無こその存在 あるいは鮎子の人生のレビュー・感想・評価
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鮎子さんが魅力的でした
いつまで経っても正確に覚えられない気がする長いタイトルから、また、主人公の鮎子はテロ資金を詐欺で稼ぐという過激な設定から、理解しにくい内容かもしれないと少し危惧していたら、そんなことは全くなく、飽きさせない展開で、最後まで楽しめた。
鮎子役の佐久間あゆみさんは、不思議な魅力のある俳優さんで、無愛想な不満顔の間に差し込まれる(詐欺を働く時の)とびきりかわいい笑顔まで、さまざまな表情を見せてくれて、今後のブレイクを期待。ディエゴ・マルティーナさん演じる謎のイタリア人レオは、最後まで謎の存在、本当は誰なのか、と想像して、見終わってからもなお関心は尽きない。二人の軽妙なやり取りも楽しい。ちなみに、鮎子という名前に由来はあるのだろうか?
映画好きには刺さる、賛否両論分かれる映画。
ワールドプレミアムで観ました
これはあり
知人の伝手で劇場公開前試写を鑑賞。
スマホを使っての撮影と聞いたが、さすがに画質は落ちるかなぁ。
普通は光の加減が変わらないようにするところを敢えてカット毎に光を変えたり、手ぶれ演出したり、弱点をひっくり返してやるって制作側の情念を随所に感じた。
主役の鮎子役の女優さんは、時に可愛く、時にブサイク、色んな表情を見せてくれる。鑑賞後の舞台挨拶でご本人をリアルで見たら、あら、綺麗!
一方、謎のイタリア人役の俳優さんは演技がちょっと浮いてて、外国人が日本語で演技してるからかなぁと引っ掛かっていたら、舞台挨拶で本業は役者ではなく、大学講師兼翻訳家と聞いて納得。
映画自体は舞台設定も上映時間もコンパクト。マチアプ詐欺、陰謀論、格差社会、テロと内容盛り盛りだけど、メインは主人公の自分探し。途中弛れるシーンがあったものの、最後まで楽しく見られました。
続編が作れるような終わり方だったけど、もしも続編あったら見てみようかな。
試写にて鑑賞。 鮎子は怒っている。 無知ゆえに怒りの矛先が分からな...
劇場を出ても、何かが続いていた
※公開前劇場試写にて鑑賞
見終わったあと、しばらく黙って歩きたくなるような、そんな映画でした。
iPhoneで撮影されたという映像には、どこかドキュメンタリーのようなリアリティがあり、街の空気感や人物の佇まいが生々しく伝わってきます。
タイトルにもある「無こその存在」という言葉の通り、誰にも理解されないと感じている主人公・鮎子の姿が心に残り、彼女の行動は、ある種の“心の衝動”そのものとして描かれていたように思いました。
鮎子を演じた佐久間あゆみさんの存在感も強く、特に、他人を信用していない彼女がひとりのときにふと見せる表情に、ただの孤独ではなく、「どこにでもいる普通の女の子」としての輪郭が浮かび上がっていたのが印象的でした。
また、ディエゴ・マルティーナさん演じるレオの存在も、日本文化に親しみながらも日本社会ではどこか異質であり、鮎子の孤独と静かに共鳴していたように感じました。
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