「前後半でまったく違う作品になる良し悪し。」侵蝕 ケージさんの映画レビュー(感想・評価)
前後半でまったく違う作品になる良し悪し。
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悪魔のような我が娘と、ごく普通の母親との関係性、その対峙がヒリヒリと息を呑む感じで描かれていく。
娘がモンスターであれば有るほど、母親が普通であれば有るほど物語は転がり、その先を期待する。
母親の決断と反撃により、大きく物語が舵をきったと思った矢先に、物語は20年後となり、まったく違う映画になってしまう。
この話はモンスターである娘の話なのだろうか? 私はモンスターである娘に対峙する普通の母親の話とみていたし、そうであるべきだったと思っている。
成長したモンスターと後半に不意に現れた疑似家族との戦いは違和感しかなく、たとえ面白くても困惑してしまう。
母親役のクァク・ソニョンが素晴らしかたこともあり、母と娘のヒリヒリとした神経戦、肉弾戦を観たかったし、前夫や叔母も巻き込んだ地獄絵図を見せ、充分に戦いを描ききった後に韓国映画らしく絶望的な結末で悪魔誕生を見せて欲しかった。
それが作品として成功すれば、20年後の話は続編として観てみたくなったんだろうと思う。
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