a Korean film struck me with such raw, gut-wrenching force was Pietà (2013). Once again, I was left astonished at the unflinching power these films are capable of.
「怪物」が潜み、日常を侵す恐怖
二部構成の妙。
前半は、齢7つで徐々にサイコキラーの才能を開花させていく娘・ソヒョンによって、精神を蝕まれていく母親を描き。
後半は27歳になり、他人になりすまして名を変えたソヒョンに狙われた家を描く。
もしも、自分の愛娘が、隣にいる優しそうな人が、精神異常な快楽殺人者だったら?
一見人懐こく、優しい人間に見える「怪物」の恐怖。
台風一過のフェーン現象でクソ暑い日に観たんですが、かなり背中がヒヤッとしました。
子役の演技に圧倒される
愛に飢えてるのか、単なる異常者か
この映画は前後編の2部制で展開しますが、前半部は丁寧に伏線を張る仕込みパートで面白さのメインは後半からになります。
前半はトラウマを与える程のイタズラを平気で行う子供、そしとそのお母さんの話しです。
このイタズラが常軌を逸しているせいでお母さんは育児に悩んでしまいます。
これは母親の愛を独占したいが故の行動なのか、それとも根っからのサイコパスなのか?
そして親としての行動は何が正しいのか?
母親の立場から話しが進んでいきます。
そして20年後、後半が始まります!
後半のストーリーはサスペンスとして上手く出来ているので敢えて記載はしませんが、1番ラストのシーンで彼女は母親の愛を求めていたのか?異常者なのか?の答えが明かされます。個人的にはその表現方法と終わり方に衝撃的な余韻が残りました。
なかなかエグい場面もありますが、ヒトコワ系のサスペンスを求めているならオススメ出来る映画です。
サイコパス
母
悲しき獣?
不気味な子とミスリードが紡ぐサスペンス
異常な行動を取る娘によって生活や精神が崩壊してしまう母親、それから20年後の謎めいた侵入者との出会いによって不安に苛まれる女性を2部構成で描く。ストーリー前半は不気味な子供がもたらす災難を追った『オーメン』的展開で、後半はその前半の出来事を絡ませた伏線を張り、観る者にミスリードを誘うサスペンスとなっている。
韓国映画をレビューする際に毎度書いている事だが、今回も俳優陣の顔が皆同じに見えてしょうがない。本作も一部を除き、時系列が進んでいるにもかかわらず老若の女優の区別がつかず、頭がこんがらがってしまった。この弊害は一生続くんだろうなあ…
閑話休題。
まず前半での娘の行動の根本原因がハッキリしない。本当に精神的病からなのか、母親の愛情を欲するが故の衝動なのか、もしくはその母親自体に問題があったのか。それこそダミアンのように「正体は悪魔の子」みたく振り切ってくれれば良かったものの、なんか中途半端。後半に至ってはミスリードをいろいろ狙いすぎた感。なんでも2人の監督が個別に書いた脚本を1つにまとめたとの事だが、それが上手く奏功していない気がする。
ただ邦画でもこの手のジャンルはあるが、それらに全く興味がない者として、韓国映画はやっぱり「観る気」にさせてくれる。
もしも我が子に《心》が無かったら?
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